腋窩陥凹-解剖・評価・拘縮予防の考え方
おはようございます。桑原です。
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今日は腋窩陥凹についてまとめていきたいと思います。
この記事はこんな方にオススメです。
それではスタートです!
1)腋窩陥凹の機能解剖
腋窩陥凹は前下関節上腕靭帯と後下関節上腕靭帯とその間にある腋窩嚢で構成される部分を指します。
機能ですが、文献や書籍などでもよくハンモックの様な機能と表現されます。
肩関節の挙上時には骨頭は通常下方に滑ります。この下方への滑りを腋窩陥凹のたわみがあることによって骨頭を許容します。
そしてこの部分は炎症後に拘縮が起こりやすい部分でもあります。拘縮が起こると骨頭の下方への滑りが制限され骨頭上方偏位や肩峰下疼痛症候群(SAPS)の原因になったりします。
また、伸長肢位も評価する際にとても重要です。
腋窩陥凹→外転45°
前下関節上腕靭帯→2nd外旋
後下関節上腕靭帯→2nd内旋
これは骨頭の関節面がどちらを向くかを考えるとイメージし易いです。
2nd外旋では骨頭が前下方を向くため前下関節上腕靭帯が緊張します。
2nd内旋では骨頭が後下方を向くため後下関節上腕靭帯が緊張します。
機能解剖の基礎はこんな感じです。
2)腋窩陥凹の拘縮予防の考え方
機能解剖についてまとめてきましたが、問題はこの部分の拘縮をいかにして予防するかです。
この腋窩陥凹(下方関節包)に付着する筋でよく文献で取り上げられるものが二つあります。
上腕三頭筋長頭
小円筋
この二つです。
一応引用も載せます↓
なので、炎症期に疼痛の無い範囲でこれらの筋の収縮をいれることが拘縮予防の上で重要とされています。
介入についてはまた別の記事で詳しく載せます。
それでは〜
参考文献
1)林 典雄,立木敏和.理学療法学.1996;第23巻8号.522〜527.
2)Nasu H, Baramee P, Kampan N, Nimura A, Akita K. An anatomic study on the origin of the long head of the triceps brachii. JSES Open Access. 2019 Mar 15;3(1):5-11. doi: 10.1016/j.jses.2019.01.001. PMID: 30976729; PMCID: PMC6443837.