クラフィ創作_GG/Reloaded

#クラフィ #2次創作 #初心者 #大目にみてね

この記事はクラフィ(クラッシュフィーバー)の2次創作です。
キャラ崩壊や独自解釈が大いに含まれます。ご注意ください。
前半と後半で、執筆期間が空いてしまったため表現に振れ幅がございます。
連続するキャラの台詞の場合、名称を省略していることがあります。

2025/02/02


Chp1:ゲーム大会再び

<<GRATIFY GAMES・エントランス>>
ここは、ALICEの超巨大ゲーム施設「GRATIFY GAMES」。
ALICEのゲーマーなら、知らない人はいないほどに有名な施設だ。
そこで、近頃大規模なゲーム大会の開催が決定した。
用意された様々なゲームでスコアを競い合い、総合得点が高い人の優勝。
豪華な優勝賞品も出るようで、我こそはと、数多くのプレイヤーが参加を表明している。
また、知り合いも多数参加するそうだ。

この大会に私も参戦する予定...
だったが、今回は[サポーター]として参加することになった。
今日は、大会前に練習会をすることになり、ある人物とここで集合する手筈になっている。

ジーフィ「適合者さん、お待たせしました」
そこに現れたのは、ジーフィだ。彼女は、この[GRATIFY GAMES]のAI。
オープン時のイベントで登場して以来、ここの宣伝AIとして活動していたのだが、
最近は、ゲーム問わず色々なイベントに参加している。
特に、年始に行われた"フォーチュンレースGP"に参戦したのは衝撃を与えた。
それ以来、ゲーム以外での競い合う楽しみを覚えた彼女は、
本業のゲームが疎かとなり、[GRATIFY GAMES]のイベントで負け越しているそう。

ジーフィ「...もう、かつての栄光だなんて言わせません」
ここまで、ジーフィが闘志を燃やしているのには、ある理由があった。


<<先日 マイルームにて>>
数日まとまった休みが入り、のんびりしていたところ……
Usagi-Chan「メールが届きました」
Usagi-Chan「ビデオメッセージを再生します」

????「やっほー!あ、この姿は始めましてかな?」
????「私は...えーっと、[AYON]って言えば分かってくれるかな?」
AYON、通称[あよん]。
超天才ゲーマーで、数々の大会で優勝している実力者だ。
かつてオンライン上で対戦したことがあり、その際はかなり手強く[引き分け]という結果で終わっている。
AYON「早速なんだけど、今度[GRATIFY GAMES]で行われるゲーム大会は知ってる?」
勿論。そのために少しゲームの感覚を思い出している最中だ。
AYON「あはは、まあこれは一方的な通信だから、分からなかったら調べてほしいんだけど」
……
AYON「きっとアナタも参戦したいと思うはず」
AYON「でもね、ここで残念なお知らせ。アナタは殿堂入りしてるから、今回の大会には出られない」
そうなの!?
AYON「そうなんだよね〜 ホントはもう一度アナタと対戦したかった」
……会話を見透かされてる?
AYON「それでね、ここからが本題。適合者にお願いがあって」
AYON「私、見てみたいの。「かつての栄光」と呼ばれているジーフィの本気の姿をね」

――

AYON「確かあのコって、GRATIFY GAMESが作った最強ゲームAIだったんでしょ?」
AYON「それって本当なのかな〜って思っちゃって」
AYON「アナタでも勝つのに苦戦したって言ってたけど、あっさり勝っちゃった」
AYON「でもでも、やっぱり動きは初心者じゃないの。素質は十分あるし、ゲームのAI恐るべし〜って思った」

AYON「そ・こ・で、アナタにはジーフィのサポートをしてほしいんだ。コーチングってやつかな?」
AYON「そうすればあのコはもっともっと強くなれると思う。それこそ現チャンピオンと呼ばれる人たちにも勝てるほどにね」
AYON「これなら、対戦は出来なくても別の形で"勝負"が出来るんじゃないかなと思ってね」

