変形性股関節症によりデュシェンヌ歩行が見られている症例に対する理学療法案|2023.6.30配信予定
はじめに
「変形性股関節症ってどんな機能的障害が起きているか分からない、、、」
「デュシェンヌ歩行が見られているけどどうすればいいの?」
国家試験でよく勉強したはずのデュシェンヌ歩行。
いざ臨床で目の前にすると、何をすればいいか分からなくなってしまう事もありますよね。
多くの人が最初は困惑するので安心して下さい。
でも、そこで情報をインプットしなければ、
それ以降、分からないモヤモヤを抱えたまま、
理学療法士として過ごす事になり、
そのストレスは小さなものかもしれませんが、
積み重なる事で、大きなストレスに変化していってしまいます。
この動画を最後まで見る事で、
少なくともそのストレス無くす事ができるので、
ぜひ最後までご視聴ください。
この内容を、僕が直接指導した後輩も、悩みが減ったと言っていたので安心して下さいね。
また、勉強したくない人は、ココで動画を見るのをやめましょう。
時間がもったいないですし、それなりに労力をかけて作っているので、
しっかり最後までみてくれる人に届けたいのです。
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ではでは、本編に。
本編
■股関節の安定
股関節の安定の話に入る前に、
変形性股関節症について、簡単に復習しましょう。
変形性股関節症とは、
長年の負担や加齢などにより股関節内の骨や軟骨が損傷し、痛みや運動制限が生じる疾患で、
主な原因は、遺伝的要因、肥満、外傷などになります。
初期段階では、
軽い痛みや違和感が生じ、
進行すると歩行困難や股関節周囲の筋肉の萎縮が起こることがありますね。
歩行障害としては、トレンデレンブルグ歩行やデュシェンヌ歩行が特徴的ですね。
トレンデレンブルグ歩行は、患側立脚期で健側に骨盤が傾く歩行パターンで
デュシェンヌ歩行は、骨盤傾斜と健側への体幹側屈がみられる歩行パターンですね。
診断には、レントゲン検査やMRI検査が行われ、
症状の程度によって保存療法や人工関節置換手術が選択されます。
保存療法には、
薬物療法、リハビリテーション、温熱療法、軽度の運動療法などがあり、
人工関節置換手術では、手術を受ける患者の状況によって、
半月板形成術、人工股関節置換術、石灰化治療、骨代謝改善薬の投与、ハイ消毒法などが行われます。
予防については、
運動習慣の維持や肥満解消、
転倒予防、バランスの良い食事などが役立ち、
早期に発見して適切な治療を受けることで、症状の進行を遅らせることができるとされています。
ではでは、股関節の安定について話を進めましょう〜。
股関節は大腿骨頭とこれを覆う臼蓋からなる球関節で、
正常な臼蓋では、前方かつ外側に30~40°傾いて開口しています。
股関節を構成する大腿骨頸部には類体角と前捻角が存在し、
これにより立位姿勢での股関節は、骨頭の前方部分の被覆が不十分な構造になっています。
立位姿勢では、前側方部分が不安定な構造をしているため、関節が不安定になりやすいって事ですね。
ちなみにこの被覆不足は、股関節を屈曲させる事で解消されます。
股関節疾患をもつ症例では、股関節屈曲位置 のアライメントが多いのは、
この構造も関係しているかもしれませんね。
立位時に不安定な骨構造になっている股関節ですが、
特に変形性股関節症の発症要因として、大きな割合を占める臼蓋形成不全がある股関節では、
立位時の骨頭前方部分の被覆量が更に減少し、
より不安定な関節になっています。
また、骨盤が25°後領することにより骨頭被覆が21%減少するとの報告もあり、
姿勢不良などで、骨盤が後傾すると被覆量がさらに減少し、
より不安定な関節になるので注意が必要です。
総括すると、股関節立位時に不安定になりやすく、
臼蓋形成不全や骨盤の後傾があると、
さらに不安定になるという事になりますね。
そのため、変形性股関節症での、
