書くだけが作家じゃない。
ーー作家のやることは、作品を誰かの手元に届けて、その目に触れてもらって、心を動かす。そして、その人の明日への活力をつくること。物を書くことだけがやるべき仕事ではないんですよね。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「書くだけが作家じゃない。」というテーマで話していこうと思います。
📚まちかどマルシェで出店!
昨日は大学近くで開催された「まちかどマルシェ」に出店していました。
最近お世話になってる住み開きシェアハウス「はちとご」のオーナーと、会場となる敷地の所有者、肉バル「I'm home」を経営する和田さんの共同開催です。今回で3回目の開催となりました。
いつも通り野菜や古本が売られていたり、それに加え、夏らしく流しそうめんがありました。昼頃から参加した僕は昼ごはんを食べていなかったので参加しました。最後にやったのはいつだったのか思い出せないくらい遠い過去以来の流しそうめん。良い大人が声を上げてはしゃいでしまいました。
さらに、テキーラ王子こと佐々木さんがテキーラバーを開いていました。1ショット無料という謎のお得なサービス。昼間からテキーラを振る舞うのもおかしいし、そもそもマルシェ&フリマでテキーラバーが設置されていることが奇妙ですが、首を傾げるより先に口角が上がってしまいました。
めちゃめちゃ面白いじゃん。そんなこんなで、昼からテキーラを嗜むことになりました。
📚本を売るよりも大切なこと
僕は前回から出店者として参加していて、自分の本を売っています。今回も、紹介用のパネルと本を何冊か持っていき、僕のコーナーをつくってもらいました。
昨日は、小説『Message』が1冊、うた集『夜明けのうた』が3冊売れました。
マルシェ&フリマで本を売るとなると価格帯が他のサービスよりも高くなってしまうので、正直たくさん売り込むつもりは毛頭ありません。それよりも、立ち寄ってくれたお客さんとコミュニケーションを取ることを優先していて、そこから生まれるお仕事の話もあります。
昨日も、創作教室に興味ない?と話かけてくれた方がいらっしゃっいました。何でも最近できた新しい施設で文化的なイベントを定期的に開催していくそうで、そこで「文芸」方面の担当として僕に白羽の矢を立ててくれたんです。詳細はまだまだこれからですが、面白い未来が待っていそうです。
同じ時間を同じ場所で共有することで生まれる絆は確かにあって、それを繰り返していった先に、自分の見たい景色が待ち侘びているのではないでしょうか?
ちなみにですが、さっき合計4冊売れたという話でしたが、そのうちの3冊は既に知り合っている方が買ってくれました。
マルシェ&フリマに限らず、住み開きシェアハウス「はちとご」のオープンスペースや、そこで開かれるイベントで分け合ってきた時間が絆をつくってくれて、それが昨日、本(お金)に姿を変えたと考えられるわけです。
📚書くだけが作家じゃない
最近、創作大賞に向けて新作『君はマスクを取らない』を執筆しています。いつでもどこでもマスクをしている女子高校生の謎に迫る、コロナ禍を捉え直す青春純愛物語です。
せっせと執筆しなきゃなのに、それでもやっぱりコミュニティに属したい、オフラインの場所で人と関わりたいという欲が出てきてしまうんですよね。それは単純に人と話したいからという理由もそうだけど、それに加えて何か仕事や、面白い未来が生まれる可能性があるから、僕は時間を割きたくなってしまうんです。
もちろん新しい作品をつくることが、作家の必要作業だし、いつだって何が起こったって書き続ける姿勢が求められます。
ただ、それがイコール作家のすべての仕事じゃありません。作家のやることは、作品を誰かの手元に届けて、その目に触れてもらって、心を動かす。そして、その人の明日への活力をつくること。物を書くことだけがやるべき仕事ではないんですよね。
作品を届けるためにイベントに参加することも、そのための場所づくりを学ぶことも、書くことを教えることも、物語を提供することも、全部作家の仕事。あらゆる可能性を考慮して、作家の道を広げる実験をしたり、需要に応えたりする必要があるのです。
マルシェ&フリマの後は「はちとご」で打ち上げをかねてテキーラ会。そこでも新しい約束が生まれました。作家という生き方の選択肢を広げる挑戦が始まります。これからも書いて、届けて、伝えて、心を動かす作家で在れるように尽力していきます。最後まで読んでくださりありがとうございました。
20230627 横山黎