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【2024秋アニメ初動版】67万サンプルの視聴データで対談:転生したがっているのは誰?見えてきた特徴的な視聴実態とは?
アニメ対談第2弾は、2024秋アニメ 初動版
おかげさまで前回の 2024夏アニメ 中間版データを用いた対談を定期的にやって欲しいという声をいただいたので、今後は新クールが始まって最速で集計した初動版と、各クールの番組が終わって結果が揃った最終版の都合2回ずつ、アニメ視聴データの集計結果を用いて、人気番組や、特徴のある番組をご紹介できたらと考えています。(続かなかったらごめんなさい。応援よろしくお願いします)
前回:2024夏アニメ中間期 前編・後編
2024秋アニメ 初動版ですが、放送開始に3週間くらいの幅があり、後ろに合わせると開始2ヶ月後くらいの記事公開となるので、初動版については割切り、2週目開始作品までを対象に、最低限2話まで放送があった作品+録画再生1週として集計してみました。結果的に『青のミブロ』『デリコズ・ナーサリー』(第2クール) が3週目スタート (11月スタートの番組も) なので含まれていません。また、平均点が下がって不利になるので、冒頭や途中での特番回を除外することにしました。
約66万台の視聴データ (東京都、神奈川県、埼玉県) での集計です。データの出典や範囲について詳しくは以下をご覧ください。
★秋クールのアニメを見た感想からスタート
![](https://assets.st-note.com/img/1731911740-rPjMze6TaQxdEZntG2Jyv0pc.jpg?width=1200)
片岡
『ダンダダン』はどうですか?
吉田
『ダンダダン』はやっぱりアニメ制作会社の「サイエンスSARU」と組んだのが大正解です。
監督はすごく優秀で演出力が高いですよね。
片岡
まさに、「サイエンスSARU」らしいぐにょぐにょした動きがすごいですよね。
吉田
「サイエンスSARU」と原作の相性がめちゃくちゃ良かった。
片岡
『ダンダダン』は期待通りで、放送前に書いたおすすめブログで2位にしてました。そして『チ。 ―地球の運動について―』を1位に。あと、見ててキュンキュンする『アオのハコ』は3位にしてました。
吉田
僕も『アオのハコ』は1話を見て「なるほど」って思いました。
片岡
その人がどこ目線で見ているかで感想が違いそうな作品ですね。 そんな『アオのハコ』ですが実は女性にウケてます。あとでグラフを見ていきましょう。
吉田
なるほど!
★全体ランキング(2024秋アニメ速報値)を眺めて、気になる作品を深堀りしてみる
![](https://assets.st-note.com/img/1731909956-A3QOxg9V7zIUYseodXNfljZh.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1731909970-WrzRYk1x0nsw4NKhv3im2aDu.png?width=1200)
片岡
気になる作品は全体ランキングから、ピックアップしていきますかね。
吉田
意外に『トリリオンゲーム』はランキング上位に行かなかった (74作品中 40位) ですね。
片岡
そうですね。『トリリオンゲーム』は面白いですが、アニメの絵柄は見る側のお客さんを選びますよね。ストーリーは面白いですよ。 私も3話まで見ましたけど、これは面白い。ただノリがちょっと昭和感があります。
吉田
漫画の絵がすごいですからね。池上遼一さんの絵をアニメ化するとは、今まで歴史上誰も思ってないんじゃないかな。
片岡
実は、池上遼一さんの漫画『男組』が大好きで少年サンデーの連載で読んでました。あれに憧れました。
吉田
池上遼一さんの絵は、マンガとして素晴らしいですが線が多すぎてアニメにするのは難しいかもしれないですね。
片岡
9位の『チ。 ―地球の運動について―』は重厚な面白さですよね。6位の『夏目友人帳 漆』は安定した出来ですばらしく、8位の『MFゴースト』は次が気になって仕方ないし車の動きやカメラが最高という意味で超面白い。
