#22 私たちが考えるデイサービスの運営戦略について【中編】
ーPOINTー
1 デイは何をする場所なのか
2 デイ職員に必要な知識とスキルとは
前編の要約
運営戦略を考えるにあたっては、まずデイサービスが(本来)何をする場所かということを、介護保険制度におけるデイのポジションと機能をバシッと抑えた上で戦略を組むことが大事であるとお伝えしました。
2 デイ職員に必要な知識とスキルとは
職員の知識やスキルは1.全職種すべからく身につけるべきものと、2.特に職種ごとに能力発揮すべきものに分けられますが、ここでは2.について書きます。
考え方として、まずデイでは利用者さんの【心身機能の維持向上】【活動の維持向上】【社会参加の促進】へ働きかけるわけですが、職員はそれを以下の①〜④の手順で仕事します。
①アセスメント → ②計画書作成
↑ ↓
④モニタリング → ③実施
これをだいたい3ヶ月スパンでグルグル回して取り組んでいきます。この①〜④のどの場面で、どの職種の人が、どんな能力を発揮してもらいたいか、以下にまとめました。
①アセスメント・・・主に生活相談員が頑張る部分。現状把握やご家族の要望をヒアリングするだけでなく、他人に相談しにくいようなことや、声なき声にまで耳を傾けられるかどうか。いかに相手の立場に立てるかという意味でのコミュニケーション能力が必要。加えて、アセスメント結果をチームの多職種に伝達するという意味でのコミュニケーション能力もこれまた必要。良いアセスメントが良い計画書に繋がります。口腔機能に関するアセスメントは看護師(事業所によってはST)が力を発揮する部分になります。
②計画書作成・・・目標を達成に導く訓練内容を作る上では機能訓練指導員が頑張るところ。目標達成のためにはリハビリありきではなく、必要に応じて生活相談員や多職種も巻き込みながら環境調整やソーシャルワークの手段も考慮しつつ、達成までをとにかく最短距離で考えて作成することが重要です。
③実施・・・訓練で最も大切なことは、計画書で決めたことを決めた通りに実施するということです。それが出来ない時はその理由を記録しましょう。もう一点、利用者さんの様子や発言(特に目標に関係する発言)したことを記録すること。この部分は現場で利用者と直接関わる時間の多い介護福祉士の観察力、気付く力の発揮を期待したいです。この記録の充実度が次の④モニタリングや2周目の①アセスメントの質に直結するからです。
④モニタリング・・・ここは主に機能訓練指導員、口腔機能は看護師が頑張る部分。モニタリングで忘れてはいけない重要なことは、結果を利用者さん本人や場合によってはご家族にもフィードバックすること。そのための時間をちゃんと作ることです。その時に当たり前ですが、彼らにも理解できる言葉で表現したり説明できないといけません。医療の場で、しばしば医者と患者の情報の非対称性が問題視されますが、介護の場においても同様です。主役である利用者さんに理解頂くことが何より重要なことです。もう一つ、モニタリングの総括を文章で記録する時は、必ず事実、解釈、今後どうすべきか、の3段構成で作成するようにしましょう。
デイでの仕事は基本上記の①〜④の大きな流れの中で、多職種がいろんなポイントで関わりながらチームでやっていくことになります。管理者は、この流れの中で気付かぬうちに法令違反になっていないか、安全性が仕事の妨げになっていないかなどを日々チェックする機能も果たします。
最後に、上記①〜④それぞれの質を常に見直して向上させていくことが、そのまま職員の仕事のレベルアップを目指すことも意味しますし、良いデイサービスを作る上で極めて重要だと思っています。
ー続くー
#介護 #デイサービス #通所介護 #経営 #リハビリ #通所リハビリ #リハビックス
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?