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チョコレートと母子健康手帳

知人からJICA(Japan International Cooperation Agency、独立行政法人国際協力機構の事で、政府開発援助を一元的に行う機関で、開発途上国への国際協力を行う)の関連で、来日して講習会を受講するガーナ国の母子保健担当者への講義を依頼された。

「講演の中に、母子健康手帳の話を含めていいのであれば、一時間程度でも大丈夫です」と、引き受けた。

■ わが国と世界の「母子健康手帳」

母子健康手帳は太平洋戦争開戦の翌年にあたる1942年に、世界に先駆けてわが国が作成し(写真1)、現在では40カ国以上の国でその国の言語で作成されたものが使われていて、発展途上国ではその有用性がとても評価されている。(写真2)

写真1:母子健康手帳の変遷
写真2:世界の母子健康手帳

別のルートで、ガーナの母子健康手帳のコピーを入手していたため、それが国旗と同じように赤が基調で配色されていることを既に知っていた。(写真3)

写真3: ガーナの母子健康手帳

小さい頃からお馴染みの「ガーナ・ミルクチョコレート」の赤いパッケージが、すぐに頭に浮かんだ。(写真4)

写真4: ガーナミルクチョコレートのパッケージ

はて、なぜ「赤」なのだろうか?

その理由にはたどり着けなかったが、1964年(昭和39年)の発売当時には、新商品の認知度を高めるため、真っ赤な『ガーナ』の手提げ袋を手に持つ女子大生の集団が東京都内を一週間歩き、話題となった、と書いてあった。

■ 講演を始める!

講義は午後一時から予定されていたので、その少し前に部屋に入って準備を始めた。

昼食を終えて三々五々集まってきた聴講生に、‘Good afternoon! Ladies and gentlemen. ‘と問いかける。外国人を前にした久しぶりの講演だったので少し緊張したが、明るい笑顔での返事があった瞬間から、リラックスして自分のペースで話を進めることができた。

話題が母子健康手帳に移った所で、その歴史(写真1)と世界の使用状況(写真2)を説明する。続いて、「ガーナ・ミルクチョコレート」の写真を加えたガーナの母子健康手帳を紹介するスライドを見せた所、私の遊び心が分かったようで、すぐに笑ってくれた。(写真3と4)

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