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塗り替えられないからこそいい🤍🖤

本屋に行く人なら確実に目にしたことのある小説『コーヒーが冷めないうちに』☕️

元々は、2010年に脚本家兼演出家の川口俊和さんが、演劇ワークショップの生徒さん達のために書き下ろした作品🙂
2011年、萬劇場での再演で偶然観劇していた編集者の目に留まり、2015年に小説として出版された📕
2017年に本屋大賞にノミネートされ、2018年には有村架純さん主演で映画化もされた📽️
海外で45言語に翻訳され驚くほど世界に広がっていき、ハリウッド映画化も決定している🥳

現在ハリウッドスタジオとの契約により、この作品は日本語で川口俊和さんの演出でのみ上演が許可されているそうだ✨

配信もないので、この舞台を観ることができて非常に嬉しい🙌

これでもか!というくらい地下深くにある劇場だ💦
入り口から階段までお花の香りが充満していて、観る前から優しい気持ちになれた💐

「コーヒーが冷めないうちに」は、ある席に座ると自分が望む時間に戻れるという不思議な喫茶店•フニクリフニクラで起こる、4つの奇跡を描いたヒューマンドラマだ🌟
ただし過去に戻るためには、非常にめんどくさいルールがある⚡️

•その席には先客が座っている。その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
•席を立って移動したりできない
•過去に戻ってもこの喫茶店を訪れたことのない人には会うことはできない
•制限時間は、コーヒーをカップに注いでからそのコーヒーが冷め切ってしまうまでの間だけ
•何をしても過去は変えることはできない

第一話「恋人」
第二話「夫婦」
第三話「姉妹」
第四話「親子」

小説を初めて読んだ時、「なんて切なく優しいお話なんだろう」と心が温まったと同時に、「タイムスリップしても過去を変えられないなら、私はわざわざその席に座らないかも…」とも思った🌀
でももし簡単に過去を変えられるお話だとしたら、ここまで空前のベストセラーになっていただろうか❓🙄

第一話から第四話まで、前から横から後ろからすすり泣く声が聞こえてきた😳
女性の方が涙腺は緩い傾向にあるけれど、斜め前に座っていたおじさまもハンカチを取り出して涙を拭っていた。
この作品を選ぶ人で、「コーヒーが冷めないうちに」を見たことも聞いたこともないです!という人は、おそらくそんなにいないだろう🤔
何度読んでも観ても思わず涙が溢れてしまう…この戯曲の威力を肌で感じた🔥

座っていた観客の全員が、現状に満足してハッピー🫶…というわけではないだろう。
言葉が足りないことで誤解やすれ違いを生み、その溝をどうにか埋めたい!現状を変えたい!…人それぞれ程度の差はあれ、おそらく一つくらい何かを抱えているだろう。

このお話は、「変わるのは過去ではなく心。過去は変えられなくても、心が変われば現実は変わってくる」と強く訴えかけている。
いくら歴史だけを塗り替えても本人の心が変わらなければ、また同じ過ちを繰り返すだろう。

望んだ時間に戻っても、過去は変えられないことが前提のヒューマンドラマだからこそ素敵だ🥹
ファンタジーすぎないところが、多くの人の心にリアルに響くのかもしれない…🌋

後悔のない人生なんてないような気がするけれど、なるべく後悔しないように大切な人に自分の想いをしっかり伝えなければいけない❤️‍🔥
そんなの当たり前じゃん!と思うことを実際に行動に移せない人は、意外と多いような気もする🥲

7年越しにこのお話に触れて、リアルに大切なことに気付かされた。
きっと少しずつ自分の心が変わっているから、あの時とは違う視点で素敵なお話だとしっかりと思えたのだろう…🫠


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