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実家に帰れなくなった。あいつのせいで。


母から電話があった。

私は年末年始に実家に帰るつもりだったため、
その電話かな?と思い出ると

母は

「年末年始、帰ってこない方がいいかも」


えっ。


インフルか??と思い聞いてみると

あいつ がまた金借りまくって。お兄ちゃんにも金借りようとしてきて、、。」


またあいつか。

あいつとは私の叔父。
53歳、フリーター。ギャンブル依存症。

多分、何かしらの障害がある(私はそう思ってる。)


あいつは、私が小さい頃から家にいた。
部屋にこもって。競馬を見てた。

そして急に血相を変えて
「金貸してくれないならもう死ぬ!」
と言いながらロープを持って歩いたりする。

そんな様子を子どもの頃から見ていて

絶対こんな大人になりたくない

という反面教師のような存在でもあった。


あいつがいたから家を出たし
あいつがいるから財布は枕元。目を離せない
あいつがいるから気安く友達を家に呼べなかったし

あいつのせいで色んな我慢はしてきたし
嫌な思いもしてきた。


大嫌い。


そんなあいつを産んだ祖母は
娘である母に全て任せて別の家に住んでいる。

母はそんな祖母を
「ばぁばんは逃げる。私が悪いからって逃げる。だから私がしないと。これが私の宿命なんやな」


祖母は好きだけど
母にこんな思いをさせる祖母は心の底から軽蔑してしまうところがある。


電話の向こうで「ごめんね、ごめんね」
という母が

かわいそうで、かわいそうで
何もしてあげられないのが辛くて

泣いてしまった。

どうして母がこんな思いをしなくてはいけないのだろう。

あいつが憎い。
ギャンブル依存症が憎い。

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