映画日記〜スタンド・バイ・ミー〜
あなたにとって友達って何?一緒に遊ぶ人、マメに連絡を取り合う人、何でも隠さずに話せる人、1度でも同じ食卓を囲んだら友達、友達の友達も友達、ネット上で話したら友達。様々な定義。書く私も答えの分からない問い。
「何処から友達、何処から親友?」「ネット上の繋がりは友達と別?」話す。
私の名前はれいか。内気な性格を拗らせ尽くす。趣味の映画感想note。読んで下さった方々と巡りめぐる。私からあなたへ贈る映画。好きを生かさせて貰えることの喜び。私は狡い人。wkwk。冬の寒い夜道を2時間あまりもひたすら走り回る。そう。夜道、街灯、イヤフォンに流れる音楽。私にとって友達。
友達と聞き、最初に思い出す。1度でも見たことがある人は忘れない、夏景色の映画『スタンド・バイ・ミー』悪ガキ4人組。死体探しに行く2日間の話。小学生の頃、特有の不思議な仲間意識に結ばれる凸凹4人組。特に主人公とクリスの間には友達より、もっと深く切実な結びつき。嗚呼、親友。初見で訳も分からず思う。
羨ましい。できのいい兄が死に、親に冷たくされる主人公。家庭環境が劣悪なせいで泥棒の肩書きを貼られるクリス。悲しい2人。互いにかける言葉は自分を可愛がる為でなく、相手自身の正しい価値。素直に話す言葉。
周り誰も解ってくれない。主人公はクリスにとって、クリスは主人公にとって。如何しようもない世界。相応しくない。賢く勇敢な友達。
「父さんは僕を嫌ってる」と言う主人公。クリスが間髪入れず「違う、君を知らない」と返す。如何して私の傍には私のクリスがいない。独り冷々と泣く。記憶に新しい。私が今まで1番「友達って?」と考えた高校生の頃。
1年生の時に仲良くなった友達。みんなと学級が離れた。できた幾つかの派閥。何処にも居場所がない。休み時間は1人。決める。今まで溜めていた考え事。好機。図書室で沢山の本を借り、話しかけられないよう机に積む。頭を働かせる。理由が欲しい。東野圭吾、湊かなえ。ミステリ作家の本ばかり。友達のいない子の休み時間は水増し。日々を私と遊んでくれるミステリ小説の謎が友達。身の周りは様々な掟。横たわる親、先生、学級のガキ大将。あなたにとって影響力のある誰か。それぞれ作られる。
「友達だから何でも話す」「社会的にいい育ちの子。仲良くしな」「ネット上の繋がりは友達ではない」親、先生に言われる。言葉はあなたのため。体裁をもった錆び付いた掟。今の瞬間。生まれながらに染み付いた価値観。親、社会の希望。自分の本当の望みを見失う人は多い。私も。そう。暮らす。
あなたはあなた。教える。何だって、例えば顔、名前を知らない。明日には急に居なくなる。あなたの友達と言う。育った環境で掛けられる柔らかい呪い。届くことのない別の世界。あなたの手を触るのは友達。
友達はあなたを見ている。小さなあなたのみの世界。外からやって来る。あなたの本当の輪郭を触って教えてくれる誰か。友達は凄い。全然違う瞬間を重ね、全然違う人生を生きる。隣に並べば同じ景色を同じ瞬間に見る。今の心中を話せば心の目撃者。瞬間をなかったことにせず、別々の人生を重ねる。
一緒に居る時間の多さ、互いの知っている所の数、得することの量。決まらない。あなたはあなた。少しでも分からせる。相手は人、もの、景色でもあなたの友達。一緒にいて嬉しい、切ない。あなたの孤独な国。観光客が訪ねてきた印。
本作中で主人公とクリスは親友。私も初めて見た時から本作と友達。例えば、下校中の自転車の道。鑑賞時の心の温もりを思い出す。自分は世界に要らない。空から降ってきた言葉の船が届く。涙で溺れずに済む。何時も一緒じゃなくたって本当のいざという時、呼ばなくても来る。優しいお友達。
友達は多ければ多い程良い。人生が豊かになる。言葉も捉えよう。何も人の友達が山程いれば必ず豊かな人生になる訳でもない。人以外も友達と数える。心を通わせる瞬間は沢山あった方、人生は豊か。私にも人の友達はいる。その子も度々、当人の気付かぬうち私が私であることを教えてくれる。馬鹿な話で笑う。
誰かと別れ、新しく出会う。過ごした束の間にもらう柔らかくて温かい何か。私の心中に残り、何時かの独りの夜に助けに来る。私が今まで見た映画、友達の声を借り、出会ったことのない、これから出会うかもしれないあなた。心、言葉のみお友達になるという試み。
独りじゃない。素敵な所は悩みは相談可能。独りは前後不覚の深く、厳しい悩み事。誰かに話すと毒が抜ける。noteを少しの毒抜きにでも使って。嬉しい。未来のお友達、頼りない私。よろしくお願いします。