風化🌪️

Amara

2024年9月27日 19:48

📽️K's cinema📽️

新宿昭和館の跡地にできたビルの3階にある、84席のミニシアター🎥
小さいながらも落ち着くロビー🥹（沢山人がいたので全体を撮るのは難しかった💦）

『心平、』🚲

順次公開される予定だが、新宿では今日がラスト上映日だった💨

平穏な日常を突然奪った東日本大震災…🌊
地震と津波だけでなく、原発事故により多くの人が家や仕事を失い、福島の地を去っていった。

2014年夏☀️
まるで世の中から置き去りにされたような町…。
社会に馴染めない軽度知的障害をもつ心平と、心平の未来を諦めた父・一平、家に縛られる妹・いちご…深い傷跡の残る地で、機能不全に陥る家族の葛藤を描いた物語。

全編を福島県全土で撮影📹
浜通りだけではなく、内陸から海岸沿いまで…。
空っぽの家、雑草だらけの田んぼ、荒れた畑、小さな天文台…全て現地の人の協力を仰ぎ、被災地でしか撮れない嘘のない映像。
いまだ続く震災の影響を、映画を通して残したい！という山城達郎監督の強い想い🌋
軽度知的障害といっても幅が広いので、文教学院大学のその分野の准教授にもアドバイスを頂いたという。

福島の小さな村に住む心平は、幼い頃から通っている天文台で働く妹と兼業農家の父を手伝いながら暮らしていた。
しかし、3年前におきた原発事故で農業ができなくなってしまい、心平は職を転々として現在は無職。
心平に軽度知的障害があることに向き合えずにいる父・一平。心平に小遣いを与えるだけで、息子の未来を諦め、そんな自分自身をお酒でごまかしていた。
妹・いちごはそんな父と兄のために家事をする日々にうんざりしている。
自分を産んですぐに家を捨てた母…全てに嫌気がさしていた。

「避難はしたまま帰ってこないくせにさ、復興イベントだけは帰ってくんの！」
お金持ちの同級生のことをちょっぴり憎々しげに言ういちごの言葉も胸に突き刺さる…🥲

心平が避難中の家々で空き巣をしている、と近所の人から聞いた一平といちごは、家を出たきり帰ってこない心平を捜す。
そこで見たものは…。

上映後は、主演の奥野瑛太さんや川瀬陽太さん、山城達郎監督が登壇🎤

実は、私は奥野瑛太さんの演技のファンだ。
2009年デビュー作「SR サイタマノラッパー」以降、多くの舞台やテレビドラマ、映画に出演されている🥳
2020年NHK連続テレビ小説「エール」、2021年「最愛」、2023年「死体の人」など…🤭
幅のある演技力で、あらゆるジャンルの役柄に抜擢されている🥹

映画は「記録」だという山城監督。

「人の記憶はどうしても時間が経つと変わったり薄れたりしていく。
震災は大きな出来事だが、何年も経って段々と曖昧になっていく。
原発をはじめ、いまだに色々な問題が山積みになって続いていることを、自身も日常に追われて忘れかけていた。
時には前に進むために忘れることも必要かもしれないが、それでも忘れてはいけないことはあると思う。
映画に記録として残すことで、観た人の記憶に残ってくれることを願う。」

新宿6週間上映を終えて…
「東日本大震災、軽度知的障害という重い内容ということもあり、中には早々に退席する人もいた。思っていたのと全然違う、ということだろうか。自分が良いと思ったことが万人の心に刺さるとは限らない。もっとこうだったらよかったのに…ということも教えてほしい。観ていない人がどうこう言う権利はないけれど、実際に観てくれた人は意見を言う権利がある。聞く勇気云々は別として…」と、ちょっぴり笑い混じりのトークも🫠

たしかにその通りだ。
私がこの映画の素晴らしさをどんなに熱く語っても、全く響かない人もいるのは現実だ⚡️

以前Z世代の子に、「3.11の時、特に被害はなかった？」と聞くと、「3.11かぁ…正直全然ピンとこないんです。あの時は子供で、急遽早めの下校をするように！という指示が出て帰ったことくらいしか覚えていないです」と😳
世代によっても感じ方は全然違うのかもしれない🤔

突然命を奪われた人達、残された家族、家や仕事を失った人達、自分は被害を受けていなくても深い傷を背負いながら生きている人達…。
3.11に限らず、今この瞬間も誰かの命が奪われて、誰かの人生が大きく変わっているのかもしれない。

「忘れてはいけない」という言葉を、果たしてどのくらいの人が守り続けているのだろうか。
当事者でさえ、立場が変わった瞬間に自分の都合のいいように景色を変えてしまうこともある。

大きく変化した環境の中、純真無垢な心平を通して「変わらないことの大切さ」も再認識させられた映画だった。
過去も大切にしながら、しっかり前を向いて歩いていこう🛣️

奥野瑛太さんのはにかみ笑顔…🔥