『シン・ウルトラマン』から見つめ直す「人間」
――シン・ウルトラマンはただの空想じゃない。いつ起こるかも分からない災いと、それに立ち向かう人間の強さと、絆の尊さを表現した、すぐ近くの未来の物語――。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「『シン・ウルトラマン』から見つめ直す『人間』」というテーマで話していこうと思います。
◆シン・ウルトラマン
昨日、映画『シン・ウルトラマン』を観にいってきました。
子どもの頃、お父さんの影響でウルトラマンをよく見ていたので、情報が解禁されたときからワクワクしていました。
主題歌の米津さんの楽曲は最高だし、動員数の初動は『シン・ゴジラ』をもしのぐニュースは入ってくるし、楽しみで仕方ありませんでした。
今日は、シン・ウルトラマンを観て思ったこと、考えたことを物語っていこうと思います。
ネタバレがんがんしていくので、ご容赦ください。
◆やっぱりエヴァみを感じる
それではまず、感想をつらつらと。
まず、シーンのところどことで既視感があって、記憶を辿れば、エヴァンゲリオンに行き着きました。ウルトマランとメフィラスの対決シーンやカット割りは、まさにエヴァのそれで、株式会社カラーの色が出ているなあと思いました。
人によって好みは分かれる気がしますが、僕は好きですね。独特なアングルとか、クセになります(笑)
それから、想像以上にいろんな怪獣、いや、禍威獣が登場してくれた嬉しかったですね。ゴメスにぺギラ、ネロンガなど、懐かしい名前が聞けてぞくぞくしました。
あと、ウルトラマンってやっぱすげえなって思いました。日本を代表するヒーローだってことです。
半世紀以上前に誕生した、銀の肌をした巨人。地球に現れる怪獣を倒していくヒーロー。あの時代にあのクオリティと衝撃を見せてくれたのだから、今にいたるまでいくつものシリーズが続いてきたことにも、時を超えリメイクした映画がどの世代の需要をも満たすことにも頷けます。
◆人間、捨てたもんじゃない
シン・ウルトラマンは、最終兵器ゼットンとの対決で幕を引きます。人間の住む地球を滅ぼすために、光の国からやってきたゾーフィがゼットンという兵器を持ち込みました。
地球だけでなく、太陽系の全てを消滅することのできる破壊力を持っています。人間を滅ぼすために、太陽系までも消し去るとは、外星人の考えることはまさに宇宙規模のスケールです(笑)
ウルトラマンも光の国からやってきた外星人、つまりゾーフィと同じなわけですが、地球に住み、人間を信頼し、地球を滅ぼす計画を阻止する決断をしました。ゾーフィと対立することになったわけです。
最終的に、ゼットンを倒すことに成功するのですが、そこへ導いたのは命を捧げたウルトラマンだけではありません。人間の英知が奇跡を起こしたのです。
人間とウルトラマンが協力して、ゼットンを宇宙へ葬ったのです。
ウルトラマンの力だけでは無理でした。人間の英知が、外星人の脅威を打ち負かしたのです。
それまでの話で、外星人が来訪し、彼らが人間の醜い部分を非難したり、蔑んだり、そういった描写がいくつかありました。耳の痛い指摘ばかりでしたが、それでもウルトラマンは人間を愛しました。人間のために命を捨てることも厭わなかったのです。
僕ら人間は、愚かで、醜い。
でも、それでも美しい。
信じ合えるし、
繋がり合えるし、
愛し合える。
子どもの頃、信じて疑わなかった人間の力を、もう一度思い出させてくれる、そんな映画でした。シン・ウルトラマンはただの空想じゃない。いつ起こるかも分からない災いと、それに立ち向かう人間の強さと、絆の尊さを表現した、すぐ近くの未来の物語――。
そんなことを思いました。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
【#330】20220526 横山黎