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運動野が関わる脳の神経システム|2023.5.31配信予定

本ブログはYouTubeの台本を、そのまま掲載しています。分かりやすいオリジナルイラスト付きで確認したい方は、YouTubeKindleで確認してください。

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はじめに

「随意運動や姿勢制御の基本的な仕組みが、いまいち理解できていない...」
「神経路の損傷が、身体にどんな影響を与えているか説明できない...」

この辺の知識は、基礎中の基礎で、

知っていると知らないでは、臨床結果が大きく変わる知識なのですが、

意外と、十分に理解できていない人も多いのでないでしょうか?

今、「ギグッ」とした方もいるかもしれませんが、

この動画で、必要な知識を詰め込んだので大丈夫です。

基礎部分の重要性は、どの参考書でも必ず基礎から始まるので、

今更、説明しなくても重々分かるかと思います。

基礎がなければ、進めないって事ですよね。

今後のPT人生をより良くしたいと言う方は、ぜひ最後まで見ていって下さい。

別に今のままで良いと言う方は、時間の無駄になるので見ない方がいいかもですね。

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ではでは、本編に進みましょう。

本編


運動野基礎


まずは、主要な運動野について説明していきましょう。

運動野と言われて、パっとイメージできますか?

主要な運動野は、ざっと以下の4つになります。

一次運動野
運動前野
補足運動野
帯状回運動野

それぞれもう少し詳しく説明していきましょう。

まずは、一次運動野。

入力を受ける領域は、高次運動野、感覚野、視床(小脳からの投射)で、

出力する領域は、皮質脊髄路、皮質核路になります。

主な特徴は、次の3つ。

①前頭葉の最後部である中心前回に位置している事
②随意運動の実行中枢として、高次運動野や被殻とネットワークを構築して機能している事
③感覚野や視床からの筋の感発信号を巧みに運動損令に変換するしくみを持ち、効率的に運動を実行していると考えられている事

①前頭葉の最後部である中心前回に位置している事について、

具体的な位置はココになります。

②随意運動の実行中枢として、高次運動野や被殻とネットワークを構築して機能している事について、

これは、随意運動の親玉みたいなイメージですね。

③感覚野や視床からの筋の感発信号を巧みに運動損令に変換するしくみを持ち、効率的に運動を実行していると考えられている事について、

これは、感覚野から来た信号を瞬時に運動指令に変える仕組みで、刺激に対して瞬時に反応できているってことです。

機能は、一言で言うと「随意運動の発現」で、

次の3つは押さえておきましょう。

①一次選動野には体部位に対応した機能局在があり、この体部位に対応した神経細胞が皮質脊髄路を形成して随意運動を発現させる
②一次運動野の神経細胞は、複数の脊髄神経細胞を介して筋を支配している
③この組み合わせによって筋活動パターンを制御しながら、運動の強さと方向を決定している

