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映画日記~溺れるナイフ~

今日は映画「溺れるナイフ」を見る。私にしては珍しく前売り券を買い、計画的に鑑賞。先日来た客。私の顔を見て開口1番、キラキラした目で映画の話をしてくれた。公演前から絶対行こうと決めていた。ちゃんと身体を動かして応えなきゃいけない鮮やかさ。Thanks!

見ようか迷ってる人。抽象的なことばかり。明確な話の展開の説明はない。読んで。いい。お願い。毎度すみません。

「溺れるナイフ/ジョージ朝倉」監督・山戸結希。恋を自分の神様にした15歳の話。映画は呼吸、呼吸は声、声は人生、人生は一瞬、一瞬は映画。物語が始まり、取り返しのつかない程に終わる。そう。色々なごちゃごちゃとした全てをひっくるめた一瞬。どんなに理由、理屈が重ねられても一瞬にしかならない。永遠を描ききる。麗しく、怖い。東京でモデルをしていた夏芽。仕事を離れ、田舎に転校。1人の子と出会う。全然普通じゃない2人。全然普通じゃない恋の話。2人の胸を貫いた閃光。この世の全ての子が待ち侘びる。知っているはず。懐かしい圧倒的な愛の光。

世界は生き急ぐ程、美しい。如何した。いい。解らない。美しい。ずっと走らずにはいられない。場面の切り替わりが刻む。そう、呼吸。走らなきゃ美しい世界を取り零す。海、山。全部あなたのもの。主演・小松菜奈、菅田将暉。間の空気感。明確な意志を伝え続ける奇跡。ずたずたに殴られる瞬間。

編集のリズム感が胸に迫る映画体験。切り方、続け方。1つの場面をナイフで自分の手で切る瞬間の力の入れ方。自分の命1匙ずつ惜しげも無く乗せるやり方。そう。繋げられたフィルム。野暮なことを言うとデジタルでもフィルム。1度上映する毎に映写機の熱でフィルムが燃える。気持ちが美しい。監督にとって映画の中の台詞「カメラの前でしか呼吸ができない」というのが映画。生きるということを刻むリズム。

恋という生命体。生まれ、死に絶える景色。私は映画に見た。夏芽は恋を神様にした。2度と覆すことはない。外から見れば愚かで薄暗い幸福。恋が夏芽は神様。私は大変安堵。誰だって永遠が欲しい。誰の元にも永遠は訪れない。誰かが作るしかない。呪いじゃない、信仰。独りよがりなものじゃない、性愛。性愛は流れ落ちる。命に居座り続ける恋。そのものが人生。命を何かが貫く度、人は何処かがひん曲がる。記憶は洗えても、曲がった節は2度と真っ直ぐにはならない。生きる証。屈折したあなたで生き抜いて。地獄で、天国には2度と行けなくても。

田舎、東京。コウの青、大友の赤。暗闇、光。停滞、破壊。沢山の対比に追いつかない。胸が苦しい。素晴らしい青春映画。青春の定義。領域を広げる。青春の隙間。人生の始まり、終わり。コウのバイクのような猛スピード。全部突っ込む。いい。青春映画。

大森靖子、tofubeats、オノマトペ大臣の水星、ドレスコーズ、サウンドトラックの選び方。繊細さ。ぐっとくる。至高のキャストの皆さん。菅田将暉、仮面ライダーがとんでもない奇才になった。本当に驚き。何百回もフィルムの中で生き、死んだ人。みんな凄い、神聖。

夏芽の最後のモノローグ。全てがあり、汚い。綺麗と証明。私は血反吐を吐き、生きる。心の中で唱える。如何しようもない。泣いた。あなたは関係ない。あなたがずたずたにした関係。零せと散々言われながらも絶対に零さない。生きる映画の恋。

相変わらず支離滅裂。すみません。見たうちに書くとこの樣。色々な想い。抱えて眠る。本当に色々な想いを有難う。監督に敬意を込めて。

監督を調べた。気に入ってよく見ていた幾つかのPVも監督。みんなも是非。「ハルジオンが咲く頃/乃木坂46」「ズッ友/神聖かまってちゃん」

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