見出し画像

スポーツ障害との関連          運動連鎖とは・・・?

本日はスポーツ障害との関連がある運動連鎖についてお話します。はっきり言いますが、運動連鎖を理解するのは難しいです。。。

理由は、運動連鎖に関して、学生はもちろん、普段臨床で働いているセラピストでもしっかりと理解できていない人も多くいるからです。医療に携わる専門家でも理解に苦戦することを1回で理解するのは難しいです。細かく話すと難しい内容ばかりになってしまうのでなるべく簡単に説明します。参考程度になんとなくわかって頂けるとありがたいです。

ちなみに写真は、後輩です。顔出しNGなので黒くしています。。

では、本題に入ります。


運動連鎖とはなにか。

運動連鎖とは、その言葉通り、運動が連鎖していくことです。

そして、人の身体で起こる運動連鎖とは、

ある1つの関節運動に伴って、隣接する関節またはその他の関節においても、  相対的に関節運動が生じること

もっと簡単に表現すると、

1つの関節の動きに連動して、その他の関節にも運動が生じること

であると考えられます。

「?????」となった方も多いと思いますが、簡単に説明していきます。


まず運動連鎖を説明する前に「関節について」と「障害との関連」をお話します。

人間の身体というのは骨と骨を関節で繋がれています。関節が動くことで人間の身体に運動が起こります。

運動としては、屈曲(曲げる)・伸展(伸ばす)、外旋(外回し)・内旋(内回し)、外転(開く)・内転(閉じる)などがあります。細かく話すと外反・内反や側屈などもありますが、今回は割愛させていただきます。

そして、関節には肘のように屈曲・伸展のみしか動かない1軸性の関節や前後・側方への可動性を持つ2軸性関節、股関節のように屈曲・伸展、外転・内転、外旋・内旋といろいろな方向に動く多軸性関節があります。

基本的には、各関節において上記のような軸があり、その軸に当てはまる運動以外の運動が強制的に起こらないように、関節の周囲を靭帯や筋肉で関節を保護しています。

肘関節を例に挙げます。解剖学的には、1軸性の関節のため、屈曲と伸展の運動のみです。そのため肘が横に捻れないように、側方には内側側副靱帯・外側側副靭帯が付着しています。

皆さん、野球肘やゴルフ肘、テニス肘という言葉を聞いたことがありますか??

これらは肘に痛みが生じるスポーツ障害と呼ばれるものです。内側上顆炎や外側上顆炎という診断名がつくこともありますが、それぞれ肘の内側・外側に負担がかかり、痛みが生じます。原因としては、運動によって肘に対して捻れたり、側方が引き伸ばされたりするストレスがかかることが多くあります。

肘関節は、先述した屈曲・伸展以外の運動が生じないように内側側副靭帯や外側側副靭帯が付着していますが、それで耐えられる以上の負荷が関節や靭帯に生じ、繰り返して負荷をかけ続けることで野球肘やテニス肘などの障害が発生します。似たような外傷として、膝内側側副靭帯損傷を聞いたことがあると思います。これは膝に外側から強い外力が加わることで生じます。外側からの強い外力に加え、同時に膝が捻れると、最悪の場合、膝前十字靭帯損傷や半月板損傷を合併することがあります。このように靭帯だけでは関節を保護できないことも多くあるため、関節を保護する・スポーツ障害を予防するためには、筋力強化も必要となります。


簡単にまとめると、

・人間の身体は関節で繋がっている。
・それぞれの関節に運動軸があり、運動方向が決まっている。
・決められた運動方向以外の運動が生じて関節へ負荷がかかりすぎないように靭帯が付着している。
・決まった運動方向以外の運動負荷が関節に繰り返し生じることで痛みが生じる場合がある。

ということです。

ここまで、例を挙げて「関節について」と「スポーツ障害との関連」について簡単に説明しました。

ただ、今は肘関節・膝関節のように、「1つの関節に対して、負荷がかかりすぎると痛みが生じる」ということを説明しましたが、運動連鎖を考える場合は「複数の関節に対して、どのような運動が生じているか」を考える必要があります。

ではここからは「運動連鎖について」、「運動連鎖とストレス」、「運動連鎖とスポーツ障害との関連」についてお話していきます。


ここから先は

4,768字 / 3画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?