放課後等デイサービスの実情に物申す!②
株式会社H&H代表の池畑です!
前回の放課後等デイサービスの実情に物申す!①の記事から1カ月以上空いてしまいました…💦
書いてるときは気合いが入るのですが、少し間が空くと…
言い訳は置いておいて、前回の続きを書きます!!
利益をあげることは重要
医療も介護も福祉もボランティアでやっているわけではなく、社会性の高い事業として行っています。
なのでどんなに良いサービスでも利益を上げなければ、そのサービスを提供することは困難です。
なので、利益はめちゃくちゃ重要。
どんなに綺麗ごとを言っても、続かなければ無に帰してしまいます。
だからと言って、利益ばかりを求めても、それは違うと思っています。
なぜならば、公費すなわち税金だからです。
ご覧の通り、医療や介護は保険料だけでは賄えず、かなりの割合で公費が投入されています。
障害福祉(障害者自立支援法)は市町村負担25%、国庫負担50%、都道府県負担25%となっており、自己負担もほとんどないことから、大半が公費です。
公費を投入するということは社会保障という観点からは重要であり、国民がいかなる理由があろうと社会生活を営むことができるような社会にしていくことは、税金を納める人にとっても納得できると思います。
しかし、社会保障費は増加の一途を辿り、大きな問題になっています。
本当に必要なのであれば、致し方ないことですが、本当に必要なの?と思われることが平気で行われる実態もあります。
私は医療、介護、福祉の全ての分野での経験がありますが、入院などの急性期を除くと、本当に必要ことを提供しているのは5割くらいで、残りの5割は税金を使う必要があるの?税金を使う価値があるの?と問いたくなる内容です。
病院に勤めている時には、とりあえず注射、とりあえずシップ、効果のない物理療法を提供(数千円の公費がかかる)することが日常茶飯事でしたし、介護の現場では買い物にも行けて、スポーツジムにも行けるのに、送り迎えがあってお茶も出るし、家にいてもしょうがないからということで介護保険(数万円の公費)を使っていたり、福祉の現場では…と言ったようにたくさん経験してきました。
私は現場にいる時からも、必要のないものはやる必要がないと突っぱねていたので、たくさんの人から嫌われていました。笑
でもサラリーマンである以上、限界があるので、それに嫌気が差し、起業しました。
で、自分が会社を立ち上げてから常に言っていたことは
「私たちの仕事は公費を扱う仕事であり、その公費は国民が汗水垂らして働いた一部であり、子どもがお小遣いから買ったおもちゃやお菓子の税金でもある。だから多くの人が納得できる内容でなければいけない」
だから私たちは国民の皆さんから税金を一時的に預かり、適正な人に分配をする管財人に過ぎないというスタンスで取り組んできました。
なので、必要ない人には必要ないと私だけでなく、スタッフもはっきり言うので、結局私だけでなく会社も嫌われました。笑
介護サービスを提供しているときに、元気な要支援の方がいて、なんで介護保険申請したんですか?って聞いたら、「勧められたから」と答え、なんで介護保険を使うんですか?と聞いたら「使わないと次の更新で認定もらえないよと言われたから」と答えたので、無理に使う必要がないこと、これは税金がかかっていること、悪くならないためのポイントや参加する活動などを説明して、納得して帰ってもらったら、紹介してくれたケアマネジャーの方が「何で使わせてくれないんですか😡」とお怒りの電話をいただいたこともあります。
似たようなことは一度や二度ではなく、その時はいつも憤りを感じていました。
でも結局、他の施設で「使えるから使っちゃおう」となっちゃうんですが…。
使えるから使っちゃおうは防げない
病院にしても、介護にしても、福祉にしても使える権利がある人を拒むことはできません。
最近の救急車問題と同じです。
救急車問題は本当に必要な人に届かなくなるなどの問題もあり、顕在化しましたが、社会保障の無駄は実害がないので、顕在化しにくいです。
使える人が増え、使えるから使っちゃおう精神であれば、増え続けることは当たり前です。
むしろ、提供する側も儲かるわけで、実際にそれで困る人はいないどころか、喜ぶ人が多いのです。
自己負担が増えれば抑止もできるかもしれませんが、自己負担を増やすことに政府は本腰を入れられません。
救急車は有料化を導入した結果、不要な利用が減ったという話もあります。
福祉でも増えてきた
本当に必要かどうかは、ちゃんとした専門家なら一目瞭然です。
医療的ケアや重症心身障害児を始め、障害を持つ方々のサービスの質は見れば分かります。極端なことを言えば、見なくても分かります。