『チ。 ―地球の運動について―』は話の内容もアニメの出来もレベルが違うので、幅広い客層にウケています。若い人も「なんかすげえ」とネットを見ると書かれていて、すごさが伝わってるんで、幅広い層に浸透しています。
「アオのハコ」はネット民に人気がありますが、13位と上位につけています。
★若者に加え、実は女性全体でも人気のある『アオのハコ』性・年代グラフで見てみる
![](https://assets.st-note.com/img/1731907212-n31ULtlpBNkIoWSbgHhEKrXs.png?width=1200)
(上記は、T, M1-M3, F1-F3 の年代の定義も含んでます)
片岡
ご覧のように『アオのハコ』はメインターゲットであるティーンで2位。中高生にキュンキュンきてますね。M1、F1 で7位に加えて、女性全般 (右側3列) にもウケていることに注目ですね。週刊少年ジャンプ連載ですし、若い男性に強いのは当然ですが、意外に男性の年配層の感度は落ちるじゃないですか。でも女性のほうは落ちてないんですよ。
この作品は、女の子の見た目だけでなく、むしろ表情や性格的な可愛さ、男の子の前向きで誠実でいいやつぶりに、女性陣もキュンキュンしたのかもしれません。メインヒロイン2人の仕草やちょっとした表情、男の子2人のちょっとした気遣い、みたいに、お互いが気遣い合っている温かさだとか、家族の思いだったりで見てて心地よくなる部分と、二人は付き合えるんだろうかってドキドキする青春ドラマと、インターハイに行けるのか?というスポーツドラマなど、いろんな要素がすごく素直に進み、絵がめっちゃ綺麗、とくに止めカットがいいというのが魅力ですね。
望月
『アオのハコ』はグラフの男性のランキングが下がっている部分がもっと上がっていれば、ランキングが上ってましたね。
片岡
そうなんですよ。年配寄りの男性にはなぜか『アオのハコ』のキュンキュン要素が刺さってない感じですね。
吉田
逆にM3層に刺さっているアニメ作品は何なんでしょうかね?
片岡
では、M3層のみの総合順位を見て見てみましょう。
実は、M3層は異世界大好き?
![](https://assets.st-note.com/img/1731910134-HFgrLuBpI4jQ2Zzs8JVo3GEK.png?width=1200)
片岡
『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる (第2期)』が1位です。
吉田
そこ??(特徴のあるグラフを見て思わず)
片岡
2位『MFゴースト 2nd Season』はその前身の『頭文字D』の世代という意味でもわかるとして、3位『パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』、6位『ひとりぼっちの異世界攻略』、7位『嘆きの亡霊は引退したい』、8位『ありふれた職業で世界最強 3rd season』、9位『さようなら竜生、こんにちは人生』、10位『最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える』と異世界ものがやたら多いですね。4位や5位もある意味、異世界ですし、2位以外は異世界が舞台。
では、『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる (第2期)』の性・年代バランスグラフを見てみましょう。
『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる (第2期)』は M3 で一番人気
![](https://assets.st-note.com/img/1731910152-qPp7NynKg3hBSwLJ98YeRGf2.png?width=1200)
吉田
全体でもランキングが高いですね。
片岡
全体で3位ですね。M3で1位、M2でも2位、F3も2位で、F2は5位と。この作品は男女ともに上の年齢ほど人気です。
望月
M3層は転生したいんですかね?