①一次選動野には体部位に対応した機能局在があり、この体部位に対応した神経細胞が皮質脊髄路を形成して随意運動を発現させるについて、

機能局在は、運動のホムンクルスとも呼ばれているモノですね。

ざっくりこんな感じのものですが、詳しくは「運動のホムンクルス」で検索してみて下さい。

そしてこのそれぞれの部位に対応して、随意運動が実行されます。

②一次運動野の神経細胞は、複数の脊髄神経細胞を介して筋を支配している
③この組み合わせによって筋活動パターンを制御しながら、運動の強さと方向を決定している

脊髄神経細胞は1つの筋肉しか支配していませんが、一次運動野の神経細胞は複数の脊髄神経を支配しています。

1つの脊髄神経細胞に対して、複数の一次運動野の神経細胞が支配する事になり、

この組み合わせによって、筋出力の強さや方向を制御していると考えられています。

損傷時の障害は、「弛緩性運動麻痺、筋出力低下、運動分解能低下」が挙げられます。

それぞれ確認しておきましょう。

次は、運動前野

入力を受ける領域は、前頭前野、感覚野、視床(基底核、小脳からの投射)、前帯状回皮質、対側6野で、

出力する領域は、第1次運動野、皮質脊随路、脳幹(網様体、赤核,前庭核、橋核)になります。

主な特徴は、次の3つ。
①運動前野は中心前回の前方に広がる高次運動野の外側領域に位置し、前頭前野からの指令や感覚野などの情報を受けて運動を制御している
②腹側運動前野は「視空間的な位置情報との関連付けやミラーニューロン」に関わり、背側運動前野は感覚情報を運動に変換する役割を持つ
③両者ともに感覚受容器から得られた「外的な手がかり」を運動に関連づける制御を行っている

①運動前野は中心前回の前方に広がる高次運動野の外側領域に位置し、前頭前野からの指令や感覚野などの情報を受けて運動を制御しているについて、
具体的な位置はココになります。

②腹側運動前野は「視空間的な位置情報との関連付けやミラーニューロン」に関わり、背側運動前野は感覚情報を運動に変換する役割を持つについて、
腹側運動前野のミラーニューロンは、

他者の行動を観察することで活動するニューロンで、

帯状回皮質と連携して、他者の行動の理解・共感に関係すると考えられている神経細胞になります。

背側運動前野の機能は、先ほど出てきたもので、

一次運動野と共同して、感覚情報を運動に変換する仕組みになっています。

③両者ともに感覚受容器から得られた「外的な手がかり」を運動に関連づける制御を行っているについて、

腹側運動前野、背側運動前野共に、

外界からの刺激をきっかけに、運動を発言させる仕組みに関与しているって事ですね。

機能は、一言で言うと「熟練運動や姿勢制御に必要な出力の統括」で、

次の3つは押さえておきましょう。

①運動前野と補足運動野は「意思、視覚、艶覚、記憶、意欲」など他の領域からの情報を受けて、熟練した運動を遂行する
②姿勢制御の上位中枢としても機能し、抗重力変勢の保持や随意運動や外乱に対する筋緊張を調整を行なっている
③運動前野と補足運動野からの投射は「網様体、赤核、前庭核、橋核」などの錐体外路系神径核に送られ、変勢制御と随意運動の補助を行う

運動前野と補足運動野は、連合して動いているのですが、

運動前野の方が、

外的手がかりをもとにした、熟練した運動のプログラムの作成に関与していると覚えておきましょう〜。

損傷時の障害は、「近位筋制御の障害、視覚運動遂行の障害」になります。

それぞれ確認しておきましょう。

次は、補足運動野。

入力を受ける領域は、前頭前野、感覚野、視床(基底核、小脳からの投射)、前帯状回皮質、対側6野で、

出力する領域は、一次運動野、皮質脊随路、脳幹(網様体、赤核,前庭核、橋核)になります。

主な特徴は、次の3つ。
①補足運動野は大脳縦裂内面から帯状溝にかけて広がる内側欲領域に位置し、前頭前野から入力を受け「一次運動野、大脳基底核、脳幹網様体」などに出力している
②補足選動野における運動マップは「後方が下肢、前方が上肢・顔」に分かれていて、主に反対側の身体を文配するが一次運動野ほど精密ではない
③「内的な手がかり」に基づいて運動を制御し、「自発的な選動の開始、運動の順序やタイミングの制御、両手の協調動作」などを遂行する

①補足運動野は大脳縦裂内面から帯状溝にかけて広がる内側欲領域に位置し、前頭前野から入力を受け「一次運動野、大脳基底核、脳幹網様体」などに出力しているについて、
具体的な位置はココになります。

②補足選動野における運動マップは「後方が下肢、前方が上肢・顔」に分かれていて、主に反対側の身体を文配するが一次運動野ほど精密ではないについて、
機能局在の事ですね。一応あるけど、一次運動野ほど精密ではないと覚えておきましょう。