例えば、障害児に携わったことのない理学療法士が、障害児に対してできることなんて素人と大して変わりませんし、運動療育なんて、運動したら様々なことに刺激が入るのは、障害児だけでなく健常児も同じで、それを運動療育というあたかも専門性が高いかのようなフレーズで謳っているだけのところがほとんどだと思います。だって療育って奥が深いもん。そんな簡単にできるもんじゃないということくらい分かります。
重症心身障害児や医療的ケアも同じです。
資格持ってるからできるというレベルのものではないんです。
実際に見学に行くと、抱っこすらろくに出来ていないところがほとんどです。そもそも抱っこの重要性すら分からずに、硬いからと言ってストレッチを一生懸命やっているんですが、その間違った抱っこが硬くなる要因だと気づいてないことだってあります。
ここでは書ききれませんが、ビックリするようなエピソードはたくさんあります。
もちろん私たちもまだまだ至らないところはたくさんあると思います。
ただ、増えてきた施設を見ると残念に思うことが多いのです。
結局はそこにいるスタッフの質と会社が質を高めていくことにどれだけの時間とお金を使っているかが重要だと思うのです。
利益は目的ではなく結果である
良いサービスを追求し続け、良いサービスを提供し続ければ、僕らの仕事は口コミで十分拡がります。
マーケティングとか、完全に不要です。
実際に弊社は口コミがほとんどです。
社長である私もあまり物欲がないのと、私の給与は自費で稼ぐと決めていて、コンサルティングや講師業で稼いだお金を役員報酬としてもらっています。
なので福祉事業で稼いだお金は、社員の給与(平均給与440万)に還元しますし、社員教育(年間1人当たり40万以上)に投資をして、質の高い人の採用や教育に力を入れています。
その結果、質の高いサービスが提供でき、満足が生まれ、同じように困っている方がいれば紹介してくださるので、利用者がいなくて困るということもありません。
むしろ採用に拘っているので、社員数がなかなか増えずに、事業拡大ができません…。絶賛募集中です!!
私たちの仕事は仕事を定量化することは難しいので、質が高いってどういうこと?と聞かれるのですが、自分の家族が同じ状況になった時に、「是非お願いしたい!」となるかどうかで、100%YESなら質が高い、そうでないなら質が低いと定義しています。
専門職なので、自分の仕事のレベルは分かるはずです。他を見たら、自分や自社のレベルは分かるはずです。それが分からなければ論外です。
結局、質が測れないので、稼働率などで測るしかなくなるのです。
クレームや問題が起こらないレベルで稼働率さえキープしてくれればOKとなるのだと思います。
私から言わせれば、質が高ければ稼働率なんて気にしなくても上がります。
「体調が悪いので訪問看護休みます」なんて聞くけど、体調悪いから訪問看護受ける必要があって、体調が悪ければ余計来てもらわなきゃいけないんじゃないの?と思ってしまいます。
僕だって体調悪かったら誰かに看病してほしいです。(妻にあんたは弱いわね🥹といつも言われてます)
訪問でリハビリ受けるためには、定期的に訪問看護受けなきゃいけないので、訪問看護受けてね!って…
それにお金かかってますからね…
自費だったら、なんでそんなことにお金払わなきゃいけないんだって怒るレベルです。
などなど、そんなエピソードを聞く度に、それって本当に必要?って思うのです。
違法ではないので、周りがとやかく言う問題ではないですが、すべては経営者の職業観が基準となります。
例えば、弊社の場合だと、体調不良の場合はむしろ積極的に受け入れ、呼吸状態を良くして帰して、夜間のケアの量が減って親御さんの負担が減るように関わっています。学校は休むけど、うちには来るってパターンも多いですし、通所が難しければ、訪問で対応しますので、体調不良で休みという概念が私たちの施設にはありません。
逆に家族でお出かけします!なんてお休みはスタッフも喜びます。
結果、高い稼働率を誇っています。
これらは私のこだわりでもありますし、スタッフたちのこだわりでもあります。
質の伴わないところで働いているスタッフに罪はないですが、そこに気づけるスタッフになってほしいとも思いますし、危機感を感じられる人が、努力をし、どんな時代でも生き残っていける人になっていけるのだと思います。
まとめ
専門職が携わるのであれば、それ相応の専門性を提供し続ける義務がありますし、より高めていく責任があると思っています。
そうでなければ、努力しなくても良い仕事に就いたら良いと思います。
人の人生、人の困難を生業にしているからこそ、高い職業観と倫理観を持ち、その人の人生が豊かになってもらえるよう、困難を乗り越えていけるようにサポートし続けられる業界であって欲しいと思いますし、自分たちだけでなく、業界にも良い影響を与えられるように、これからも事業を展開していきたいと思っています。
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