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ぐうたらねーちゃんと俺

「真由ねーちゃん、朝だよ。もう10時だよ」

俺は大学生の健太。実家でぐうたらな姉、真由と同居している。

真由ねーちゃんは会社では恵比寿で働くバリキャリらしいが、家ではただのぐうたらだ。

「うーん…あと10分…」

真由ねーちゃんはそう言いながら、毛布にくるまってゴロゴロしている。その姿はまるで、巨大な芋虫だ。

「ねーちゃん、今日会社休みだっけ?」

「…休みじゃない…」

「じゃあ、早く起きないと遅刻するよ」

「…あと5分…」

真由ねーちゃんはそう言いながら、さらに毛布に深く潜り込んだ。

「もう知らないからな」

俺はそう言って、朝食の準備を始めた。今日のメニューは、目玉焼きとベーコン、それと昨日の残りの味噌汁だ。

「…いい匂い…」

真由ねーちゃんがむくりと起き上がった。

寝癖でボサボサになった髪、ヨダレで汚れた枕、そして何より、寝ぼけ眼。

「ねーちゃん、顔洗って着替えてこないと、ご飯冷めちゃうよ」

「…うん…」

真由ねーちゃんはそう言いながら、ヨロヨロと洗面所に向かった。

15分後、真由ねーちゃんはヨレヨレのスーツを着て、食卓にやってきた。

「いただきます…」

真由ねーちゃんはそう言いながら、目玉焼きを一口食べた。

「…美味しい…」

「だろ?俺の料理の腕も上がったもんだ」

「…うん…ありがとう…」

真由ねーちゃんはそう言いながら、味噌汁をすすった。

「…ふぅ…」

真由ねーちゃんはそう言って、ようやく目が覚めたようだ。

「…健太、今日ゴミの日だっけ?」

「そうだよ。ちゃんとゴミ出しといてよ」

「…わかった…」

真由ねーちゃんはそう言いながら、食べ終わった食器をシンクに置いた。

「…行ってきます…」

「いってらっしゃい。ゴミ出し忘れるなよ」

「…はーい…」

真由ねーちゃんはそう言って、玄関に向かった。

ガチャ。
ドアが閉まる音。

ふぅ、ようやく静かになった。
俺は残りの朝食を済ませ、洗濯機を回した。

昼過ぎ、真由ねーちゃんからLINEが来た。

「今日、飲み会になったから、夕飯いらない」

「またかよ、了解。ってことは、俺は外食だな」

「たまには、自炊しなさい」

「はいはい」

夜10時。真由ねーちゃんが帰ってきた。

「ただいま…」

「おかえり。飲んだねーちゃん?」

「…ちょっとだけ…」

真由ねーちゃんはそう言いながら、ヨロヨロと部屋に向かった。

「お風呂沸いてるから、入って寝なよ」

「…わかった…」

真由ねーちゃんはそう言いながら、部屋に消えていった。

しばらくして、お風呂場から歌声が聞こえてきた。

真由ねーちゃんは、酔っぱらうといつも歌を歌う。しかも、音痴。

「…♪…♪…」

勘弁してくれ。

俺はそう思いながら、ヘッドホンで音楽を聴き始めた。

真由ねーちゃんとの生活は、毎日がこんな感じだ。

会社ではバリキャリ、家ではぐうたら。

でも、そんな真由ねーちゃんのことを、俺は嫌いじゃない。

むしろ、ちょっとだけ好きかもしれない。

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