調停と不動産#2
前回からの続きです。
まだの方は先にそちらをどうぞ
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今回も最後はもやもやドロドロでスッキリしない内容になることをお約束します♪
ではど〜ぞ!
◆調停違反
裁判所からの通知に一通り目を通す。
難しい文章が羅列されているが簡単に訳すとこんな感じ
「あなたは遺産分割の調停に違反したから、即刻相手方に相応の金員を支払え」
また、事実関係を把握するために沢田さんが持っていた調停調書にも目を通す。
(沢田さんは大事な資料とかは全部例のリュックに詰めている)
調停調書の内容はこんな感じ
・沢田さんが仏壇を継ぐので資産(実家)を相続させる
・現金なども全て沢田さんに相続させる
・沢田さんは単独で実家を売ったりしては行けない
・兄弟に内緒で売ったらその売却金額及び現金は即時全額兄弟に償還する
要するに実家を継いだ沢田さんが勝手に実家を売ってしまわないように、兄弟で話し合って調停で取り決めた。にもかかわらず沢田さんは兄弟に黙って実家を売っちゃったというわけ。
んでそれを知った兄弟が裁判所に調停違反の訴えを起こして沢田さんの資産を差し押さえに来たという感じ。
なるほどね。
わかった・・・
さて、沢田さんを守る術は・・・・
ある訳ないじゃん!www
調停で確定したことは裁判で審判が結審したのと一緒だからそれを違反したらそれ相応の処罰が待っていてもしかたないじゃん!
少し説教したくなる気持ちを抑えながら冷静に沢田さんの言い分を聞いてみる。
「いや、確かに約束(調停)はしたけどほら、俺ってこんな体じゃん?調停の時はまだもう少し元気だったんだよ。でも悪化したからさ、だから仏壇見ながら実家を守るなんてできないわけよ。約束した時と状況が違うから約束の意味がないだろ?」
やたら早口でまくし立てる
「あと、ここの入所費用も相続財産から支払っているんだけど、口座が止められたからさ。残りの資産を取られたら俺ここも追い出されちゃうよ。俺に死ねっていうの?ひどい話だよ全く・・・」
確かにお金を全部取り上げると沢田さんは追い出されるだろう。
そうなると住むところのない沢田さんは多分生きていけない。
ただでさえ管だらけの体と車椅子生活だ、これでホームレスになってしまったら・・・
調停違反をしたとしても兄弟がそこまでの仕打ちをするだろうか?
この時点ではまだ沢田さんを擁護したい気持ちがあった。
「沢田さん。かなり厳しいと思いますがまずは顧問弁護士に聞いてみます。その後に解決策をアドバイスします。1日待ってください」
◆弁護士の見解
施設を後にしながらすぐに顧問弁護士に調停調書と裁判所の支払命令の写真をメールで送る。
本文には沢田さんを助ける方法があるか?という短めの文章も付した。
事務所に戻るなり弁護士から着信。さすが仕事が早い。
「金城さん。この人無理でしょ。調停の決まりを守らないで救えるってなると裁判も審判も意味をなさなくなる。確定判決を後からねじ曲げるなんてできないんですよ」
ごもっとも。わかっていた。でもこのままでは沢田さんが露頭に迷う。
「諸事情はわかります。でも身体の障害があるからこそ現金も全て相続させたという兄弟側の配慮が見て取れます。その好意までも踏み躙ったという立場なので、まずは現金を返して全てこちら側の誠意を見せた後に話をしないとダメでしょうね。」
これもごもっとも。
違反した人が可哀想だからと同情していては被害者が泣き寝入りすることになる。
日本の法律は『犯人が可哀想だから被害者は少し我慢してね。』という言い分が通じるわけではない。
「でも金城さん、この人たち売られたくないならなんで最初に共有持分にしなかったのかな?あと、この沢田さんは実家を売った直後に金城さんから土地買ってるでしょ?現金をすぐに土地に変えたのも何か企んでいたんじゃないかな?なんか相手にしたくない感じだよね。直感として。私がもし依頼されても力になれないと思うよ」
なるほど。
弁護士の言い分は納得だ。ぐうの音も出ない。
まずはもう一度沢田さんに現実を伝えてみるか。。。
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沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!