立位や歩行に伴う、股関節の不安定性がある症例では、
股関節だけでなく、骨盤アライメントにも着目するのが大切になるので、
ここも押さえておきましょう。
■変形性股関節症と安定性
変形性股関節症では臼蓋形成不全などの影響もあって、
荷重時に大腿骨頭の外上方への不安定性が増加しやすくなっています。
いきなり言われてもイメージしずらいと思うので、
これから説明していきますね。
本来であれば、骨頭を求心位に保つために、
中殿筋の作用も活用して、股関節の安定性を保っていますが、
変形性股関節症例では、被覆率が少ないため、
中殿筋の収縮が、大腿骨頭の外上方への剪断力として作用してしまい、
大腿骨頭を外上方へ変異させる力が強くなってしまっています。
被覆量が正常だと、中殿筋の作用で骨頭を求心位ち安定性を保てて、
被覆量が少ないと、中殿筋の作用が骨頭位置を、
外上方にズラす力になり、股関節が不安定になってしまうって事ですね。
この状態で歩行すると、股関節の不安定感が強いので、
どうするかというと、内転筋などの作用を使って、
骨頭を引きつけようとうするわけです。
骨頭が外側に離れていくを、内転筋を使って内側に引き寄せているイメージですね。
ところが、一時的に内転筋によって安定性を確保するのはいいですが、
これが持続すると、股関節内転拘縮を作ってしまう事になりかねません。
股関節内転拘縮が完成してしまうと、
大腿骨頭を外上方に変異させる力を増加させてしまい、
股関節の不安定性がさらに増してしまうといった悪循環に陥ってしまいます。
この内転筋拘縮に関しては、変形性股関節症を対象にした研究で、
内転筋拘縮の除去により、骨頭を求心位に保てる事が改善され、さらに関節のリモデリングが促されたりと、
より好ましい変形性股関節症の進行状態へ導けるとの報告が上がっています。
そんな内転筋拘縮ですが、
内転筋拘縮が完成し、大腿骨頭が外上方にずれやすくなると、
歩行時、さらに股関節の不安定性が増してしまう事になりますよね。
変形性股関節では荷重に伴う痛みもあるので、
それも含めて代償するようにみられる歩容が、
デュシェンヌ歩行になります。
デュシェンヌ歩行は、骨盤傾斜と健側への体幹側屈がみられる歩行パターンで、
骨頭の被覆率を補いたいので、健側の骨盤がやや挙上している歩行パターンになりますね。
健側の骨盤を挙上する事で、大腿骨頭の被覆量を増やすわけです。
ちなみに、デュシェンヌ歩行の要因としては、中殿筋の筋力低下や外転拘縮がよく挙げられますが、
中殿筋の筋力低下の場合は、デュシェンヌ現象と一緒にトレンデレン現象もみられたり(患側の骨盤の下制)、
外転拘縮の場合は、内転制限がみられたりするので、
その他の可能性も考慮しながら、臨床推論の一つのアイディアとして、今回の推論を確認して下さい。
今回は一例として、この推論を上げさせていただきます。
骨頭が外上方にズレそうな状態なので、骨盤がこれ以上健側側に下制すると、
大腿骨頭の外上方のズレを助長させ、さらに不安定性が増してしまいますよね。
なので体幹の重さを使って、なるべく健側の骨盤を挙上させ、被覆量を増加しようとする事で、
不安定性を代償しているわけです。
簡単にまとめると、
正常では中殿筋の作用を活用して、
大腿骨頭を求心位に保つ事で、股関節の安定性を確保しているが、
変形性股関節症症例では、臼蓋の変形により、
大腿骨頭が外上方に変異させる力が加わりやすくなり安定性が欠如する。
内転筋の収縮によって代償するが、持続すると内転筋拘縮に陥り、
内転筋拘縮が完成すると、大腿骨頭を外上方に変異させる力を生み出してしまう。
それをさらに代償するために、デュシェンヌ歩行がみられるケースがある。
こんな感じになりますね。
■理学療法案
ではでは、理学療法案について説明していきましょう〜。
先ほどの章でも、出できた通り、
今回の案は、内転筋拘縮由来のデュジェンヌ歩行に対する介入案になるので、そのつもりでご確認お願いします。
やることは大きく2つ。