AYON「――私は、ジーフィに帰ってきてほしいんだ」

AYON「あ、あと! それとね、これは噂なんだけど、
他にも隠しイベントが用意されてるらしくて、それでねえっーと...
あ、待って、そろそろ容量が足りな...」

プツン
Usagi-Chan「ビデオメッセージを終了しました」


Chp2:猛特訓

<<GRATIFY GAMES・内部>>
施設の内部に入った。相変わらず沢山の人で賑わっている。

ジーフィ「今回対戦で選ばれそうなのは[ナックルアーツ]、[スカイファントム]」
ジーフィ「それと、[デュエルオブガーディアン]...ですか?」
これらは、AYONが教えてくれた。その理由を聞くと、
AYON「なんとなく、ね。話題作を選びたがりだからグラファイは」
と、言っていた。
ジーフィ「...確かにAYONの言う通り、一理あります」
「事前に調べたところ、以前の大会でも、新作のゲームが選ばれていました」
必ずしもそれが選ばれるわけではないが、まずはそれらのゲームから始めてみよう。

――
<<GRATIFY GAMES・ナックルアーツ>>
まずは、[ナックルアーツ]から、プレイすることにした。
新作の格闘ゲームの一つだ。
専用のリングの上で身体を動かし、相手にダメージを与え、ノックアウトを狙う。
戦略だけでなく、己の体力も必要とされる、かなり激しい動きのゲームだ。
そこで対戦を終えて出てきたのは...。

レオニダス「おお、適合者じゃないか、それと隣にいるのは...」
ジーフィ「始めまして、ジーフィと申します」
レオ「ああ、聞いたことがあるぞ。
「数多くのスポーツ大会に出場して、中々の成績を取っていると聞いたことがある」
ジーフィ「私のことを知っているのですか?」
レオ「ああ、情報収集も仕事の一つだからな、これくらいは当然だ」

レオニダスにこのゲームについて聞いてみる。
レオ「俺は最近、体力づくりのためにこのゲームを始めたんだ」
「ゲームは頭だけを使う遊びだけと思ってた。だがある時後輩から、この[ナックルアーツ]を教えてもらってな」
「気づいたらチャンピオン級まで上がってた」
圧倒的なフィジカルで上り詰めたのだろうか?
レオ「そしたら俺が努めている会社が、この噂を聞いて、今大会のスポンサーになったんだ」
「はは、継続は力なりとはこの事かもな」

「ここで出会ったのも何かの縁だ、お前たちと戦いたい。格闘ゲームはやったことあるか?」
勿論。だが、ここまで体格差があるとかなり不利になりそうだ。
「ああ、2人で組んでもらって構わない。それで丁度いいハンデになるだろう」
「口頭で説明するよりも、実際に戦って覚えるほうが有意義だからな」
レオニダスらしい発想だ、確かに知識だけでは戦場で動けない。

レオ「よし、なら早速リングに上ってくれ」
ジーフィ「...懐かしいですね」
「あの時はボスとして、皆さんの前に立ちはだかりました」
「でも今はただの一挑戦者として、アナタと戦います」
レオ「おう、かかってこい!こっちは容赦しないぞ」

<<!対戦開始!>>

レオ「二人とも中々やるな、本当にこれが初めてか?上級者の動きだったぞ」
かろうじて勝利した。2vs1のハンデ戦で。
レオ「それもそうだな、お前たちは数多くの窮地をくぐり抜けてきた」
「それくらい朝飯前といったところか」

ジーフィ「とても楽しかったです、これがゲームの楽しさ...少しずつ思い出してきました」
レオ「ああ、俺も楽しかったぞ」
レオ「その腕前なら、他のゲームでも無双できちまいそうだな、本番も頑張れよ」


Chp3:空を舞う訓練生

<<GRATIFY GAMES・スカイファントム>>
続けて、[スカイファントム]のブースへ向かった。
これは飛行機に乗って、数多の敵を倒すシューティングゲーム。
だが、競うのは撃破数ではなくスコアだ。そのスコアを稼ぐための方法は多数ある。
一見簡単そうで、実はかなりやりこみ要素が多いゲームとして、最近ブームになっている。
AYON「ゲームシステムはシンプルだけど、奥が深いね」
「もしスコアアタック部門をするなら、これが最適かな〜って思うよ」