③「内的な手がかり」に基づいて運動を制御し、「自発的な選動の開始、運動の順序やタイミングの制御、両手の協調動作」などを遂行するについて、
自発的な刺激をきっかけに、運動を発言させる仕組みに関与しているって事ですね。

機能は、一言で言うと「熟練運動や姿勢制御に必要な出力の統括」で、

次の3つは押さえておきましょう。

①運動前野と補足運動野は「意思、視覚、艶覚、記憶、意欲」など他の領域からの情報を受けて、熟練した運動を遂行する
②姿勢制御の上位中枢としても機能し、抗重力変勢の保持や随意運動や外乱に対する筋緊張を調整を行なっている
③運動前野と補足運動野からの投射は「網様体、赤核、前庭核、橋核」などの錐体外路系神径核に送られ、変勢制御と随意運動の補助を行う

補足運動野の方が、

内的手がかりをもとにした、運動の開始や順序に関与していると覚えておきましょう〜。

損傷時の障害は「順序動作野協調性運動(リズム)の障害、自発的な運動活動の滅少、他人の手症候群」になります。

それぞれ確認しておきましょう。

最後、帯状回運動野について。

入力を受ける領域は、大脳辺緑系,前頭前野、前頭眼窩野、連合皮質で、

出力する領域は、前頭前野、運動関連領域、大脳基底核、脳幹になります。

主な特徴は、次の3つ。
①帯状回は、大脳辺緑系の構成領域として皮質下に位置している
②「情動領域(32 野)、認知領域(24野),空間認知領域(23野)、記憶領域(29野)」に機能分類される
③23野と24野の帯状回に近接する前頭葉運動野は帯状回運動野と呼ばれ、大脳基底核や一次運動野に出力して情動に関連した運動の発現に関与している

①帯状回は、大脳辺緑系の構成領域として皮質下に位置しているについて、
具体的な位置はココになります。

②「情動領域(32 野)、認知領域(24野),空間認知領域(23野)、記憶領域(29野)」に機能分類されるについて、
区分けは、こんな感じですね。

③23野と24野の帯状回に近接する前頭葉運動野は帯状回運動野と呼ばれ、大脳基底核や一次運動野に出力して情動に関連した運動の発現に関与しているについて、

上側の領域が、運動に関わるというイメージを持っておきましょう。

機能は、一言で言うと「情動や生理的反応による運動の誘発」で、

次の3つは押さえておきましょう。

①帯状回運動野には大脳辺縁系や視床下部から、情動や意欲に関する情報が入力される
②これらの情報を運動に関わる情報として取り込み、前頭前野と連携しながら「生理的欲求、生理的反応、動機付け」に基づく行動制御を行っている
③危険を発知して回避するや報酬を得るための行動発現などの場面で、より素早い運動の発現を担っている

