虐待に耐え死なないで済んだ理由、その2
なんだかんだ言って1番ひどい虐待の日々は、10歳の誕生日に終わりを告げた
なぜなら、10歳になった途端に
父が突然祖父母の家に私を預けたのだ
大人になってから知ったその理由はとても意外なものだった
それについてはまた後日述べることにする
少なくとも虐待する継母から遠ざける為に私を祖父母のところに預けたのではない
なぜなら
実父は私が継母から虐待をされていることに気がついてはいなかったと思うから
こうして私は長年の飢えと虐げられる苦しみからは解放されることとなった
しかしそれで完全に幸せだったかと言うと
もちろんそうではない
何の心の準備もなく
それまで所属していた慣れ親しんだ世界から
突然異世界に放り込まれたような
そんな感覚がしたものだ
あの家ではあんなに毎日辛かったのに
それでも寂しかった
大好きな祖父母の元で暮らせる
それはとても嬉しいはずなのに…
なんとなく
父に捨てられたような
そんな気分もしていた
しかも
祖父母の元に行ってまもなく
大好きだった祖母が亡くなった
祖母がいない世界は
突然色を失ったようにどんよりと沈んだ
日本の真ん中の東京と言う都市から
いきなり日本海側の過疎の街に住むという
影響もあったと思う
理解できない方言を話す同級生
街灯もなく人通りのない道
車の音が一切聞こえない夜
冬の果てしなく重たい雲
全てが
寂しい悲しい気持ちに
容赦なく追い討ちをかけるように覆いかぶさってきた
しかし
寂しくはあったが
やはり
毎日バカのろまと言われ
叩かれる
そんな事がなくなり
お腹いっぱいご飯やおやつを食べる事が出来て
死にたいと言う気持ちは明らかに薄れて来た
虐げられる日々があのままずっと続いていたら
間違いなくどこかの時点で
自死していただろう
確かに
私は救われたのだ
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