今は順番待ちの最中だ。流石、人気なゲームなだけある。
ジーフィ「なるほど……乱数要素はなさそうなので、同じ行動をすれば最善手が見えてくるはずです」
でも、同じ動きでも敵の弾の位置が違っているように見える……。
ジーフィ「確かに、このゲームは自機の場所が1ピクセル違うだけでも配置が変わるみたいなので、
「人間には乱数のように感じると思いますが、ゲームAIの私なら、理論値を導けると思います」

彼女にシューティングゲームをしたことがあるのか尋ねた。
ジーフィ「そうですね、あります」
「ですが、最適解が決まってしまえば、つまらないものでした」
「皆が最適な行動をとると、戦略というものがなくなってしまって……」

――

そんなゲーム談義をしていると、
???「あ〜!あとちょっとで実績達成できたのに……クレジット無駄にした...」
その声の主を見ると、筐体の前で嘆いている D.R.T.H. の姿があった。
D.R.T.H.はプレイを終えて、こちらに向かってきた。
DR「ん?適合者ちゃんじゃん! なになに〜?女の子連れてデートしてるの?」
デ……!?別にそういうつもりはなかったが……
遠目から見れば、付き合っているように見えるのだろうか?
ジーフィ「ち、ち、違います!一緒にゲームの特訓をしているだけです!」
DR「あ、そうなの? なーんだ、勘違いしちゃってごめんね」

DR「……そーいえば、もうすぐ大会があるんだっけ」
「真のゲーマーを決める戦いって感じでかっこいいと思うよ、私は」
D.R.T.H.に、このゲームをやり始めたきっかけについて聞いてみた。
DR「えっとね私は、このゲームを飛行戦闘訓練の練習として始めたんだ、けどついついハマっちゃって」
「いつしか、スコアランキング入りするほどやりこむようになってね……」

――

そうこう話している間に、順番が回ってきた。
DR「ねえねえ、ここだけの話ハイスコアの秘訣教えてあげよっか?」
ジーフィ「……いいえ、自分で探します、こういうのは試行錯誤が大事ですから」
DR「ふーん、意外とストイックなのね」
「じゃあ、経験者としてサポートしてあげる」
「ほら適合者ちゃんも! よそ見してないで、始まるよ!」

<<!ゲーム開始!>>

DR「二人とも上手だね! やっぱセンスあるよ」
「きっと、誰も知らないようなテクニックを見つけちゃうかも」

ジーフィの方の画面を見ると、かなりのハイスコアを出していた。
カンストか……と思ったが、さらにもう一桁用意されているようで驚いた。
ジーフィ「大体わかりました。不安定な方を取るほどスコアは伸びやすく精度が求められる」
DR「うわ……すごいそこまで分析してるんだ」
ジーフィ「これくらいは、ゲーマーとして当然です」
DR「当然?皆が皆、このレベルだったら怖いって……」
少なくともAIのジーフィにしかできない芸当だろう。
動揺しているD.R.T.H.に、ジーフィについて伝えた。

DR「あ、そうなんだ、ゲームのAIだったんだね」
「それで、再びチャンピオンに返り咲こうとしてると、」
「そのお手伝いをしてるんだね、適合者ちゃんは」

DR「……ねえ、ジーフィちゃん」
ジーフィ「なんですか?」
DR「大会頑張ってね!応援してるよ!」
ジーフィ「あ、ありがとうございます」
DR「私も頑張るから」
ジーフィ「……あなたも大会に参加するのですか?」
DR「いや、ゲームじゃなくてリアルの話!」


Chp4:運試しの末に

<<GRATIFY GAMES・デュエルオブガーディアン>>
最後に、[デュエルオブガーディアン]のブースにやってきた。
1vs1の形式で戦うカードゲーム。
手元だけでなく、カードのキャラが実際に動いて戦闘を繰り広げる。
数多の守護者たちを指揮して勝利を掴む、そんなゲームだ。
AYON「とにかく派手で迫力があるね。観戦する分には間違いなく盛り上がるかな」
「少しだけ運要素もあって、最後まで何が起こるかわからないのも魅力の一つだね」

まるでスタジアムのような広さをもったフィールドが、二人を出迎える。
仮想空間だから、こんな非現実的なことも出来てしまう。
ジーフィ「かなり広い空間で戦うゲームのようですね」

