短編集のカバーを複数つくる
――人によって興味を持つ対象はばらばらなんだから、より多くの人に届けようと思ったら、興味を持ってもらう確率を上げるために、複数の入り口を作っておくべきではないでしょうか。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「短編集のカバーを複数つくる」というテーマで話していこうと思います。
📚短編集のカバー問題
昨日、短編集『我楽多だらけの宝箱』を出版したいという話をしました。中1から大4までの10の物語を1冊にしようと思ったのです。ガラクタばかりの作品だけれども、僕にとってひとつひとつが宝物で、それを詰め込んだ宝箱のような1冊を作り上げます。
多分、4月末頃になると思いますが、丁寧につくっていこうと思います。
で、短編集のカバー表紙って基本的に1つじゃないですか。表題作をイメージしたイラストや写真がカバー表紙に収められることが多いですが、カバー表紙は複数の種類があっていいんじゃないの?と思ったんです。
これはかねてから疑問に思っていたことで、せっかく次短編集つくろうとしているし、だったら自分で試してみようかなと思います。
📚『YOASOBI小説集』は4種類
YOASOBIさんの楽曲は小説が原作ですが、その原作をいくつか収録した『YOASOBI小説集』という本があります。「夜に駆ける」「あの夢をなぞって」「たぶん」「アンコール」の原作小説が収録されています。
で、この4つの物語それぞれのカバー表紙がつくられているんです。「夜に駆ける」のカバー表紙にはMVにも登場する男性と女性が、「あの夢をなぞって」のカバー表紙には男女の間に打ち上がる花火が描かれているんですよね。
個人的にこの試みはステキだなと思っていて、今の時代、視覚に訴える情報を侮ってはいけないから、カバー表紙にもこだわりや工夫を凝らす必要があると考えています。
『YOASOBI小説集』は「夜に駆ける」の原作『タナトスの誘惑』が表題作のような立ち位置だけれど、本のタイトルからYOASOBIの曲の原作小説が収録されていますよ!ってことを伝えているわけだし、その中身をちゃんと開示した方がいいわけですよね。
つまり、表題作をバンバン前に出していこうという姿勢ではなくて、YOASOBIのこの曲の原作も、あの曲の原作もこの本に収録されていますよという情報を伝えにいく姿勢を取っていると見受けられるのです。
僕がそのうち出そうと考えている短編集も似たような感じで、どの作品を前に出そうという気は特別ありません。もちろん収録作品の内容によって思い入れ具合が違うけれど、どの作品も僕にとっては宝物だし、表題作という概念はありません。
ですから、カバー表紙を複数種類用意して、1冊の本の見せ方を変えてみる価値はあるなと考えます。
📚読者の興味を持つ確率を上げる
さらに、カバー表紙を複数つくるメリットとしては、「読者の興味を持つ確率を上げる」が挙げられます。
A、B、Cという作品が収録されているとして、カバー表紙の題材になっているAの作品の雰囲気はあんまり好きじゃないけど、収録されているBの作品の雰囲気は刺さる、みたいなことは十分に考えられます。僕自身、短編集の目次を見ると、「え、このタイトル好き、読みたい」と思って、その話から読んだりします。
ちょっと話は逸れますが、アルバム曲の方が好き!という現象はよく起きるじゃないですか。隠れているからこそ大切に思えるともいえますが、そのアルバム曲を題材にしたアルバムジャケットがあったらめちゃくちゃステキじゃないですか。もしジャケットを選べるなら、自分が一番良いと思ったものを買いたいじゃないですか。
それと同じで、人によって興味を持つ対象はばらばらなんだから、より多くの人に届けようと思ったら、興味を持ってもらう確率を上げるために、複数の入り口を作っておくべきではないでしょうか。
『我楽多だらけの宝箱』には10作品収録されています。まだ考え中ではありますが、さすがに10種類つくるのは難しそうです。ただ、今の時点で、『桃太郎』と『初めましての恋』のカバー表紙は用意するつもりです。
やっぱりタイトルだけで訴求力はあるし、大学生になってつくった作品だから他の作品よりも質が良い。というわけで、この2つと、あといくつかの作品を題材にしたカバー表紙をつくってみたいなと思いました。
ちなみにですが、『初めましての恋』のカバー表紙はもう既に出来上がっています。以前、ココナラのサービスを使って、イラストを依頼したんです。サイズを合わせる必要はありますが、以下のイラストをベースに完成させます。
早くみなさんの元へ届けたいです。本づくりってわくわくしますね。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20230201 横山黎