扁桃体や視床下部は本能行動の中枢として、

情動をもとにした行動に関わっていると押さえておきましょう〜。

損傷時の障害は、「報酬や危険予測、反応の障害」になります。

それぞれ確認しておきましょう。

この章は、情報が多くて大変かもですが、

ココだけ押さえれば、あとは随分楽なので、

機能と損傷時の障害は最低限押さえるようにしましょう〜。

随意運動システム

次は、随意運動システムについて説明していきましょう。

いわゆる錐体路系で、「外側皮質脊髄路、前皮質脊髄路、皮質核路」の3種類が該当します。

錐体路系は、一次運動野を上位中枢とした下行性の投射線維で、

放線冠を形成しながら内包を通過し、

脊髄運動神経細胞に情報を送っています。

主な役割として、随意運動での巧緻性と運動出力に関わっているのが特徴ですね。

それぞれ説明していきましょう。

外側皮質脊髄路
前皮質脊髄路
皮質核路

まずは、外側皮質脊髄路について。

経路は、第1次運動野から延髄で交叉(錐体交叉)して対側の脊髄側索を通り、前角に投射しています。

機能は、出力中枢と対側四肢遠位筋の随意運動の制御になりますね。

損傷時の障害は、「損傷半球と対側の地援性片麻痺、運動分解能の障害」になります。

ざっくり遠位筋の随意運動に関わると覚えておきましょう〜。

つぎは、前皮質脊髄路。

経路は、第1次運動野や高次運動野から同側の脊髄前索を通り、前角に投射してします。

機能は、出力中枢と同側の近位筋の随意運動の制御になりますね。

損傷時の障害は、「同側の筋出力低下、運動の拙劣さ」になります。

ざっくり近位筋の随意運動に関わると覚えておきましょう〜。

最後、皮質核路について。

経路は2通りで、
①前頭眼野(8 野)→分枝しながら眼球運動脳神経核
②第1次運動野(4野)→内包後脚の腹側→中脳レベルで分枝→随意運動性脳神経核
になります。

機能は主に、運動性脳神経が支配する筋の随意運動制御になり、

それぞれ、

①眼球運動性脳神経核(動眼神経、滑車神経、外転神経)が支配する眼筋の運動を行う
②随意運動性脳神経核(三叉神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経、副神経、舌下神経)が支配する「顔面筋、舌、咽頭筋,内臓不随意筋(気管支、心臓、食道、胃腸)、胸鎖乳突筋、僧帽筋」の運動を行う

の2パターンになりますね。

動眼神経、滑車神経、外転神経、三叉神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経、副神経、舌下神経が支配している筋肉の運動に関わると覚えておければOKです。

損傷時の損傷は、「中脳レベルでの損傷は随意性注視障害、中脳レベルでの片側損傷では患側への共同偏視、橋レベルの損傷では健側への注視、その他損傷レベルによって顔面、舌、頭部の運動障害」になります。

それぞれ確認しておきましょう。

高次運動制御システム

高次運動制御システムについて、説明していきましょう。

錐体外路系投射線維と呼ばれ、

「皮質網様体路、皮質線条体路、前頭橋路、頭頂側頭橋路、後頭中脳路」などが該当します。

錐体外路系では脳幹、小脳、大脳基底核などの複数の神経核が、

それぞれの機能に従って運動や姿勢の調整に関与していて、

高次運動野は、これらの神経核に対する上位中枢として、

皮質-錐体外路系投射線維を送って姿勢制御を統制しています。

高次運動野から脳幹、小脳、大脳基底核とかに

信号を送って姿勢を制御しているって考えればOKです。

また、一次選動野にも投射を送っていて、

運動のタイミングやバターンなどの、

プログラミングされた運動の発現にも関与しているのでついでに覚えておきましょう。

この辺りの経路は、複雑でお互いが関連しあっているので、

まとめて包括的に説明しちゃいます。

経路は、高次運動野から「大脳基底核、脳幹(綱様体、赤枝、前産など)小脳」などの複数の神経核に投射しています。

機能は、
①両側の体幹や四肢(主に近位筋の)姿勢筋緊張の制御
②運動企画や姿勢情報などの内的な手がかりや、視覚聴覚などの外的な手がかりを用いた随意運動発現の補佐
になりますね。

姿勢制御と随意運動の開始に関わっているって事です。

損傷時の障害は「姿勢障害、筋緊張異常」になります。

それぞれ確認しておきましょう〜。

おわりに

不安の元凶は知識不足です。

理学療法士は、下りエスカレーターに常に乗っているようなもので、

勉強し続けないとどんどん堕ちていきます。

少し勉強して、満足すると、

知らない間に、すぐ周りと知識の差が出てしまいますよね。

だからこそ、継続しないといけないし、

継続できない量の勉強は、なんなら意味がなくなってしまいます。

なぜなら続けられなければ自然と墜ちていってしまうから。

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