????「お、適合者くん、こんなとこで奇遇だね〜」
ジーフィ「……この方もお知り合いですか?」
そこに現れたのはフェルミ、アカデミアの一人だ。
以前依頼されて、"実験"に付き合ったことがある。
フェルミ「まあ実験というか、軽〜い心理テストをしてもらっただけだけど」
…かなりの量の問題に答えた思い出があるが。
フェルミ「結構興味深い結果が出てたよ?ま、その話は今は置いておこっか」
「君らもこのゲームを遊びにきたんだよね?」
二人は頷いた。
フェルミ「デッキとか貸してあげるからさ、まずはウチと対戦してみない?」

――
<<対戦中...>>

ジーフィ「期待値を計算し、最善の手を……」
フェルミ「それもいいけど、結局はその場の引き次第なんだよね」
「だから大事なのは……目当てのカードが出やすくなるように立ち回ること!」
<<フェルミ's TURN>>
「……よっし! いいの引けた!」
ジーフィ「!?」
フェルミ「ウチ、運要素が強いゲームは得意なんだよね〜」
「運も実力のうちって言うでしょ〜?」

<WINNER:フェルミ>

ジーフィ「負けてしまいました…こちらが有利な場面から切り札で逆転されてしまうとは……」
フェルミ「まあ、このゲームのどんでん返しは、よく起こるから気にしな〜い」
「てことで、次は適合者ちゃんの番だよ?」

<<!ゲーム開始!>>

フェルミ「!! ……さっすが、適合者ちゃんは強いね」
「こっちが、想定以上にトラブったのもあるけど」
確かに、先程のようなコンビネーションは出せていなかった。
フェルミ「予想は外れるのが常だからね、理想的な動きがいつでも出来たら苦労しないよ〜」
ジーフィ「……やはり手札の運だけではない気がします」
「フェルミさんは、どうして予測が出来るのですか?」
フェルミ「そうだなぁ……カードゲームは同じ状況でも最適解が変わるから、
そこが他のゲームとは違って面白いところだよね」
「いつ仕掛けるか、どう詰めるか、相手の出方を伺うのも大事」
ジーフィ「なるほど……」
フェルミ「でも、どんなに不利な状況でも諦めちゃダメだよ」
「起死回生の一手が出せるかもしれないからね」


Chp5:プログラム

AYONに提案された3つのゲームを終え、現在昼休憩をしている最中だ。

自販機で買った飲み物を片手に、休憩スペースで座っているジーフィの元に近づく。
ジーフィ「久しぶりのゲームセンターは、耳と頭がクラクラしますね…」
ジーフィに飲み物を手渡し、隣に腰掛ける。
ジーフィ「あっ、ありがとうございます。適合者さん」

ジーフィ「……やっぱり私は、クリエイターよりプレイヤーの方が向いていますね」
ジーフィは少し俯きながら話を続けた。

ジーフィ「私は、"ゲームクリエイターAI"として生まれました」
「プレイヤーの皆さんにどうしたら楽しんでもらえるかを考え、
それを"イベント"として、皆さんに提供するのが役目でした」
「……思えば、あのときのレイドが最初でしたね」
「初めてで少々難しくしすぎて、その難易度の高さから、[最強AI]と呼ばれるようになってしまいましたが」
思い返すと、かなりの無理難題ミッションだった記憶がある。
クリアできたのは……片手で数えるほどしかいなかったはずだ。
「勿論、次回は少し簡単めにするように叱られましたが……」
「それからも随時イベントを行っていました」
「以降、私の姿はホログラムで表示し、実際の姿は見せていません」
「姿を見せるのは"特別"なときだけにすると決めたそうです」
――
「最初のうちは順調でした」
「でも徐々に人気がなくなって……マンネリだと言われることもありました」
「ユーザーの意見やトレンドを参考に様々な手を加えるも、依然成果は現れなくて」
確かに、私も様々な現場に行くと[またお前か]と思われがちだ。
最近はアカデミアの皆が、EvSを用いて対処していることもあるが。
「あることをきっかけに私は気づきました、もっと[ゲーム以外の情報]が必要だと」
「それからは、[調査]と称して、様々な"遊び"をする冒険に出ました」
「今現在も、色々と試している最中です」
「ですが遂に、[本業が疎かになっていては元も子もない]と言われてしまったので」
「今回は、一人の"ゲーマーとして"ゲーム大会に参戦しようと決意したわけです」
「"親"と"子"では、見える景色が違うと思うので」
――
ジーフィ「すみません、少し昔話をしてしまいましたね」
「身体も休まったので、そろそろ別のブースに向かいましょうか」


