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【新人理学療法士向け】移乗動作介助の基本
今回は介助が必要な方に対して、より適切な移乗動作が行えるようにポイントをお話しします。
あわせてこちらもお読みください。ポイントが重なる部分もあります。
以下、ベッドから端座位まで行えたこととします。
移乗動作介助では表皮剥離のリスクが高い
車椅子への移乗動作介助(またはその逆)では、ベッドの端や車椅子のフットレストなどに下腿を擦ってしまい、皮膚を傷つけてしまうことがあります。
あらかじめ、カルテからの情報や、ベッド上での動作を確認し、移乗動作での対象者の能力を想像しておきましょう。
危なそうであれば、フットレストを外すか、タオルなどでフットレストを覆い、保護するかなどで対応します。
それでも危なそうな場合は2人介助で行いましょう。
端座位の状態で確認しておくこと
・車椅子の位置
・管理物の位置
・対象者の意識レベルや理解度
・ベッドと車椅子の高さ
まず、車椅子の位置が遠すぎていないか確認します。
また、点滴などの管理物の位置も確認し、移乗動作後に管が絡まったり、引っ張られたりしないかも確認します。
そして重要なのが、対象者の意識レベルや移乗することが理解できているかということです。
もちろん傾眠状態であれば全介助になり得ますし、理解が難しいと不安に感じたりしてしまいます。
不安な状態で移乗させようとすると、近くの点滴棒などつかもうとしたりして大変危険です。
ゆっくり落ち着かせ、把持すべき場所をこちらで指定し、安心した状態で移乗動作を行えるようにしましょう。
ベッドと車椅子の高さでは、移乗する方の高さが低くなるように設定すると動作が行いやすいです。
全介助での離臀から方向転換
全介助で下肢のステップが生じなそうな場合は起立し、自分の膝を相手に膝に合わせて支点を作り、方向転換して移乗します。
全介助でも、ステップが生じそうであれば起立動作から左右に重心移動を誘導しながら下肢に荷重感覚を加えて行きます。
中等度介助での離臀から方向転換
対象者には上肢を使ってもらい、移乗できるかを確認します。
車椅子のアームレストまで上肢がリーチできるのかや、離臀の際にベッド手すりで立てるのか、L字柵に変えた方が立てるのか、ステップが行えるのかなどを介助しながら確認していきます。
軽介助での離臀から方向転換
軽介助レベルだと、逆に動作が性急になりやすいので、転倒、転落に注意しなければなりません。
改めて、車椅子の位置、管理物の位置を確認し、軽く、腋窩介助程度で動作を慎重に行うようにしましょう。
おわりに
車椅子が生活中心の方は、ベッドから車椅子への動作が行えることで、社会と繋がりが持てる可能性が広がります。
移乗動作がスムーズにできるようになれば、ベッド上だけでの生活は少しずつ減ってくるかと思います。
少しでも離床機会を増やすためにもポイントを押さえて離床動作の介助を行なってみてください。
最後までお読み頂き、ありがとうございまいした。