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思い出ペペロンチーノ

頑張る。時間をかけ作る料理は不味い。無情。切ない。一人暮らし。狭い台所、火元はIHコンロ1口。部屋で奮闘し作るペペロンチーノは全然美味しくなく引く。油跳ねアチチ。小流しに洗い物は嵩む。次引っ越し時は広い台所の家に住む。メラメラ完食。

大好きな人の作る食べ物はやたら美味しい。親友の家に宿泊した日、起き抜けに作る高菜パスタが忘れられない位美味しい。その後1人で家で作る。何だか微妙。親友は魔法をかけた。今でも思う。

帰省時は母の作るご飯ばかり食べる。醤油味の煮込み料理の味付けが普段より甘い時、母は「砂糖入れすぎた」と終始言い食べる。私は甘いのも美味しい。母は自分で作るカレーの味に納得がいかない。私は実家のカレーの味が大好き。1人でいる時ふと食べたくなる。帰省中のカレー作りは私の当番。手慣れてはいるものの一人暮らしでは1人で全部食べなきゃ。悲しすぎる。カレールーからのカレーを作るのを辞める。半年以上前に買ったルーの半分は未だ台所収納の奥に眠る。出汁巻き卵も本当は3つ位卵を使いたい。食べきれるか怖く1個で作り平べったいのが完成。ぺたんこ卵焼き。

料理をするのは何故。何かを作ることが案外好き。あの時食べた味は美味しい。そう。外食。思い出は思い出す鍵がなければ一生開かれない。食べることで得る幸せな思い出と繋がる鍵を1つでも多く集めるべく私は料理を作る。不味いペペロンチーノも何時か思い出し笑うよう。今から洗い物。

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