Chp6:ナビゲーター

その後も、ジーフィは様々な"新作"ゲームを触っている。
"新作"と言いつつも、ジーフィがGGを離れていた間にリリースされたゲーム達だ。
ジーフィは[まずは最低限全部のゲームに触れたい]と意気込んでいる。
サポーターとしては、あまり無理をしないようにとは伝えたものの、
有り余るやる気が抑えきれないらしく……
私自身はクタクタになり、ジーフィのゲームプレイを近くで見守っていた。

ベンチで座っていると、奥から歩いてくるベネディクトと目が合った。
ベネ「あ、適合者ちゃん、こんにちは!今日はオフ?」
コーチングという依頼はあるが、実際は休日のようなものだろう。
ベネ「私もだよ、まさかココでも会えるなんて」
ベネディクトとは、GGで会う確率の方が高い気がする。
ベネ「いやいやいや、私もずっーとここでレイヤーしてるわけじゃないよ?他のイベントにも出てるから」
「今日は大会の下見、どんな人が出るのかなーってこっそり見に来たんだ」
すると、ベネディクトが驚いた表情を見せた。
ベネ「えっ、待って!あそこにいるのってジーフィ? 久しぶりに見た、元気なのは知ってたけど」
今日の出来事について簡潔に伝えた。
ベネ「へぇ…ジーフィちゃんとAYONちゃんが来週の大会に参戦するんだ、これは大波乱の予感がする!」
「どっちも、今までGGの大会は避けてたようなイメージがあったけど……」
確かに、AYONが参加するのは初だと思う。
私も何度かGGのゲーム大会には参加しているが、今日まで聞いたことなかった。

ベネディクトに、AYONのことについて聞いてみた。
ベネ「AYONちゃん?
「えっと、私もあまりよく分からないけど……これとか参考になるかも?」
そう言いながら、ベネディクトはとあるページを見せてきた。

""
事の発端は、数々のスコアランキングに[ああああ]と名前が刻まれていたことがきっかけだった。
始めはただの偶然だと思われていた。だが[ああああ]が幾つものゲームで目撃されるようになると、
いつしかこれは正体不明の謎のゲーマー、[AYON]の仕業だと噂されるようになった。
これらは、一種のオカルト現象としてMTパーティ等で噂されることもあった。
実際に対戦した人が増えてくると、このユーザーは一体誰なのかと騒がれるようになった。
そんな中、1人の少女が[私がAYON]だと名乗りを上げた。
それを嘘だと感じた数多くのプレイヤーが、彼女に勝負を挑んだ。
だが彼女は、どんな勝負にも軽く勝利を収めた。
いつしか彼女が本物だと信じて、疑うものはいなくなった。
これが、[天才ゲーマーAYON伝説]の始まりである……。
""

ベネ「他にもあるけど、大体全部こんな感じの内容、ほんとに最強ゲーマーって感じ」
「AYONって言うのは、[ああああ]から取った俗称みたい」
「勝手に皆がそう呼んでるだけだったけど、それを本当にニックネームにしたっぽいの」

ゲームを終わらせたジーフィが、こちらに近づいてきた。
ジーフィ「こんにちはベネディクトさん、ご無沙汰してます」
ベネ「あ、ジーフィちゃん! もうゲームは終わったの?」
ジーフィ「はい、何か適合者さんと会話をしていたので、少し気になって」
――
ジーフィ「私は以前、AYONにゲーム3本勝負を挑まれたんです」
「でも、彼女の動きに太刀打ち出来ず、あっさり2勝されてやられてしまいました」
ベネ「あらら、でも今のジーフィはそれ以外のことを頑張ってるから」
ジーフィ「ブランクもありましたが、もっと重要な……いえ許せないことがありました」
「彼女に煽り行為を受けました」
ベネ「……!!」
ジーフィは正々堂々と戦うことを好む。
どんなゲームに対しても、対戦相手に対しても、真剣に真摯に向き合っていた。
だからこそ、礼儀を欠くような行為に、怒りを覚えたのだろう。