●股関節内転筋群のストレッチ
●大腿骨頭被覆訓練
●立位・歩行訓練
股関節内転筋群の過緊張があると、
大腿骨頭が上方にずれる力が作用しやすくなるので、
まずは、内転筋群のストレッチを行い、股関節の安定性を取り戻します。
次に、骨頭が被覆されている感覚を取り戻す意味や、
骨盤アライメントの修正も兼ねて、大腿骨頭被覆訓練を行い、
最終的には、歩行に落とし込んでいくのが大きな流れになります。
大腿骨頭被覆訓練に関しては、やっている事は、骨盤の前後傾なのですが、
大腿骨頭を、臼蓋でしっかり覆ってあげていくイメージを、
セラピストはもちろん、対象者も持てるようコーチングするのが大切になります。
大腿骨頭被覆訓練や、立位・歩行訓練訓練を行う際、
うまく骨盤の前後傾が行えない時は、腰椎の可動性がそもそも固い可能性があるので、
その場合は、腰椎の可動性改善訓練から進めてみましょう。
コチラの動画で、腰椎のエクササイズも説明してるのでよければ参考にどうぞ。(椎間関節由来の慢性腰痛に対する理学療法)
ではでは、まずは股関節内転筋群のストレッチングから説明していきましょう〜。
筋面積の広い、長内転筋と、大内転筋に主として介入していきます。
長内転筋のストレッチ
肢位:背臥位で股関節軽度外転位
手順:
①セラピストの片方の手を、対象者の膝の下から内ももにかけて沿せるように把持する
②長内転筋の停止部にセラピストの指を沿わせ、遠位方向に少し牽引する
③「②」の状態から、さらに股関節外転・伸展方向にストレッチを加える
ポイント:
長内転筋停止部のおおよその位置は、大腿骨中央の内側くらい(大腿骨粗線内側唇1/3)
手順②の状態で、股関節内転・屈曲方向に自動運動させ、収縮を確認できると良い
反対側の股関節が内転しないよう注意し、場合によっては反対側下肢をベットから軽く降ろして固定する
大内転筋のストレッチ
肢位:背臥位
手順:
①セラピストの片方の手を、対象者の膝の下から膝上の内側にかけて沿せるように把持する
②大内転筋の停止部にセラピストの指を沿わせ、遠位方向に少し牽引する
③「②」の状態から、さらに股関節外転・屈曲方向にストレッチを加える
ポイント:
長内転筋腱性部のおおよその停止部は、大腿骨内側上顆2横指の上らへん(内転筋結節)
手順②の状態で、股関節内転・伸展方向に自動運動させ、収縮を確認できると良い
反対側の股関節が内転しないよう注意し、場合によっては反対側下肢をベットから軽く降ろして固定する
次は、大腿骨頭被覆訓練について説明していきましょう〜
肢位:端座位
手順:
①体幹が後方に傾かないよう、骨盤の後継を誘導する
②体幹が前方に傾かないよう、骨盤の前継を誘導する
③高さを変えつつ「①」と「②」を繰り返す
ポイント:
対象者の両足は常に、床に接地しているように
椅子の高さは低めから始め、徐々に高くしていく
椅子の高さが上がるにつれて、立位に近い状態での骨頭の被覆が行えるようになる。
最後、立位・歩行訓練。
肢位:立位
手順:
①「大腿骨頭被覆訓練」で獲得した感覚をもとに、立位保持を行う
②「②」の状態で姿勢が崩れないように足踏みを行う
③「①」の感覚を保持したまま、歩行する
ポイント:
・うまく修正されない時は、股関節内転筋群のストレッチングや大腿骨頭被覆訓練を継続して行う
・うまく修正されない時は、中殿筋の筋力低下を疑う
・指導した後に何も意識しないで歩行してもらい、感覚が保続されるか確認し保続されていれば継続して介入を行う
おわりに
継続力を身につけて困る事は一切ありません。
自分の意思の力も強くなるし、
成果も出やすくなります。
何より自分の夢が達成しやすくなります。
多くの場合、夢があっても途中で挫折してしまい、
諦めて辞めてしまうのではないでしょうか?
夢を実現する人は夢に向かってひたすら継続し続けています。
それは例えどんな小さな夢でも同じです。
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