記憶を辿る旅…星流る天空都市
流星のシャワーと呼ばれる時間帯、アル・カケルという一人の少年らしき者は夜行飛行船をソーレイド・ターミナルのホームで待ちわびていた。
少年は流星シャワーのスターマインを眺めるために、天空都市ゆきの飛行船に乗車する。
少年はある導きによってその天空都市まで向かおうとしていた。
天空都市への誘いは、これでニ度目になるようだ。
「もう一度あの場所へ行くの?」
「天空都市が僕を呼んでいるんだ」
夜空を見上げれば満天の星空がキラリとナイトブルーに輝く、希少なスターバースト現象が宇宙で起きていた。
それは銀河同士の合体と融合だ。新しい銀河の誕生を天空都市より祝福する祭典に出席するため少年は導かれた。
ほら、船が見えてきた、巨大な飛行船がカケルを見つけ、舞い降りてきたのだ。
カケルは飛び乗るように飛行船へと駆け寄った。
巨大な飛行船は満天の星空へと方向転換し、その船体は天空都市までの空路を飛行し始めた。
40万光年の奇跡、引力により合体と離行を繰り返し、数億年かけ融合し一つの銀河が誕生するというのだ。
それらを見る者達はもはや生命体ではない。
だが、それらは生命体より受け継がれし記憶の集合体・白色矮星、それが天空都市。少年は記憶を辿る旅へと出発したのである。
※このストーリーは石崎ひゅーいさんの
『夜間飛行』より着想を得ました。