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ポップでガーリーな世界へようこそ!「マリー・アントワネット」

今日11月2日は何の日でしょうか?
そう、フランス国王ルイ16世の王妃マリー・アントワネットの誕生日です。
これもなにかの縁、ということで今回この映画を紹介します。

「マリー・アントワネット」は2006年、ガーリーカルチャーを表現するのが得意なソフィア・コッポラ監督によって制作されました。
この映画は伝記映画というより、マリー・アントワネットという少女の青春物語であり、史実とは異なる部分があります。
なのでフランス革命やマリー・アントワネット自身について知りたい!という方向けではありません。その点はご注意ください。

物語のあらすじ(ネタバレ・・といっても皆だいたいは知ってますよね)

マリー・アントワネットの波乱万丈な人生は、歴史として多くの人は知っていると思います。なので軽く説明しますね。
1769年、オーストリアの皇女マリア・アントニア(後にフランス読みの「マリー・アントワネット」となる)はオーストリアとフランスの同盟として、母マリア・テレジアの命によって14歳で単身フランスに行き、国王ルイ16世と政略結婚します。
厳しいフランス王室のしきたりのなか、常に皆に見られ監視されているような堅苦しい生活に身を置くことになった彼女。
しかも夫のルイ16世は男性の性的機能に問題があり、妻のマリーよりも錠前作りに夢中で、子供を作ることができない日々が続きました。
それらのストレスから、マリーはパーティやギャンブル、ドレスに靴にお菓子とお金を浪費するようになります。
そんな時、仮面舞踏会でフェルセン伯爵に出会い、恋をします。

その一方、アメリカ独立戦争への援助から国の財政は困窮し、飢餓に苦しむ国民は、贅沢三昧のマリーや貴族たちに怒りの矛先を向けるようになりました。
そしてとうとう暴動が起こり、フランス革命が起こるのです。


ソフィア・コッポラ監督のガーリーな世界

この映画の見どころはとにかくガーリーでかわいらしく、ロマンティックな映像美です。
マリー・アントワネットを演じたのはキルスティン・ダンスト
幼い少女時代から、大人の女性として成長し王妃として貫禄が出てきたマリーを見事に演じています。
彼女は作品の中で60着以上のドレスを着用し、それに合わせてヘアメイクもすべて変えたため、撮影の準備だけで数時間もかかっていました。
そのドレスはどれもレースやリボンやフリルなどが可愛い、そして色も淡くパステル調で統一された、キュートで思わずうっとりしてしまうデザイン。
その評価は高く第79回アカデミー賞にて衣装デザイン賞を受賞しています。

そして、なかなか撮影許可が下りないことで有名なヴェルサイユ宮殿での撮影が特別に許され、豪華絢爛な城や庭で撮影される、美しいドレスを着た役者達。カラフルで美味しそうなお菓子の数々。さらに可愛らしい靴のデザインを担当したのは一流ブランドのマノロ・ブラニクです。

3マリー2

ドレスも美しいですが、是非靴に注目してください。
さすがマノロ・ブラニク!と言いたくなるようなセンスの良さ。
マカロンのようなパステルカラーで、フリル・レース・リボン・パールなどで装飾された靴がたくさん見れます。
もう劇中に出てくる靴全部欲しい。履けなくてもいい。オブジェとして部屋に飾りたい。それぐらい美しいです。

面白いのは、よく見ると映像のなかにこの時代にはない、パステルカラーのコンバースのスニーカーが映っていたりするところ。映画を観た方は気づきましたか?
こんな遊び心があるのがソフィア監督らしいですね。

また映画の中で流れる音楽もどれもポップで魅力的です。
興味のある方は是非サウンドトラックを聞いてみてください!


フランス王妃の孤独

この映画の根本的なテーマは、「誰も知る人のいない異国にわずか14歳で単身やってきた少女の孤独」とのことです。

マリー・アントワネットは有名なので今までに沢山の映画・本・漫画で語られてきていますが、この映画ではあくまで「マリーという少女の青春」がきらびやかに、でも時々孤独感や暗さが見え隠れする、という視点で描かれた作品でした。

芸術的でとにかく可愛らしく、歴史的映画なのに現代的な要素がところどころ絶妙にミックスされた世界観、是非ご覧になって楽しんでほしいです。

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