物語を越えて伏線回収をしてみた。
【#138】20211115
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家を目指す大学生が思ったこと、考えたことを物語っていきます。是非、最後まで読んでいってください。
今回は、「物語を越えて伏線回収をしてみた」というテーマで話していこうと思います。
☆あるショートショートで……
僕はこの一ヵ月、毎日のようにショートショートを投稿し続けてきました。ショートショートならではのしめ方や演出の仕方など、作品を作りながら勉強になりました。
なんでこんなことやっていたかというと、「ショーショートnote杯」というコンテストに参加するためだったんですね。とりあえずその締め切りまで作り続けていこうと思い、一か月間やってきたわけです。
僕は「終わり方」にこだわる人なので、一か月間作り続けてきて、その最後の作品はどんなものがふさわしいのか、一週間くらい前からぼんやり考えていました。「時計の話にしようかな」とか「やっぱりファンタジーがいいなあ」とか、ちょっとずつ考えていったんですが、やがて降ってきたアイデアは「これまでの作品の伏線を回収する物語にしよう」というもの。
思い付いた瞬間、僕はわくわくしました。
そもそも僕は「伏線大好き人間」なので、そのアイデアを思い付いたら最後、何が何でも伏線を回収するために頭をフル回転させます。
コンテストの規定で一つの作品を410字以内で書かなきゃなので、「メインの物語」+「伏線回収」となると、そのバランスをとるのが難しいんですよね。どっちも疎かにしたくなかったので、ひたすら調整を続けていきました。
その結果、個人的には綺麗なラストワークが完成したなあと思います。
興味を持たれた方は、以下のショートショート(伏線)と、最後の『よみがえる時計』を読んでもらいたいなあと思います。
※最後の作品↓↓↓
☆物語を越えて繋がる世界
ここからは、少しネタバレを含みますので、先に読んでくださった方向けの話になります。ご容赦ください。
ということで、『よみがえる時計』という作品は、「死者の止まってしまった時計をよみがえらせる時計屋」の話でした。つまり、「これまでの作品の中で失われた命たちが登場する」という伏線回収をしてみました。
「特攻隊の男」は『空飛ぶ結婚式』、「プロを目指していた野球少年」は『光を放つホームラン』、「『ドレミのうた』が好きだった女の子」は『朝のピアノ』の登場人物です。彼らは、月の住人になっているんですね~。
お気づきになったかと思いますが、これまでの作品で触れてこなかった命がありますよね。
「老いた花火師」とか「天才推理作家」とか「産声を上げる前に死んでしまった赤子」とか、これまで綴ってきた作品の中で触れてきてないんですよ。
ぶっちゃけ言ってしまえば、これから綴る作品で触れていきます(笑)言い換えれば、「老いた花火師」も「天才推理作家」も「産声を上げる前に死んでしまった赤子」も、これからの物語の中で命を落としますという死亡宣告です……。
つまりつまり!
ショートショート最後の作品で、今後の伏線を張ったということです。いつか物語を越えて、回収するよってことです。
とはいえ、どれくらい時間がかかるか分かりませんので、気長にお待ちくださればなと思います。どうかこのことを、頭の引き出しの隅にしまっておいてください(笑)
☆物語を越えて伏線回収する理由
『よみがえる時計』というショートショートは、過去と未来を繋ぐ物語になりました。これまでの伏線を回収し、これからへの伏線を張りました。
じゃあ、何で僕が「伏線回収」に、もっといえば、「物語を越える伏線回収」にこだわっているかというと、「その読者だけの物語が生まれるから」です。
僕はかねてから、僕のつくる作品の世界をどうにかして繋げたいなあとぼんやり思っていたんですが、やっぱりそれを実行しよう!と腹を決めたのは、道尾秀介さんの『N』という本を読んだときでした。
詳しくは上の記事をご覧になってほしいんですが、簡単にいえば、「この本は6つの物語から成り立っているんだけど、どの話から読み始めても、どんな順番で読み進めても、どの話で読み終えてもいいよ。好きな順番で読んで下さいね」という本です。
どの話から読んでも、読み進めるにつれ世界が繋がっていき、読者それぞれの物語が完成するわけです。
道尾さんは
それを一冊の本で実験しましたが、
僕はそれを
僕の物語全てで実践してみたい。
そう考えています。
どの物語から読んでも繋がりを感じられるような作品作りを心掛けていけば、その読者だけの物語がつくれる!と思ったので、その方針で創作していきまーす。
☆お知らせ
最後にお知らせします。
僕が書いた小説『メッセージ』についてです。一言でいえばダイイングメッセージの話なんですが、以前から僕は、
「なんで死の間際に犯人の名前を書くんだろう?」
「もっと伝えるべきメッセージがあるよね?」
という疑問を持っていました。この作品はそんな疑問と真正面から向き合ったものです。僕がどんな答えを出したのか、興味を持たれた方は、下の記事からチェックしてみてください。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
横山黎でした。