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やっぱり「桃太郎」しか勝たん。
ーー桃太郎ほど普遍性と王道性のある物語はどこを探してもなくて、それを題材に展開していく授業は、そりゃどんなテーマであろうと身近に思えるし、少しでも自分の知らない要素が出てくると惹かれてしまうものなんですよね。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「やっぱり「桃太郎」は最強。」というテーマで話していこうと思います。
🏨「桃太郎」の授業をして分かる「桃太郎」の強さ
先日、僕は大学院で授業をしてきたんです。経緯は割愛しますが、縁が巡り巡って、「学校教育における多様性の受容と活用」という授業のゲストティーチャーとしてお呼ばれされました。
そこで展開したのは、「桃太郎」の授業です。
僕は大学4年生のとき、卒業研究の題材として「桃太郎」を選びました。「桃太郎」の歴史を紐解いたり、「桃太郎」の教育的価値を論じたり、芥川龍之介の『桃太郎』の文学的魅力に迫ったり。
僕のはまり具合は尋常ではなくて、卒業間近にはトークイベントを開催して、50人近くの前で「桃太郎」について物語りにいきました。ちなみにそのトークイベントから派生して、今回の授業の話をいただいたんですが、詳細については以下の記事をごらんください。
「桃太郎」の授業を展開してみたら、たくさんの実りがありました。
「ジグソー活動って自主性を促進するから効果的だな」とか、「桃太郎の物語を考える課題は多様性の受容と活用をちゃんと実現できているな」とか、いろいろありますが、全部ひっくるめて一言でいうなら、「やっぱり桃太郎は最強だった」です(笑)
🏨普遍性と王道性
ストーリーを説明せずとも、「桃太郎」と聞けば「あれね」となるじゃないですか。僕が思い描くストーリーも、あなたが思い描くストーリーも粗方一緒だと思います。それだけ認知を獲得している物語って、日本中どこを探してもないんですよね。
だからこそ、多様性の授業を展開する上で、僕は「桃太郎」という題材は打ってつけだなと思ったんです。多様性を考えるとき、だいたい例示として挙がってくるのは遠い国の話から、あるいは自分が出逢ったことのないような考え方、嗜好の人の話です。確かにこの数年でめちゃくちゃ耳にする単語ではあるけれども、僕らはそこに対して距離を感じてしまっていると思うんです。
そこで、「桃太郎」です。日本一身近な物語を介して「多様性」をみつめることでより前のめりになれると考えるのです。実際、「桃太郎からみつめる多様性」の授業は僕の想像以上に盛り上がりました。
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「桃太郎」の物語は時代によって変容しています。明治時代以降は政治的な思想が反映されていたりするので、結構えぐめの話もあるんです。
たとえば、戦争中に書かれた「桃太郎」は外国が鬼が島で、外国人が鬼として描かれます。街中のポスターには「鬼畜米英」の文字が並び、「桃太郎の海鷲」という映画をつくったりしたんです。ちなみに、この映画が、日本初の長編アニメーション映画といわれています。
他の時代のものをみてみても、何が正義で、どんな存在が英雄で、鬼は何を象徴しているのか、桃太郎の物語は多種多様なんです。つまりはそれだけシンプルで変形しやすい形の物語であるということ。「桃太郎」は日本で最も王道性のある物語といえるのです。
🏨やっぱり「桃太郎」しか勝たん
この度の「桃太郎」の授業が想像以上に盛り上がった大きな理由は、僕の進行が良かったからでも、ジグソー活動が効果的だったからでもありません。もちろん理由のひとつではあるだろうけど、割合は少ないはずです。
いちばんの理由は、「題材が『桃太郎』だから」です。
桃太郎ほど普遍性と王道性のある物語はどこを探してもなくて、それを題材に展開していく授業は、そりゃどんなテーマであろうと身近に思えるし、少しでも自分の知らない要素が出てくると惹かれてしまうものなんですよね。
大学院の授業に登壇してみて分かったこと。
やっぱり「桃太郎」しか勝たん。
僕の人生には時折「桃太郎」が顔を出すんですが、そろそろそれを運命と受け入れるべきだと思うようになりました(笑)
いちばん分かりやすいのは、絵本『桃太郎』をつくる夢を叶えることですね。これは「桃太郎」のトークライブのなかでも宣言したことです。宣言したからには時間をかけてでも叶えにいきます。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20241103 横山黎