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生みの苦しみ。
――僕らは作品を生むこと、そして育てることに力を注げるくらいにものづくりが好きで、たとえ茨の道だろうと、痛みと苦しみにもがきながらもその先にある景色を目指して進もうとする夢追い人。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「生みの苦しみ」というテーマで話していこうと思います。
📚創作の障壁
昨日、高校時代の友達の「山D」と電話したんです。彼は今、岩手でバンドを組んで音楽活動をやっている人で、この前CDを出したとか。
別に何かきっかけがあったわけではないんですが、山Dの方からお誘いが来て、電話越し語ることになったんです。僕は作家として、彼はバンドマンとしてもがいている大学生ですから、共感と発見の連続で会話していて楽しいんですよね。
面白かったのが、CDのジャケット写真を高校時代の絵が上手な友達にお願いしたらしいんですが、いつの間にか音信不通になっていたそうで、結局自分で用意することになったという話。
きっとこっちの熱量が高いから離れて行っちゃったんだろうなと嘆いていました。やっぱり趣味で好きで創作に向き合うのと、目指すものがあって夢として創作に向き合うのとでは大きな違いがそこにある。気を付けないと、すれ違いが生まれてしまうんですよね。
去年Amazonで出版した『Message』は共同創作でつくったものなんですが、そのときに僕も同じような感想を持ったことを覚えています。僕の友達を誘ってコミュニティをつくって原稿を読んでもらって議論し合って完成を目指していく方法をとっていたんですが、やっぱり人によって熱量は違うし、あくまで大学生が手掛けるひとつのプロジェクトとしての認識しかなかった。
僕自身、『Message』を完成させて、この作品でうまく夢を手繰り寄せようと思っていたから、熱量は高かったわけです。自分の作品だからそもそもモチベが高いのは当然のことですがね。
そんな感じで、「分かる分かる!」という慰労のための会話をお互いにしていたんですが、その中でも「生みの苦しみ」についての話題が印象的でした。
📚生みの苦しみ
お互いに「最近は何つくってるの?」って話になったんです。
僕は公募用に新作『君はマスクを取らない』の執筆していることに加え、短編集『我楽多だらけの宝箱』のAmazon出版や、「BOOK TALK LIVE “Message”」の開催を予定していることを話しました。
山Dもペースは落ちてるけど新曲はつくってるし、今月も来月も何本かライブがあって、今年はオーディションにも申し込もうと考えているとのこと。
最高です。
ただ、お互いに光を感じることばかりではなくて、生みの苦しみに耐えながら日々を過ごしていることを打ち明け合いました。
僕は「一時間パソコンと向き合っても全然進まないことがある!」と嘆き、山Dは「メロディはできてるのに歌詞が出てこない!」と嘆きました。数え出したらきりがありませんが、こうした苦しみってものづくりしている人なら誰にでもあることで、そこから生まれる不安や恐怖に打ちのめされそうになることが多々あります。
そのせいでものづくりの道を歩くことをやめる人も少なくありません。僕だってそういう時期はあったし、山Dだって大学に入ってから音楽を続けることにすら迷いがあったそう。
それでも僕らは続けてきたし、続けてきたからこそ出逢えた景色があるんですよね。作品を通じて新しい出逢いが生まれたし、誰かの心を動かしたときの喜びを知ることができました。
📚生んで育てる喜び
結局、僕らは作品を生むこと、そして育てることに力を注げるくらいにものづくりが好きで、たとえ茨の道だろうと、痛みと苦しみにもがきながらもその先にある景色を目指して進もうとする夢追い人。
叶うか分からないし、どんな未来が待っているか想像もつかないけど、これからも生んで育てる日々を営んでいくんだろうなと思います。
やりたいことはたくさんあるし、夢も野望も企みもたくさんある。掴もうとしたら擦り抜けるそいつらを握りしめるまで、僕らは夢の中に存在し続けるんだと思います。
そんなことを再認識した電話越しでした。
今月末に呑みに行こうという話になったので、また創作談議に花を咲かせようと思います。最後まで読んで下さりありがとうございました。
20230210 横山黎