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美味しいメロンへの旅路|vol.3
水耕栽培のメロン栽培は、事業開発部が中心となり活動しています。実際の準備から栽培までの日々は、思いがけないことの連続でした。現在も続く活動の一端をご紹介します。
実験室を作ろう!
こんにちは、事業開発部のH.S です。私たちは、メロン栽培をはじめるためにまず情報収集を行い、メロンの品種・特性、露地での栽培方法や、水耕栽培に関する文献などを収集していきました。いざ調査してみてわかったのは、完全屋内の水耕栽培は事例があまり多くないということです。
露地栽培のようにハウスを建てて空調を管理し、太陽光を入れるという水耕栽培は導入事例が多いのです。いちごなども多くがこの栽培方式ですね。ただ、私たちの考える完全屋内で、密閉型というのはまだ少ないと感じました。
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同時に、栽培実験のための水耕栽培パイロット設備を射水工場研究棟の一角につくりました。実験室は再現性のための諸条件が整うことが必要ですので、気温や空調の管理、水の処理がスムーズに行えるように設計し、完全密閉型として、異物持ち込み、虫の侵入のない衛生的空間を保っています。実際にメロンを育てるブースは、LEDによる波⻑と光量をコントロールした人工光型による水耕栽培ユニットを導入し、栽培を行うことになりました。
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メロンが、育ちすぎた!?
事業開発部のS.Iです。このように実験室が完成して、種苗メーカーからメロンの種を取り寄せ、いざ、第1期の栽培を開始していくことになりました。
第1期は、メロンの生育に手を加えないとどうなるのかを実験し、観察することにしました。育苗用のブースに種を播種(種まき)して、発芽を待ちます。太陽光ではありませんから、芽が出ない種もあるのではないかと思いましたが、全て発芽しました。
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そして、いくつかの苗を選んで、水耕栽培ユニットに定植させて本格的に育てていきます。水耕栽培は、水に加える養液の肥料濃度やpH(水素イオン濃度)の管理によって、植物の成⻑を促進させています。
私たちは、この成長過程をひたすら記録していったのですが、メロンはどんどん茎が伸びていって、わんさか葉っぱが出てくる。とにかく大きく成長しました。もちろん、実もつきました。
私は長年、研究畑で仕事をしていますが、初回の直感としては「なかなか難しいな」と感じました。植物相手というのは、標準値がありません。すべて自分たちで「基準」を見つけていくことが仕事になるからです。
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美味しいって、どんなことだろう
S.I 私たちの現在のミッションは、美味しいメロンを安定して栽培することです。では、美味しいとは、どういう状態で、どんな味なのか。どういうメロンを目指すのかということですね。例えば、メロンをスプーンですくったときの質感や水分の量、口の中での食感、香り、味は、品種によっても大きく異なります。
複数の品種の味についての検討も行なっていますが、私たちの目指す味の答えが出るのは、まだまだこれからです。やはり、抜群に美味しいと感じられるメロンを目指したいからです。
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第2期栽培までを振り返って
S.I 第1期の栽培では、やはり品種によって味が大きく異なりましたので、その結果から第2期の栽培計画を立てました。第1期はメロンにあまり手をかけず、のびのび育てましたので、第2期の栽培では栄養管理を細かく調整しました。成長途中の実を取る摘果作業も行なって、実らせる数の調整も行いました。
その結果、実の数は揃えることができましたが、今度は成長のスピードが第1期と異なり、実の育ち方に変化がありました。なかには、変形するものも出てしまいました。また、同じ品種でも味も大きく変わりました。このように、品種の差、管理による影響、美味しさなど、検討することは多いです。
これまでの2回の栽培の比較を行なって、第3期栽培のテーマを設定していきたいと思っています。
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今後も、「YAYOI NŌKŌ PROJECT」では水耕栽培によるメロン栽培を進め、また、地域と連携した活動についても取り組んでいきます。
これからも定期的に活動をご紹介していきます。
美味しいメロンができる日を、どうかお楽しみに。
「YAYOI NŌKŌ PROJECT」に関する
プレスリリースはこちらからご覧ください。
ヤヨイ化学工業株式会社 | PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/133437