寝返り動作は頸部から始まる
寝返り動作は必ず体軸内回旋を伴う
寝返り動作って、意外にもバリエーションがあることに気づきました。
どのような目的で寝返りをするかで、身体の動き方が変わってきます。
バイメカニクス的には大きく
屈曲回旋パターン
伸展回旋パターン
に分けられるといわれています。
寝返り動作には、必ず体軸内回旋という動きがあります。
簡単に言うと、体の内部をねじるように動く、ということです。
かの有名なボバース理論においては、
「通常の寝返り動作と、異常な寝返り動作の違いは、体軸内回旋の有無である。」
とされています。
腹斜筋を使えば屈曲回旋パターンとなるし、背筋群を使えば伸展回旋パターン、という感じです。
例えば、赤ちゃんが最初に獲得する寝返りは、伸展回旋パターンです。
体幹機能の向上(分離が可能)に伴い、生後半年くらいになると屈曲回旋パターンをとり始めるようです。
ここから考えると、屈曲回旋パターンの方が制御が難しいことが予測されます。
寝返り動作が苦手な患者さんを観ていると、体軸内回旋が伴わない状態で無理矢理寝返るか、なんとか頑張って伸展回旋パターンで寝返るかのどちらかが多いですよね。
寝返りさえできれば、どの方法でも良いかと思います。
しかしですね、
起き上がり動作を考えた時には、屈曲回旋パターンができないと起き上がることはできません。
つまり、起き上がり動作までつなげることを目的とするならば、屈曲回旋パターンの習得が必須となります。
屈曲回旋パターンの5つのメカニズム
屈曲回旋パターンは、頭側→尾側へ回旋が波及していきます。
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