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〈前編〉古武術から学ぶカラダの動かし方 ー理学療法的観点を用いてー 〜姿勢・重心編〜
リハの湯です♨️
今回がnote初投稿になります。
初回ということで各単語の説明を含むことから 文字数が多くなったため前編・後編に分けています。
リラックスして読んでいただけたら幸いです(^^)
はじめに
最近、古武術を習い始めました。
昔は10年ほど空手を習っていたのですが現在は 辞めており、社会人になってからは特に運動不足を痛感していました。
しかし、
何か運動を始めないとな。
でも、空手は痛いしな。などとウダウダ考え
なかなか行動に移せていませんでした。
そこで、
空手の指導者である父に相談をしたところ
古武術を勧められました。
その際、父より
「一年ほど習ったが何故そうなるのか理解できないことが沢山あった。」
「理学療法を使って古武術を解説して欲しい。」と言葉を受け、単純な私は
「やったろうやないかい🔥」と
火がつきました。笑
理学療法士として動作観察・分析は本分であり、専売特許です。
その専門性を活かし、古武術を理学療法的な観点より紐解いていきたいと思います。
この記事は無料で、前・後編に分かれています。
前編にて古武術の受講内容の一部を紹介し、
後編にてその内容について理学療法的に考えていきます。
理学療法士の方はもちろん、空手や柔道、剣道など武道をしている方にも是非おすすめします。
今回は、姿勢・重心について考えていきます。
現代の日本人の姿勢への認識
「気をつけ」の姿勢
『綺麗だと思う姿勢を取って下さい』
言われるがまま、私は「気をつけ」の姿勢を取ると先生は指先で私の胸を押しました。
すると、
私のカラダは後ろへとバランスを崩しました。
先生曰く、
胸を張るように「気をつけ」する
骨盤が前傾、横隔膜が収縮
体内の臓器や摂取・排泄物の位置が変化
カラダではこの様な変化が生じており、
これが重心にとって命取りになるといいます。
例えば、
絶妙なバランスで成り立っているモノでも
数mmのズレでバランスが崩れ、倒れることを 経験した人は少なくないと思います。
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倒れてしまったた人も多いのでは?
同様のことがカラダで起こっており、 「気をつけ」の姿勢ではバランスを崩しやすくなっていると説明されていました。
今の人に綺麗な姿勢を取ってと言うと
ほとんどの人が胸を張り、手がカラダの後ろに
位置する「気をつけ」の姿勢を取ることが多い
この姿勢が現代人にとって良い姿勢とされている
丹田の前で手を組む姿勢
『「気をつけ」の姿勢から
手を丹田の前に持ってきて下さい』
次に、その姿勢を取ると先程と比べ、
指先で押されるくらいではバランスを後ろに崩すことなく、全く動揺せずにカラダを保てるようになりました。
丹田とは、
道教の用語でありエネルギーの中心となる場所
解剖学的には、
臍部より4横指下方に位置・身体重心位置に相当
また、丹田の前に手を置くことで
自然と、軽く、膝が曲がることを実感しました。
これは、武道を経験している人は理解しやすいと思いますが、そうなることで脚からの力が伝わりやすくなるそうです。
そう言えば、
パンチを打つときは棒立ちでは打ちませんし、
薪割りをするときなども膝は曲がっていますね…
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薪割りのときには膝が曲がっていました
刀を振るときも曲がってました
このように、
昔の日本人は田を耕したり、作物を育てたりなどカラダ全体へ力が伝わるよう膝を曲げて作業をすることが多くありました。
しかし、
西洋文化の流入、
特に軍隊を形成するために西洋式の操練法を取り入れたことより「気をつけ」の姿勢が定着し、現代人にとって良い姿勢とされる膝が伸びきった姿勢を形成したと考えられます。
1867年、田邉良輔がフランスの歩兵隊練法の書を和訳した際、第一部第一教において、「直レ」「休メ」「気ヲ=着ケ」の号令を示している
教育医学.2006;52(2):101-118.
そういった歴史背景の結果、日本人にとっては バランスの悪い姿勢が現代では良い姿勢とされてしまっていると今回の受講にて学びました。
後編の記事では「気をつけ」の姿勢では、
なぜ、後方へのバランスの崩れが生じたのかを
システム理論を用いて理学療法的な観点より紐解いています。
システム理論
・バランス制御機構が機能単位(システム)より
構成されていると考える
・重心や圧中心、モーメントなど様々な要因の
相互作用より運動が生じるという運動制御理論
続きが気になる人、なんとなく感覚でわかるけど、なんでそうなるのか仕組みが知りたい!と 感じる人は是非、後編の記事を読んでみて下さい。
後編の記事も無料で読めますので興味のある方はよろしくお願いします🥋