「便所の落書き」を真に受けた兵庫県知事選挙
SNSやネット上では真実を探す方が困難で、デマが多い事は常識だと思っていた。
2チャンネルが流行っていた世代でもある為、ネット上の情報は便所の落書き位にしか思っておらず、馬鹿な事を言ってるなと思って時には冷ややかに見ながら楽しんでいた。
みんな、ネットの情報は殆どデマで真に受けないというのは当たり前の常識だった。
これは現在も変わらない。今回の兵庫県知事選でも相も変わらずデマがネット上に溢れた。
斎藤さんのパワハラは嘘だ
元県民局長は不倫を隠すために、斎藤さんを陥れたんだ
斎藤知事は港湾利権にメスを入れたことによって闇社会とそこに追随するマスゴミに潰された..etc
こんな便所の落書きと同じデマを真に受ける人はいないと思っていた。
間違っても「便所の落書き」を信じる、そんな人はいないと思っていた。
仮に居たとしても、限られた思想を持つ、ごくごく少数の人だと思っていた。
情報リテラシーの急速な劣化
結果は違った。
斎藤さんに投票した人が「111万人」も居た。
いつの間にか、便所の落書きを信じる人が大勢いた。
繰り返しになるが今回の兵庫県知事選で流された斎藤さんを擁護する情報は殆どデマで、昔の便所の落書きだった状況と何も変わっていない。
にもかかわらず、「ネットの情報は殆どデマで、真に受けないというのは当たり前の常識」が崩れていた。
情報に対するリテラシーの劣化がこれほど急速に進んでいる事に驚いた。
情報リテラシーが劣化した理由は2つ考えられる。
1.情報が溢れすぎた
昔は、今ほど情報が溢れていなかった為、情報を選別する余裕があったと思う。だから便所の落書きは便所の落書きだと認識する能力を有していた。
情報が溢れすぎた今、便所の落書きを便所の落書きと認識する余裕がなくなった可能性が考えられる。
2.誰でもネットの情報にアクセスできるようになった
昔は、ある程度限られた人がネットにアクセスしていた。
具体的には、ネットがデマだらけて、そして詐欺などの危険性があるという常識を理解している人が大半を占めていた。
今は、誰でもネットにアクセスし、そして「ネット」にこそ真実を見つけたという、信じられない人まで出てきてしまった。
ネットにも公職選挙法の厳格な運用が必要
今回の兵庫県知事選挙ではSNSや動画サイトを投票の参考にする人が最も多く、そして「ネット」にこそ真実を見つけてしまう人が居る以上、選挙期間中はネットに対しても、公職選挙法(虚偽事項公表罪等)を厳格に運用する必要がある。