吉田
むしろ転生願望はM3層にあるというか。
片岡
転生願望はあるかもしれないですね。もともと異世界転生もの流行の背景の1つとして、高校生が主人公の学校を舞台にしたラノベや漫画やアニメの中で、M3層はいまさら高校生のときめきはないので、M3層がときめくものとして上手くハマったという話があります。異世界転生で現世の辛いものがなくなってやり直せるって文脈で、『無職転生』などが刺さった。異世界なら共感しやすいという解釈ですね。
望月
それにしてもこのグラフは面白いですね。ティーンのランキングはこれだと下 (全部の層の中で一番低い12位) ですもんね。
吉田
若干ですけどね。
片岡
年齢が下がるほど順位は下がってるんですよね。
吉田
F3もランクは高いですもんね。
片岡
女性も同じ傾向ですね。そこは面白いですね。他の転生作品はどうなんですかね。
『やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中』も年配が高く若者が低め
![](https://assets.st-note.com/img/1731910245-GnQ3b4xD0w69Ouceg5AR87ks.png?width=1200)
片岡
『やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中』は、『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』と同じ作者のなろう系ですが、どちらかと言うと恋愛寄りで、女性支持が高めですね。アニメのテンポもよく、怖いはずの竜帝陛下が時々しおらしく、スイーツ作り好きのギャップ萌えやギャグ要素もあって、これは誰にでも面白い類の作品だと思います。
望月
でもグラフの傾向はほかの転生モノ作品と一緒ですよね。
片岡
はい。男女共に年配ほど高く、若者が谷になっている形としては同じですね。先の作品より、女性側が高めという感じですね。
『ドラゴンボールDAIMA』は若手が1位2位で他も高い
![](https://assets.st-note.com/img/1731910259-pjvUrT80XZ4MCfN6GDhmPztR.png?width=1200)
望月
(まだランキングをみる前の会話)『ドラゴンボールDAIMA』は (年代的に考えると)M3 がランキングが高くなるんですかね?
片岡
M3 は4位と人気ではありますが、むしろ M3 より若い人 (ティーン、M1、M2) が1位で、F1 が2位ですね。これは別格の人気がありますね。話数がまだ2話しかない集計なので高めに出る初回ともう1話なので少し有利ですが。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』は男性高く、女性低め
![](https://assets.st-note.com/img/1731910273-Hxajf8s2oymqPADiEg9dTQMn.png?width=1200)
片岡
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』はハーレムっぽいから女性が低い。男性が圧倒的で、しかも M3 より若い M2 と M1 が強めですよね。ティーンは低いですね。『ダンダダン』はどうでしょうか。
『ダンダダン』は M1 と F1 や F2 人気で若い女性に強い
![](https://assets.st-note.com/img/1731910292-NrpUI1Jy7u9XBHAkbGocPOta.png?width=1200)
片岡
これは意外に女性とか若い人に人気ですよね。
吉田
これも学校感があるから、ちょっと M3 には刺さってないですね。
片岡
そうですね。学校モノだから M1 が4位と1番強くて、F1・F2 が6位と女性にも人気です。ティーンも9位なので若い人向けの作品と言えますね。いま連載していることも要因ではありますよね。次は『ひとりぼっちの異世界攻略』を見てみましょう。
『ひとりぼっちの異世界攻略』は M3 強く男性高め、ティーンが反応
![](https://assets.st-note.com/img/1731910311-Y4ATJzXWuU8hoLt9V5qIf7cj.png?width=1200)
片岡
これはクラス全員が異世界に転移して、異世界で生き延びる話です。
吉田
『漂流教室』みたいな感じですか?
片岡
そうですね。懐かしい (笑)
望月
これは異世界ものですけど、クラス全員が転移しているからかちょっとティーンの人気が高い。
片岡
そうですね。高校のクラス全員が揃った学校モノっぽいところがある。M3 にもウケてるけど、ティーンにも受けていますね。
吉田
なるほど。
望月
クラスごと転生する作品だと、M3 もティーンも取れる。
片岡
ということも言えますね。
吉田
学校モノで言うと『らんま1/2』はどうなんですか?
『らんま1/2』は F1 と F2 に大人気で、M3 は低め
![](https://assets.st-note.com/img/1731910332-vBqpNbAtyWgDac0E4GwIsjhX.png?width=1200)
吉田
なんと意外に M3 (50歳以上) が見てないんですか。F1 が1番見てる!
片岡
先のアニメ化は 1989年頃で、当時 20歳だと今 55歳くらいだから M3 の人たちですね。
とある M3 の方が言うには、「俺は前 (1989年版) の方が好きだ」って人もいました。
吉田
そういうことがグラフに出ちゃうんでしょうね。
片岡
当時『らんま1/2』は見てたので、もう1回リメイク見てる余裕もないし、合わないと思うのもなんなので、ちらっとリメイクは見たけど、やっぱり以前の『らんま1/2』が好きだわと。
吉田
ストーリーも同じですもんね。
片岡
もしかしたら M3 は「もう知ってるからいいよ」説がありえますね。
望月
え、じゃあ『るろうに剣心−明治剣客浪漫譚−』も同じですか?
