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ドイツの思い出

ドイツのドレスデン工科大学(Technische Universität Dresden)にいたころ、朝から晩まで文献を渉猟していた。
まるで宝探しのようだった。

図書館では静かに勉強に励む学生たちが印象的だった。
現地の学生たちと夕餉をともにしたことを思い出す。

ドレスデンの街並みは美しい。
ツヴィンガー宮殿や聖母教会が、静かに流れるエルベ川に映える。

スーツ姿の男性が颯爽と自転車に乗り、トラム(路面電車)に乗り入れるのを見て、かっこいいなと思ったことを思い出す。

トラムに乗っていると、「エーリッヒ・ケストナー博物館(Erich Kästner Museum)」という停車駅の案内声が、いつも耳に心地よかった。

ライプツィヒの文書館でも多くの文献を漁った。
文書館のロッカーの鍵を失くして、事務員さんにひどく怒られたことを思い出す。あとから見つかったけど。

歌劇場でモーツァルトの『魔笛』を鑑賞したことも懐かしい。
紳士淑女に子どもたちまで、華やかに正装して出向く姿に、ヨーロッパの日常に息づく文化を思った。

旅で感じた音や匂い、全身で感じた印象というのは忘れがたい。
また旅に出たいと思う。

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