学びのワクワクにあふれた刺激的だった中高時代① ~国際バカロレア~
こんにちは。メルボルン大学1年生のれいです。
前回のnoteで宣言した通り、さっそく次の記事を書きました!(今回は書きたいことが多く、時間もかかったし少し長いです…!)
今回から数回にかけて、私の中高時代についてお話していきたいと思います。前回の自己紹介記事にて、私の中高6年間を一言で表すなら、
「学びのワクワクにあふれた刺激的な日々」
だった、と書きました。↓
これについて具体的に、
国際バカロレア
留学
課外活動
に分けて紹介していきたいと思います。
今回は第1回ということで、多分一番関心の高いだろう「国際バカロレア」での経験についてシェアしていきます。
国際バカロレアにちょっとでも興味のある人のお役に立てたら嬉しいです!
国際バカロレアとは
そもそも、みなさんは「国際バカロレア(IB)」を知っていますか?私は自分の中高の話になると必ず説明していたので、ここでも簡単に紹介したいと思います。
国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、ジュネーブに本部を構える、国際的な教育プログラムです。世界中に認定校があり、日本にもまだまだ多くはないですが少しずつ増えてきています。
どんな教育プログラムなのかというと、私がよく使う説明は
「先生の話を一方的に聞いてガリガリ勉強する教育ではなく、生徒が主体となったディスカッションやプレゼンがメインの探究型の教育」
です。もっとちゃんと知りたい人は文部科学省の公式のサイトを見てくださいね↓
具体的にどんな授業があるのかというと、例えば「数学」。新しい単元に入る時は必ず実社会における探究学習から始まりました。
スカイツリーが東京タワーにちょうど重なって見えなくなる場所は?という課題から「図形と方程式」の学習が始まったり、
関数が単元の時は「関数グラフアート」が課題として出たり。私は73個の式を使ってアリスを描きました。結構すごくないですか?(笑)
他の教科でも授業中にプレゼン発表をしたり、課題でレポートが出たり、とにかく自分で考え、それを表現する機会がたくさんありました。
想像しやすいようにいくつか写真をお見せします。何年も前の課題ですので、間違いもたくさんあると思います…。(しっかりは読まないで~!)
もちろん、先生の話を聞いてノートをとって勉強するような授業もありました。ただ、”バカロレアっぽい”授業を説明するなら、「生徒が主体となったディスカッションやプレゼンがメインの探究型の教育」というのが私にはしっくりきます。
ディプロマ・プログラム(DP)
中1から高1の4年間はMYP(Middle Years Programme)にあたり、高2からはディプロマ・プログラム(DP)に移行します。
私の学校では希望者のみがDPに進むのですが、IBのカリキュラムが好きだった私は、多分学年で一番早くから移行を心に決めていました。(というか入学したときからDP行くんだろうな、って思っていました)
DPの2年間は非常に大変でした。
何が大変だったのか、具体的に説明していきますね。
①言語の壁
6教科を学ぶのですが、私の学校ではそのうち3教科を英語で学びました。また日本語で学べる授業でも、教科書は英語版しかないことも。なので海外経験がない私にとって「言語の壁」はとても大きかったです。
②欠かせない予習・復習
先に述べたように、授業でディスカッションやプレゼンをするのですが内容も高度で専門的になり、授業の事前準備・復習がかなり大変でした。事前に勉強していなければ発言どころか、授業に全くついていけません。逆に終わった後は学んだことを消化するための復習が欠かせなかったです。
③答えが決まっていない筆記テスト
DPの多くの教科には「筆記テスト」が用意されています。そのテストでは答えが一つしかない問題は基本的になく、持っている知識を使って自分の考えを分かりやすく説明することが求められました。
例えば、「歴史」。
問い:第一次世界大戦のきっかけは何か。
答え:「サラエボ事件」
というような単純な問題はDPでは聞かれません。実際に出題される問題は以下のようなものです。皆さんならなんと答えますか??
問い:1914年における戦争勃発の短期的な諸要因はどのように重要だったか?