ジーフィ「礼儀正しいと言われてた彼女が、そんな行為をするとは思えなくて、許せなくて」
「私はAYONに言いました、[公の舞台で貴方から勝利を奪う]と」
「[貴方の伝説を終わらせる]と、そう宣言してしまったんです」

――
そう、確かにAYONからも依頼メッセージを受けた。
だがそれよりも前に、ジーフィからも依頼を受けていた。
どちらも内容は、[ジーフィのコーチング依頼]と被った内容だった。

つまりAYONは、ジーフィが私にコーチングを依頼するだろうと予測して、依頼をしてきたのだ。
だが、それならばなぜ、
自分を窮地に立たせるようなことをしているのだろう?


Chp7:疑心

ゲームを終わらせたジーフィが、こちらに近づいてきた。
ジーフィ「こんにちはベネディクトさん、ご無沙汰してます」
ベネ「あ、ジーフィちゃん! もうゲームは終わったの?」
ジーフィ「はい、何か適合者さんと会話をしていたので、少し気になって」
――
ジーフィ「私は以前、AYONにゲーム3本勝負を挑まれたんです」
「でも、彼女の動きに太刀打ち出来ず、あっさり2勝されてやられてしまいました」
ベネ「あらら、でも今のジーフィはそれ以外のことを頑張ってるから」
ジーフィ「ブランクもありましたが、もっと重要な……いえ許せないことがありました」
「彼女に煽り行為を受けました」
ベネ「……!!」
ジーフィは正々堂々と戦うことを好む。
どんなゲームに対しても、対戦相手に対しても、真剣に真摯に向き合っていた。
だからこそ、礼儀を欠くような行為に、怒りを覚えたのだろう。

ジーフィ「礼儀正しいと言われてた彼女が、そんな行為をするとは思えなくて、許せなくて」
「私はAYONに言いました、[公の舞台で貴方から勝利を奪う]と」
「[貴方の伝説を終わらせる]と、そう宣言してしまったんです」

――
そう、確かにAYONからも依頼メッセージを受けた。
だがそれよりも前に、ジーフィからも依頼を受けていた。
どちらも内容は[ジーフィのコーチング依頼]と、被っている。
つまりAYONは、ジーフィが私にコーチングを依頼するだろうと予測して、
"後出し"で依頼をしてきたのだ。
一体どういうことだろう。
煽りの件も含め、AYONに問いただしてみなければ分からない。

???「ここにいたんだ〜探したよ、適合者ちゃん」
そこに現れたのは――


Chp8:アドバイザー

AYON「やっほ〜 調子はどう? 練習という名のゲーセンデート楽しんでる?」
「ALICEで噂になってたよ、[謎の少女と適合者、お忍びデート?]ってね」
そこに現れたのは、AYONだ。

「「……」」

AYON「えっと……なにこれどういう状況?なんで皆静かなの?」
ベネ「貴方がそんなことをする人とは思わなかった」
AYON「ん〜? あ〜……大体わかった」
AYONは少し考え込むと、頭を抱えながら話し始めた。
AYON「当ててみようか?私がジーフィに対して煽り行為をしたことでしょ?」
ベネ「相手が分かってて、そんなことをしたの?! 最低よ!」
AYON「えっと、あれは"作戦"なの」
「誤解を与えてしまっていたら、ごめんなさい」
人の気持ちを強制的に揺さぶることは、良くないことだ。
大きな感情に振り回されれば、周囲が見えなくなってしまう。

<<説得バトル中...>>

AYON「うう……本当は隠しておきたかったけど、全部話すわ」
「私はジーフィの闘争心を煽って、真の最強AIにしようとしたの」

AYON「私の過去についてはだいたい噂通り」
「隠れてこっそりゲーマーしてたつもりだけど、いつしかそこそこ有名になっちゃって」
「でも私が目立つのは本望じゃない」
「そこでジーフィを最強にする計画を立てたの」

AYON「まずは[AYON]の名前をできるだけ広める」
「大会とかで実績を上げて、有名人になった」
ベネ「そう、あらゆるゲーム大会の優勝を掻っ攫っていった」
「どんなジャンルでも勝っていくのは、まさに最強だったわ」

