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プロモーションとしての「謎解き」。

――「謎」は最強の入り口なので、「謎解き」は最強のプロモーションコンテンツなのです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家、木の家ゲストハウス水戸マネージャー、イベンターとして活動しています。

今回は「プロモーションとしての『謎解き』」というテーマで話していこうと思います。



🏨コナン映画のPRとして…

先日の大阪旅で、初めてのUSJに行ってきました。そこで、先月から始まった「名探偵コナン THE ESCAPE 残像の序章」を体験してきたんです。これは、4月に公開される映画「名探偵コナン 隻眼の残像」の前日譚を、参加者が謎を解きながら体験していくというコンテンツです。

最近の僕のマイブームは謎解きを含む体験エンタメだし、僕のミステリー好きはそもそもコナンから始まっているし、情報が解禁されてから行かないわけにはいかなと鼻息を荒くしていました。

実際に体験してみた結果、想像以上の面白さで、素直に謎解きも演劇も楽しめました。毛利小五郎とか、妃絵里とか、コナンのレギュラーキャストに加え、ゲストキャストが何人かいたんですが、本当にコナンの世界のなかにいるような感覚になるほど、全員のパフォーマンスが光っていたんです。

元がアニメーションのキャラクターで、それに寄り添うように現実の人間が扮しているので、コスプレ感があるのは否めなかったけれど、声色、仕草、立ち回りが本当に上手だったんです。

ストーリーも、コナンらしい展開でした。コメディも、アクションも、最後のちょっとエモいパートも、全部コナンでした。コナンに対する解像度が高い人たちが制作しているんだろうなと思い、なんだか嬉しくなったものです。

さて、今回は別の切り口から話をしていこうと思います。

さっきも触れたように、このUSJのアトラクションは今度公開される映画の前日譚が展開されるものです。映画が公開される前に、オープンしているということは、少なからず、というかだいぶ映画のプロモーションの意味合いが強いと思っていて、この打ち手が個人的には興味深く受け止めたので、僕が思ったこと、考えたことをつらつらと語っていきます。


🏨プロモーションとしての「謎解き」

映画のプロモーションとして「謎解き」を据えるというのは、僕にとっては今回が初めましてで、しかも「名探偵コナン」という国民的映画のプロモーションということもあり、衝撃を受けています。

言ってしまえば「謎解き」も作品のひとつじゃないですか。それを届けるためにも集客しなければいけないし、集客するためにあれこれプロモーションの打ち手を講じないといけないわけじゃないですか。そこを作品の圧倒的な強さと、USJという圧倒的な集客の箱のおかげでクリアして、映画のプロモーションを成功させにいっているのです。

さっきも紹介しましたが、アトラクション自体めちゃくちゃ完成度が高かったんです。パフォーマンスも演出もよくて、満足度が高かったんです。そのさなか、公演のいちばん最後に映画の特報が流れました。

圧倒的なエンタメを体験して心が解れているときに、映画の特報なんてものを見せられたら、行くしかないじゃないですか。下手にネットニュースになったり、SNSで発信するよりも確かな効果があると、僕は考えました。

以上のことを踏まえたときに、「謎」って最強の入り口だなって思うんです。


🏨「謎」は最強の入り口

「謎」とは、「それ」がよく分からない、不可解な状態であることを指します。犯人が誰なのか分からないのは、犯人自体が「謎」というわけではなく、主人公にとって、犯人の正体がよく分からないその状況が「謎」なんですよね。

そこから犯人がAさんであることが分かったとき、主人公を取り巻くのは「謎」が明らかになったという状態であり、その一部始終を目撃した傍観者(読者)は、快感や充足感を覚えるというわけです。

つまり、「謎」を軸に物語が生まれ、感動がつくられているのです。それを踏まえたとき、「謎」とは物語の種であり、感動の端緒と呼ぶことができます。

ミステリーに分類されない作品だとしても、「葛藤」や「不満」とは広義の意味で「謎」なのですから、あらゆる物語に「謎」はつきものなのです。そして、そこから解放されること、乗り越えて日の目をみること、夢を叶える流れに、僕らは心を動かされるわけです。

ちょっと話が脱線ぎみになりましたが、要は「謎」を解くという儀式は、人の心を動かしやすく、感動した人はその先にあるものに手を伸ばしたくなってしまうので、プロモーションとしての機能が高いのではないかという話です。

「謎」は最強の入り口なので、「謎解き」は最強のプロモーションコンテンツなのです。

僕の友達に、行政や企業と連携して謎解きを制作をしている人がいて、彼と街歩き謎に出かけることもあるのですが、街歩き謎の構図も全く同じ。街を知る、あるいは街にある店にお金を落とすために、「謎」を入り口にしているのです。

もちろん、名探偵コナンはミステリー漫画だし、そもそも謎解きと親和性が高いこともあるので、プロモーションの打ち手として、闇雲に謎解きイベントをやればいいわけではありませんが、プロモーションの手札として握っておくのに損はないんじゃないかなという話でした。

僕もまだまだ作家として半人前ですが、届け方も考えながら、作品作りに注力していこうと思いました。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

20250214 横山黎

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