上記の問題には一言で答えられません。豊富な歴史的事実(知識)を自分なりに(解釈)して論理的に解答する必要があります。
そのために、私は先ほど示した歴史の復習ノートなどを作成し、知識を整理して自分の意見をまとめるようにしていました。
テストの評価はルーブリックに沿って行われます。ルーブリックとは、解答のレベルごとに与えられる点数をまとめた表です。もちろんハイスコアのレベルを目指して勉強するのですが、どんな答えが高いレベルと言えるのか、その感覚をつかむのが難しかったです。
答えが一つに決まらない問題にDP生は2年間も取り組みます。そして最終的にはこの手の問題を、1時間ほどで数枚の記述用紙にびっちりと解答できるようになります(!)。
④課題地獄
DPで一番大変なのは「大量の課題」でした。
授業で出された宿題、ディスカッションやプレゼンで使用する資料の作成、各教科の個人研究レポート、エッセイ、ポートフォリオ、などなど…。
怒涛のように課題が出され、やってもやっても終わらない感覚がありました。しかもDP2年目になると成績に関わってくる大きな課題の締め切りが続き、この期間はどんどん睡眠時間がけずられていきました(笑)
また筆記テストと同じように、ルーブリックを基に評価が行われるのですが、これがまたしんどかった!どうしたら少しでも上のレベルに上がれるのか試行錯誤するのですが、どこまでいっても答えがない感じが大変でした。
↑また歴史の例ですみません。(一番わかりやすいので笑)
例えば10-12の「研究はおおむね明瞭で」と、13-15の「研究は明瞭で一貫性もあり」の違いって難しくないですか?!どうしたら明瞭と判断されるのか、DP生が必ず突き当たる難題ではないでしょうか(笑)。
こんな感じですので、DPで最高評価を得るのは雲をつかむようなレベルで大変でした。
さらにここでは詳しく紹介しませんが、DPでは社会貢献活動や創作活動などを一定時間行う必要もありました。勉強だけでなく、課外活動を通して得られる学びや成長も重視されているんです。なので勉強と活動のバランスなんかも大変でした…。
大変だからこその、大きな学び
このようにIBの6年間は総じて大変でした!
しかし、こう聞くと、「どこがワクワク?」って思われるかもしれません。
しかし私にとってIBはとても価値のある時間でした。
(特にDPの”超過酷”だった2年間!)
その理由は以下の通りです。
①勉強が面白い
まず、勉強の面白さを学びました。常に「どうして?」「なんで?」を探究
していくので、面白い授業がたくさんありました。
特に私のクラスでは歴史が人気でした。私もお気に入りの授業の1つで、特にクラスメート同士でディスカッションする時間が好きでした。何年に何が起こったかを暗記するのではなく、一つの出来事についていろんな角度から解釈するのって面白くないですか?!
課題では自分の好きなテーマを選べます。そのため自分の興味をとことん追求することができます。私はある課題で「水俣病」について研究しました。水俣病に関する資料や本を読み漁り、どんどんハマっていきました。レポートにまとめ上げたときの達成感はとても大きかったです。
先生の話を聞くより、自分が主体となって学びたい人にとっては楽しいカリキュラムなのだと思います。
②アカデミックスキルの成長
中学生の時からとにかくたくさん書き、話し、アウトプットの機会が多かったため、プレゼン力やエッセイ、レポートなどのスキルが身に付きました。
去年まで北大で学んでいましたが、授業で出されるレポートは問題なくこなすことができました。メルボルン大学においてもこれまで提出した課題は良い評価を得ています。これはまぎれもなくIBで鍛えた力のおかげだと思っています。
③仲間
これは私のクラスが恵まれていただけかもしれませんが、DPの経験によってかけがえのない仲間ができました。
少人数クラスで2年間を学ぶため、同じクラスメートとは長い時間をともにします。そして全員が同じような時期に大変な経験をするため、仲間意識というか、戦友感がうまれます(笑)
実際に私は友達が努力している姿を見て、自分はまだまだだと、焦りを感じたり、鼓舞されたりしました。またメンタルブレイクした時は友達が話を聞いてくれて応援してくれました。
支えあい、励ましあい、仲間がいたから大変でも頑張れました。そしてここでできた友達は、これからも大切な仲間です。
④貴重な経験
最後はこれに尽きるかと思います。
授業内のディスカッションやプレゼン、答えのないテスト、大量の課題、課外活動、、、IBでは日本のカリキュラムではあまり経験できない試練をたくさん経験できました。
大変だったからこそ学べたことが多く、大きな達成感に繋がっています。私にとってIBを乗り越えたことは1つの成功体験であり、この経験はこれから先自分を大いに励ましてくれると思います。
DPでは得られるものがたくさんありました。大変なことも多いですが、同時に私にとっては「ワクワク」な学びだったのです。
以上で今回の記事は終わりにしたいと思います。
バカロレアについてはまだまだ書きたいことがあるので、その都度記事にしていきます。
ぜひ知りたい情報などあればコメントで教えてください!
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