血圧④拡張期血圧に何の意味があるのか?
代表的な血圧に収縮期血圧と拡張期血圧があります。
あまり有名でないところで言うと平均血圧と脈圧もあります。
場合によってはこれらの方が大事だったりもするんですが、基本的には収縮期血圧と拡張期血圧を用います。
拡張期血圧は収縮期に大血管が伸びて受け止めた血液を弾力性で流すことによる血圧でしたね?
これによって血液がとめどなく流れる定常流という状態を生み出せるのですが、他にも大事な役割があります。
拡張期血圧が低いことによる問題点は主に2つあります。
1つ目は冠血流の低下
2つ目は圧受容器反射の低下
です。
まず一つ目の冠血流の低下ですが、冠血流とは、心臓に血液を届けている冠動脈の血流のことです。
心臓だけではないのですが、重要な臓器というのはちょっと特殊な循環動態を持っていることがあります。
心臓の場合は冠循環と言います。
普通は、心臓が収縮したときに血液が全身に流れますよね。
でも、心臓は収縮しているので冠動脈には血流が流れにくい状態となります。
特に左室を栄養している左冠動脈です、右はある程度流れるんですが左冠動脈はほとんど流れません。
冠動脈は心臓の表面を走っているから、心臓が収縮している状態では冠動脈は圧迫されるため血液が流れにくいんです。
では、いつ血液が流れるのかというと、拡張期なんですね。
拡張期に冠動脈に血液が流れて心筋に栄養や酸素を届けているということです。
ということは、拡張期血圧が低いと心臓が虚血の状態になりやすいんですね。
普通はならないです、でも冠動脈に狭窄などがあり血流が悪くなっていると相対的に虚血状態に陥る可能性があります。
また、拡張期血圧が低い方というのは動脈硬化が強い方が多いです。
ということは、もちろん冠動脈も狭窄している可能性が高くなることがわかりますよね?
動脈硬化以外で拡張期血圧が低くなりやすいのは大動脈弁閉鎖不全症です。
心臓の収縮期に左室に逆流していくので拡張期の血圧を作り出すことが難しくなります。
次は圧受容器反射です。
圧受容器反射は大動脈弓、頸動脈洞にある圧受容器によって調整されています。
これは動脈硬化による影響ですが、血管が硬くなることによって圧受容器が圧を感知する能力が鈍くなってきます。
圧受容器反射が鈍くなると姿勢の変化による血圧変動などが生じやすくなるため、色々と不具合も生じてきます。
平たく言えば、重力の影響を受けやすくなるため生活に支障が生じやすいと言えます。
あまり必要性を感じない拡張期血圧ですが、意外に意味があったでしょう?
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