父について
実の父は
かなり変わった人だ
どう変わっているかと言うと…
通常の会話が成り立たない
と言うと
語弊があるが
こちらの意図とは全く違う方向から
返事が返って来る人
である
物の見方?がちょいと常人とは違う
有名国立大学を出て
国の研究機関にいた人で
海外での勤務経験も長い
それなりに社会生活はできてはいるし
愛情も思いやりもある人だとは思う
しかしちょっと普通の人とは感性が違うのだ
大好きな叔母もその父について
決して悪い人ではない
むしろ良い人だとは思う
でもいわゆる変人だよね
と笑って話したものだ
その言葉を聞いて
なんとなく私は自分のこの育ちに
1つの答えが見えたような気がしたものだ
変わった人だから
この私の生活も
変わったものになってしまったのか
他のみんなの家とは明らかに違う自分の育ち
その原因は父親が変人だからなのか?
もしかしたら
私自身に起きた様々な出来事は
私には責任がないこと
なのかもしれないと思って
若干安堵の気持ちを覚えた
また
その変人
と言う発言は
それまで父と言う存在を
絶対的な揺るぎない何か
のように感じていたのを
急に身近な人間におろしてくれた
そんな感覚があった
そこから
父をはじめとする我が家の人々について
少しずつ客観視が出来るようになって行った
父からは愛されていると今でも思っている
継母と父と一緒に暮らしていた頃
幼稚園や学校の行事には必ず父が参加してくれた
私を見守っていた父の笑顔を今でも覚えている
好きな本も定期的に買ってくれた
父が家にいる時には
父からおやつをもらうことができた
そんな父のことが子供心に大好きだった
だから継母にいくら虐められても
それを父に言うことはできなかった
幼心に
父自身が継母のことを
愛していることがわかっていたから
父がいる前では
継母が私をいじめる事はなかったので
父さえ家にいてくれれば
とりあえずは安心出来た
でも
仕事で家にいない時間の方が圧倒的に多い上に
家でも書斎に篭って
勉強したり論文を書いたりしていた父なので
普段の虐待による傷が
浅くなる事はなかったし
寂しさが消える事はなかった
それでも
父の愛情も
私を生かしておいてくれた一つの要素ではあった
と思えている
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?