『るろうに剣心 −明治剣客浪漫譚− 京都動乱』は M2 と F2
![](https://assets.st-note.com/img/1731910348-GQswmVM9RzC2nceiO6pZuafq.png?width=1200)
望月 吉田
ああ、そうなんだ。なるほどね。
望月
M3 は伸びない。
片岡
M2、次いで F2。他もそこそこの位置にいて平均点は高い。以前のアニメ化は 1996~1998年だから M2 (35~49歳) は当時20歳だと今48歳くらい。こちらは丁度一致していますね。
望月
グラフにすると見えますね。
片岡
やっぱり剣士だからね。かっこいいから男の人の方が憧れるんだろうね。
『精霊幻想記2』はティーン、M3 と M2 と F2
![](https://assets.st-note.com/img/1731910364-oiTqtxeDm9b0gRpGZM8Hw5aN.png?width=1200)
片岡
次は『精霊幻想記2』はティーンが強いですね。
吉田
だけど一気に F1 でランキングが下がるんですね。
片岡
これはハーレムものなんです。だからハーレム感が増すと女性のランキングが落ちますよね。青年はイケメンで紳士ないい奴なんですけど男1人と女の子が7、8人になってくるところで男性寄り。
望月
M3 のやり直し系にしっかりと影響が出ているのが面白いですね。
吉田
M3 が異世界転生モノを見てるのは何にせよ面白いですね。
『君は冥土様。』は F3 トップ、M3 次点、他もそこそこ
![](https://assets.st-note.com/img/1731910380-nuEXvflrew0HKQPmscMLh2Yt.png?width=1200)
片岡
そして男性向け作品かな? という『君は冥土様。』。ところが、なんと F3 が一番なんですね。女性の順位が高く 13位です。メイドが可愛い、尊いと言われているからなんでしょうか? ラブコメ要素が高いと女性人気が上がるというのも要因かもしれません。意外にティーンがダメで男女ともに年配層ウケしてますね。
『結婚するって、本当ですか』はティーンを筆頭に見るべき人が見てる感じ
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片岡
そして『結婚するって、本当ですか』は社会人の恋愛モノですね。旅行会社に勤める若き寡黙な男女がとある理由で結婚することを会社で公表するけど、実は偽装。そもそも恋人もいないし1人で楽しく生きてますという人たち。データではティーンが1番で他もそこそこ。見るべき人たちがちゃんと全年代見ている良作という感じ。実は僕はこの作品が大好きです。
実は好きというと『魔王2099』と『合コンに行ったら女がいなかった話』もおすすめです。後者は家族で楽しく見てます
『魔王2099』は『ブレードランナー』的SF世界と魔法の融合
![](https://assets.st-note.com/img/1731910414-PaBDtUobjwFG5mJ4LvEpKO0S.png?width=1200)
吉田
やっぱり M3 ですね。
片岡
典型的な異世界パターンですね。男女共に年齢が高いほど強くて若いほど落ちる。
この作品は転生した魔王が未来都市で YouTuber をやるって話ですね。サイバーパンク世界の映像が美しいし、SF好きとしては『ブレードランナー』的な世界観と、科学と魔法が融合していてクォリティも良い感じです。自分が M3 だからグラフの通りですね。
あと他に気になる作品はよっぴーさんありますか?
