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港のスナイパー雅

夜の帳が下りた港湾地区。コンテナが積み上げられた無機質な風景の中に、ひときわ冷たい光を放つ双眸そうぼうがあった。

赤坂みやび、18歳。普段は都内の女子高に通う彼女だが、その正体は警視庁きってのスナイパーだった。

今宵のターゲットは、国際的な武器密売組織のボス、通称「ジャッカル」。長年、警察の追跡をかわしてきた男が、今夜、この港で取引を行うという情報を掴んだ。

みやびは、コンテナの隙間に身を潜め、愛用のライフルを構えた。

スコープ越しに見えるジャッカルは、屈強な男たちを従え、不敵な笑みを浮かべている。取引相手は、東欧系のマフィアだ。

物々しい雰囲気の中、取引が開始されようとしたその時、みやびは静かにトリガーを引いた。

銃声は、港の騒音にかき消され、ジャッカルは、次の瞬間には、額を撃ち抜かれ、崩れ落ちた。周囲の男たちが騒然となる中、みやびは冷静に次のターゲットを狙う。

しかし、敵もさるもの。すぐに反撃を開始し、銃弾が飛び交う激しい銃撃戦となった。

みやびは、コンテナを盾にしながら、次々と敵を仕留めていく。その正確無比な射撃は、まさに神業。だが、敵の数も多く、次第に追い詰められていく。

その時、一隻のクルーザーが港に近づいてきた。それは、みやびの相棒である刑事、佐伯の船だった。佐伯は、船上から援護射撃を行い、みやびをサポートする。二人の連携により、敵は徐々に数を減らしていく。

そして、ついに最後の敵を倒した時、港には静寂が訪れた。みやびは、ライフルを手に、ゆっくりと立ち上がった。その瞳には、夜の海が映し出されていた。

「終わったわね」

みやびの言葉に、佐伯は小さく頷いた。二人は、互いに背を向け、夜の港を後にした。その後ろ姿は、まるで映画のワンシーンのように、クールでかっこよかった。

みやびは、女子高生と警視正という二つの顔を持つ。その日常は、常に危険と隣り合わせだが、彼女はそれを恐れない。なぜなら、彼女は正義を信じているからだ。

今日もまた、彼女は静かに夜の街に溶け込んでいく。その背中には、明日への希望が託されていた。

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