AYON「有名になってきたので、ジーフィに対戦の依頼をした」
「勿論煽り行為なんて、されたことはあっても今までしたこと無い」
「アナタは、今まで誰かに煽られたことがあっても、気づいてはいないはず」
ジーフィ「……確かに不可解な動きをするプレイヤーはいました」
AYON「やっぱりね」
「だから、私はわざとアナタが不得意なゲームで勝負を仕掛け、分かりやすく挑発をした」
「その初めて感じるであろう"怒り"で、アナタの真の力を引き出そうとした」
「もしジーフィが本気を出したら、私たちでは太刀打ち出来ない」

AYON「後日、大会本番に参加した私はジーフィに負ける」
「そうすれば、[AYONを負かした元最強ゲームAIが帰ってきた!]ってことにならない?」
ベネ「……ジーフィの本気を過信しすぎじゃない?」
AYON「でも頑張りすぎると危ないから、ストッパーとして適合者に依頼した」
「私より先に適合者に依頼をしていたのは想定外だったけどね」
――
AYON「……これが私の計画の全てよ」
「アナタを勝手に利用してて……ごめんなさい、ジーフィ」
AYONはジーフィに対して深々と謝罪した。
「「……」」
ジーフィ「……確かにそのやり方は、許されることではありません」
「私以外なら、ゲームが嫌いになっていた可能性もありますよ」
「でも、まだ一つ納得出来ないことがあります」
AYON「えっ?」
ジーフィ「勝負すらしていないのに、何故[負ける]と言い切ったのですか?」
AYON「それは……だって……」
ジーフィ「最後まで勝ち負けは分かりませんよ」

???「うんうん、大逆転することもあるよね」
???「奇跡が起こることだってあるし」
???「諦めなければ道は開ける」


Chp9:昨日の敵は

そこに現れたのは、フェルミ、D.R.T.H.、レオニダスだった。
フェ「[GGにAYON降臨!?]ってSNSで騒ぎになってて、来てみたら〜?」
DR「適合者ちゃんとジーフィちゃんがいたね」
レオ「……ベネディクトさんもな」

AYON「えっと、適合者さんの知り合い?」
ジーフィ「はい、私たちの"仲間"です」
先ほどの対戦や協力を通じて、何かを感じたのだろう。

フェ「どれだけ丁寧でも、逆にそれを不快に思っちゃう人がいるし」
DR「考えるだけ無駄!ってやつだね、自分は自分なんだから好きにすればいいの」
レオ「広い心で受け入れるんだ、誰とでも仲良く出来るわけではない」
「でも、好きなことで繋がりを持てる」
「それはゲーム以外でも、なんだって構わない」
ジーフィ「皆さん……」
元から煽りなんて気にしてなかったと言えるはずもなく。
AYON「えーーっと……ジーフィは……」

するとベネディクトが、空気を切り裂いた。
ベネ「なんだか空気が重いし、考え込むのもあれだからさ」
「多くの人が集まってるし、ここでプレ大会を開かない?」
「ルールとかは……適合者ちゃんにお任せで!」
AYON「おお!いいね!私も手伝うよ」
すると、こっそりAYONが耳打ちしてきた。
AYON「私に任せても大丈夫、何回かやったことあるから、ね?」
――
そうして、GGのスタッフさんに許可を取り、突発ゲーム大会が行われた。
パワー、テクニック、スピード……
多様な分野で競い合う、まるで本家さながらのスタイルで。
レオニダスは、格闘系ゲームで無双していた。
相手に考える時間を与えずに押し勝つのが得意のようだ。
フェルミは、カードゲームだけではく、パズルゲームも得意なようで、
一喜一憂しながら、参加者の皆と楽しんでいた。
D.R.T.H.とベネディクトは、参加者と会話していた。
ゲーマーとしてアドバイスを受けたり、テクニック、裏技の紹介など、
思い思いに交流をして楽しんでいた。
AYONはというと、大会参加者にファンサービスをしていた。
SNSで、AYON目当てに来たチャレンジャーと対戦をしていた。
大会とは関係ないのだが、勝負したい人が沢山おり、人気の高さが窺えた。
そして、ジーフィは……
練習の成果を発揮し、あらゆる種目で高得点を叩き出して、
見事総合1位に輝いた。