吉田
ウケてる、ウケてないは置いておいて、個人的に『きのこいぬ』が気になってます。
『きのこいぬ』は2話以降どんどん可愛くなる
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吉田
全年代で低いですね。
片岡
F1 が一番高くて男性よりは女性が高めではありますが、総じて厳しいですねぇ。1話目がシュールなんですが、2話目以降どんどん可愛くなってくるんですよ。可愛いキャラ好きにはハマると思うのですが、1話目でそういう人たちが可愛いを認知する前に落ちてしまったのでは? という印象です。
ではここで、いくつかファン層のグラフを見てみましょう。
★『アオのハコ』のファン層を見た
![](https://assets.st-note.com/img/1731910449-fYqhoL2MlaUtC3cPDv7SNROB.png?width=1200)
片岡
『アオのハコ』ファン層の中で『ダンダダン』が右にいて 40%超えの人に見られています。また『アオのハコ』視聴者の中で上方向に 2.7倍もリフト (アニメ視聴者全体より2.7倍多く見られている) してます。『ダンダダン』のグラフの方でも『アオのハコ』が同じ位置にあって同様にリフトしているので、相思相愛パターン (上記の、グラフの見方参照) ですね。これは放送日時が連続枠という要因もありますが、時間が続いていても TOKYO MX のように見ないものは見ないので、編成的に同じ視聴者に当てたいという意図が成功していると言えます。
吉田
あとはジャンプ (週刊少年ジャンプとジャンプ+) ですね。
片岡
そうですね。あと『ブルーロック』も全体より 1.5 倍リフトしてます。
吉田
こちらも少年漫画だからですね。
片岡
『トリリオンゲーム』はリフト 2.1倍。『甘神さんちの縁結び』はリフト 2.8倍で、これは京大を目指す学生が巫女さん姉妹と一緒に暮らす話ですね。若干ハーレム要素もあります。若者が好きそうです。
『甘神さんちの縁結び』も性・年代バランスグラフで確認すると、やっぱり M1 とティーンで若い人に強いですね。次は F3 で京都の神社が舞台とかイケメン受験生に反応でしょうか?
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『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる (第2期)』のファン層を見た
![](https://assets.st-note.com/img/1731910571-cIMvsSikKJ3FOCQfBagRpV1L.png?width=1200)
片岡
次は『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる (第2期)』のファン層を見てみましょうか。
『パーティーから追放されたその治癒師実は最強につき』が4人に1人見てますね。『パーティーから追放された...』の同グラフでも単独でリフトが約3倍の同じ位置にいるので、これは相思相愛パターンと言えます。 あとは異世界祭りですね。このあたりの作品群は多くの方が共通で見ていることになります。
片岡
一方で女性向け漫画原作の『星降る王国のニナ』を選ぶと大分作品が入れ替わりますね。
『星降る王国のニナ』のファン層を見た
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吉田
なるほど。
片岡
『やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中』は異世界でも女性向けになりますし、『来世は他人がいい』も女性に人気 (F1、F2、F3 でいずれも8位前後で男性は低い) のヤクザの家系のラブコメ作品ですから、明らかにここは女性ウケ作品群って感じです。『歴史に残る悪女になるぞ』も女性活躍の異世界もの、『鴨乃橋ロンの禁断推理 2nd Season』や『夏目友人帳 漆』も女性人気作品です。
『村井の恋』のファン層を見た
![](https://assets.st-note.com/img/1731910604-O6SqETLsVwHuGn2Ry4k5x7WA.png?width=1200)
片岡
『来世は他人がいい』と『合コンに行ったら女がいなかった話』と『結婚するって、本当ですか』はいずれもリフトが約5倍とかなり高いですよ。
吉田
女性に人気の作品の繋がりですね。
片岡
ですね。なので1つ前に見た『来世は他人がいい』と、BL要素ありつつ実は男女の男性にも楽しいラブコメな『合コンに行ったら女がいなかった話』、恋愛ドラマな『結婚するって、本当ですか』も含め、ここでも女性ウケ作品群が揃っている印象です。
『妻、小学生になる。』を含め、いずれも人間ドラマっぽいところが強く、『村井の恋』は女性ウケ作品群のうち4つが綺麗に約5倍リフトしている作品が並んでいて特徴的です。
