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【自分が楽=相手も楽】古武術から学ぶ立ち上がり介助のコツ ー理学療法・介護への活用方法ー
今回の記事は
古武術から得た立ち上がり介助のコツ
を紹介します。
はじめに
稽古では、
相手を立ち上がらせる際、棒を介すことで
・自分と相手の背骨(=体幹)が平行であること
を意識しやすくなる
・その意識を持つことで距離を保ちやすくなる
・後ろに下がる力のみで
楽に相手を立ち上がらせることができる
ということを習いました。
文だけでは分かりにくいと思うので写真を用いて
ザッと説明します。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80342176/picture_pc_6bb15b8402e6206871d595c4d0745475.png?width=1200)
自分の肩に力が入るのみで立ち上がらせることはできない
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80342379/picture_pc_d11b53fc58ea28f740e8221e299aa35a.png?width=1200)
後ろへ下がると楽に立ち上がらせることができる
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80342542/picture_pc_924168e3d41e59a0f11465fc1a4fa635.png?width=1200)
立てらせようとするも意識が未熟で
立ち上がらせることができない
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80342910/picture_pc_031d4128f0432118a301ad10ec74c251.png?width=1200)
意識しやすくなり後ろへ下がるだけで相手を立ち上がらせられる
今回の稽古内容を紐解く
上述の稽古内容より立ち上がり介助の際は、
自分の体は起こしておき、動作中も
相手との距離は遠ざからず一定に保つこと
が重要であると考えられます。
今記事の一枚目の写真をもう一度載せます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80343781/picture_pc_03e366f4eaea4c9cc2ebb9757f9b2b03.png?width=1200)
いかがでしょうか。
相手に対して体幹を平行に保つことができず、
お尻のみが引け、さらには体幹が前に残っています。
これでは自分の肩にかなりの力が入ってしまい、
相手も無理やり引っ張られるように感じてしまいます。
無理やり引っ張ることで、相手にも力が入ってしまい、より介助が困難となります。
立ち上がり介助に関する文献
理学療法士と養成校の学生とでは、
立ち上がり介助の際の対象との体幹の距離が
理学療法士において有意に少なかった。
その結果、対象の到達点はより高く、
完全な立位を取ることが可能であった。
理学療法学Supplement2002.2003;(0):799-799.
文献からも、
相手との距離が近いほど立ち上がりの介助が
容易になることが予測されます。
※何かよりエビデンスの高い文献が見つかれば
その都度編集します(2022年6月現在)
そのため、
お尻のみが引け立ち上がらそうとすることで
相手との距離が遠くなり
①相手を腕の力だけで立てらそうとする
②相手にも余計な力が入ってしまう
③介助が困難となる
④立つことができても不十分な立位となる
といった状況に陥ることになります。
このような方法でも介助は可能ですが、
無理な力が入っているため介助者自身の腰や肩を
痛めることに繋がってしまいます。
反対に、
体幹が平行になるよう意識し、距離を保つことで
相手との距離が近くなり
①後ろに下がるだけでお尻を浮かすことができる
②自身に余計な力が入っていないため相手も楽
③より完全に近い立位を取らせることができる
というように介助者、相手ともに楽に立ち上がることが可能となります。
まとめ
1番楽に距離を近づけることができるのは
両手で脇の下から支持し、介助を行うことです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80344172/picture_pc_4d09e2568c11b50077735b6395a9a6c2.png?width=1200)
片方の手は背中、一方の手は腰またはズボンを持ち介助する
実際のリハビリ・介護場面では、
手首のみを持ち介助することはありません。
しかし、
両脇の下から介助を行う場合でも上半身が残り、
お尻のみが引けてしまっているような方が
少なからずいると思います。
そこで、今回記事で挙げたよう
・体幹が平行になるよう意識する
・近づき動作中も遠ざからず距離を保つ
これらの意識を持つことで力まず介助ができ、
何より相手が楽と感じ、立つことができます。
意識がしにくい場合、今記事二枚目の写真のよう
実際に棒を持たせ介助することもオススメします。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80344330/picture_pc_5f1479892fcca11f9f9d586b5ce53d3e.png?width=1200)
介護をする際、1番大切なことは
介護者自身のカラダを負担から守ることです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80341606/picture_pc_d02d26afdf69fc011914495eebe1cc9f.png?width=1200)
一つの工夫・コツで負担は予防できます。
今回の記事が医療関係者や介護者の方の
カラダへの負担の軽減につながれば嬉しいです。
今回は以上になります🙌🏻
記事を読んでいただきありがとうございました。
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