「おめでとうジーフィ、私の審美眼は間違ってなかった」
「いや〜ここまでマルチに出来ちゃうのは才能だよ」
「あ、ありがとうございます、嬉しいです」

「お疲れ様〜、提案しといてあれだけど、かなり盛り上がったわね」
「まさかこんなに人が来るなんて……不覚だった」
「でも楽しかったからいいじゃない!」


Epilogue:グラティファイ

突発ゲーム大会を終えて、皆が撤収し帰っていく中、
私とジーフィ、AYONは会場に残っていた。
そろそろ閉店の時間も近づいている。
――
ベンチに3人で腰掛けていると、AYONから口を開いた。
「ねえ、ジーフィ」
「なんですか、AYONさん?」
「私はね、アナタにゲーム制作……いえGGに戻ってきて欲しかったの」
「え?」
「かつてのような[クリエイター]にね」
「!! まさか、貴方は……」
「そう、アナタの考えている通りだよ でも今の[私]は[AYON]だから、ね?」
「複垢行為は禁止では」
「うん、それはそうなんだけどね? 今は服装を変えているだけ」
「雰囲気作りのために替えることがあるじゃない、あれと一緒、TPO」
私が印象に残っているのは、オーディトリウムに潜入した時に全身服装を変えたこと。
……とは言えるわけがないので、レース用の服に着替えるのと一緒だとAYONをフォローする。
まあ、本当に複数のアカウントを持っている人もいるが……。

「でも、なぜわざわざ服を変えているのですか?」
「えっとね……元々、[AYON]は宣伝用に作ってたアバターなの」
「それがボツになっちゃったから、自分用に流用したってだけ」
「勿論許可は取ってるけど……GGの名前は出さないように言われてるね」
「元は違う名前だけど、定着しちゃったからそれでいいかなって」
だからGG側の設営対応が早かったのかと、一人納得した。

「それとね、実はずっと監視カメラ越しにあなた達を見てたの」
「「えっ」」
「そこでジーフィが私に煽られたことを他の人に言い始めるのを聞いて」
「慌てて誤解を解く準備をしに、ここに来たって感じ」
「……ここだけの内緒ね?」
「だからそんな都合よく現れることが出来たんですか……もしかしてSNSも」
「うん、そうだよ、GGのブースで自撮りしたのを投稿しただけ、今になっても通知が来てるね」
「「……」」
「正直賭けの部分もあったけど、結果的にハッピーで良かった〜なんてね」

つまり今日はずっと、[AYON]の手のひらの上だった。
その恐ろしい先読み能力は、ゲームの上手さにも現れているのだろうか。
――
その後に行われた本番では、
激しい戦いの末、大会史上初の2人同時優勝を達成した。
まさに手に汗握る戦いだった。どちらも譲らず本気でぶつかり合っていた。
二人とも喜んでいたが、内心は複雑な気持ちなのだろう。
エキシビションでは、まさかの会場全体を使ったレイドボスイベントが行われ、
ジーフィが"再起"を果たしたのはまた別のお話。

Usagi-Chan「記録の再生を終了します」

// END


あとがき

こんにちは。
自身初のクラフィ2次創作、「GG/Reloaded」はいかがでしたでしょうか。
本当はイベント開催と合わせて投稿したかったのですが、
展開に詰まってしまい、かなり遅れての投稿となってしまいました。
この辺りのイベントから、ストーリーが廃止されていきましたね。
でも2次創作なら、解釈やキャラ設定が多少違くても許される!
といいつつも、ALICEの設定自体は守らないと崩壊しますが。
ともかく、無事に完成させることが出来て良かったです。
9,10とかかなり飛ばし過ぎましたが、しょうがない。
次回は性転換パンデミックイベントで、主人公はノアとかでしょうか?(書くとは言ってない)
1万字弱を書くのは相当大変だったので、日頃の書き手の皆さんの努力をひしひしと感じております。
AIを使えば、執筆時間をかなり短縮できそうですが……
最後まで見ていただきありがとうございました。

次こそクラフィ以外の記事にするのでお許しください。