★総括:異世界転生・転移モノは実は M3層、ティーンは学校要素
吉田
これはデータの準備が大変ですよね。今日の発見は「異世界転生・転移モノは実はM3層が見ている」と。これは知らない情報だし、ビックデータじゃないとわからない。
片岡
女性向け異世界転生・転移モノと男性向け異世界転生・転移モノでちゃんとそれぞれの作品グループが出来ていましたね。いずれもティーンや若者が低く、男女ともに年配ほど高め傾向という (性・年代バランスのグラフの) 形がほとんど共通してました。
望月
まだ現実で楽しいだろうティーン層は転生したがらないけど、M3層は人生もいろいろあって転生したがってるみたいな感じが見えませんかね。
片岡
まさにそんな感じですね。異世界転生・転移モノの中でも、クラス全体が転移とか、学校要素が強い時はティーンや M1 などが上がる、というのも目立ちました。学校要素が特にティーンには大事ということですね。
吉田
異世界転生・転移モノは絵作りのバリエーションが少ないのかなって見てて思いました。ストーリーが面白いのは作れてるんだと思うんですが、それを一目でこの作品だとわかるところまで持っていけた作品は勝てる。
片岡
おかげさまで、いろいろな気づきがありました。本日は、どうもありがとうございました。今回は秋アニメの2話や3話までの集計なので、クールが終わってからの集計ではまた作品の順位なども入れか変わってくるかと思いますが、この対談記事で興味を持った作品があったら、是非見ていただきたいですね。
★対談まとめ:注目作品と気づき
◆注目作品
『ダンダダン』『チ。 ―地球の運動について―』『アオのハコ』の出来の良さに注目 (新作のみランキングで、それぞれ1位、2位、4位)
『夏目友人帳 漆』は安定した出来 (人気シリーズランキングで5位)
『MFゴースト』動きが凄く、超面白い (人気シリーズランキングで7位)
『魔王2099』 魔法と科学が融合したサイバーパンクな未来都市が美しい (新作のみランキングで14位)
『合コンに行ったら女がいなかった話』『結婚するって、本当ですか』(新作のみランキングで20位と19位)
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![](https://assets.st-note.com/img/1731910678-StdCXgKfFuDbnPBxZaN34w1l.png?width=1200)
◆気づき
異世界転生・転移好きなのは M3層が筆頭で若者は低い
(M3 のベスト10は『MFゴースト』以外異世界が舞台の作品)F3 が好きな異世界系は女性主人公の時が多い
ティーンが好きなのは『ダンダダン』など学校要素の強いもの
ティーンは、異世界系でもクラス全体など学校要素で上がる
男性向けハーレム要素が強いと女性全般は下がる
ラブコメ要素が高いのは女性が上がる
プロフィール
吉田尚記
ニッポン放送アナウンサー
1975年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。ニッポン放送アナウンサー。ラジオ番組でのパーソナリティのほか、テレビ番組やイベントでの司会進行など幅広く活躍。また漫画、アニメ、アイドル、デジタル関係に精通し、「マンガ大賞」発起人となるなど、アナウンサーの枠にとらわれず活動を続けている。2012年に第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞受賞。著書に『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)、『元コミュ障アナウンサーが考案した 会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書』(アスコム)など。最近東京大学大学院に合格。2025年度から大学院生にもなる。
片岡秀夫
TVS REGZA 株式会社 クラウド事業センター フェロー
1963年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修卒業。東芝でビデオデッキ ARENA の広告を担当。東芝初の Web 立上げ。DVD規格普及のため、規格紹介 Web 、特典コンテンツを売りにできるオーサリングツール「Scenarist2」(ダイキン工業) 開発支援・デモディスク開発・制作受注開発・各媒体社への啓蒙、1998年から世界初 HDD&DVDレコーダー RDシリーズの企画・開発・プロモを担当。スマホアプリでシーン共有タグリストサービス (2010 年)、レグザのクラウドサービス「みるコレ」(2012年〜) 立上げ (アニメのキュレーションも担当)、2014年頃から視聴データ分析サービス立ち上げでビジネスを軌道に乗せ、現在に至る。
アニメ映画と音楽ライブの感想や紹介、アニメ改変期の特番放送リストなどを書いています。