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掃除用具のロッカー



中学生の頃、教室の後ろに掃除用具を収納する縦長のロッカー。電話ボックスをふた周りりほど小さくしたようなロッカーだ。そこには人が余裕で一人入れたのだが、そのロッカーは外からは誰か入っているのかは分からないが、中からだと外を見る事が出来た。
いたずらにそのロッカーへ入ってしまった事で思わぬ体験をした事があります。


僕の席は一番後ろで、ちょうどその後ろがロッカーでした。
一度悪ふざけでロッカーへ入ってしまった事で、どういう訳か常に誰かそのロッカーに入っているような錯覚に襲われてしまったのです。

ロッカーの中に誰かいる!そんな思いが付きまとってしまうのです

その日は学校の定期のテスト、静まり返る教室、後ろのロッカーが気になっていました。
その事に意識がいってしまい、僕はテストどころではなかった。

後ろのロッカーの中から視線を感じる。
きっと隙間からこっちを覗いている、でも大丈夫だ、皆いるから怖くない。そう思いながら僕はテストを受けた。でもやっぱり気になる


すると後ろのロッカーの中から音がした


ミシリっ、みしりっ……、


と何やらロッカーが軋むような音だ


僕は思わず後ろを振り返りロッカーを見てしまった

「サイジマ!なに後ろを見てる、テストに集中するように……終わったなら机に伏せ寝ててもいいからキョロキョロするな」

先生から怒られてしまった

そして僕はテストに集中した

するとまたあの音だ…

みしりっ…みしりっ…と軋む音だ


もう後ろを振り返る事は出来事ない

両隣の席のクラスメイトは気付かないのか…


いいや、とにかくテストに集中だ


するとロッカーから軋む音が止んだ


だが次の瞬間だった


なんとロッカーを開ける音が聞こえてきたのだ



ギ〜〜〜〜


「えっ?」


僕は思わずギョッとした


ロッカーが開いた?


後ろを振り返る事は出来事ない


というより見ようとも思わなかった




なぜならそのロッカーから出てきた、人とは思えないソレは、僕の顔のすぐ耳元でテストの答案用紙を覗いていたのだから……


僕は動く事も先生を呼ぶ事も出来ず、身体も氷つき動かす事も出来なかった


テストは終わり僕は追試験を受ける事になった


無理もない、あんな状況でテストに集中出来るはずがなかったのだから…


しかし追試はなんと僕一人だった


放課後誰もいなくなった教室で追試験を受けるために僕一人で、教師が来るまで待っていなければならない


どうしようまたロッカーからアレが出てきたら…、いや気のせいだ、きっと気のせいだ

何も考えなければいい。ロッカーの事など気にしなければいいんだ


放課後、僕は誰もいない教室で追試験をうけるため教師が来るのを待っていた

外は雨、薄暗い教室は夕方の4時を過ぎた頃だった


ギ〜〜〜〜、後ろのロッカーから異音が聞こえてきた


今度は誰もいないし、振り返る事も出来る


僕は勇気を出してロッカーの前に立った


「誰かその中にいるのか?」


声をかけてみた



すると次の瞬間、ロッカーの扉が突然勢いよく開き、中から汚れた白い腕が僕の身体を掴み、ロッカーの中へと引きずり込んだ!


そのままロッカーの扉が強く「バタんっ!」と閉まる


その後、追試験のため教室にやってきた先生にロッカーの中で気を失っていた僕を助けてくれたそう…


過去に僕はロッカーの中へ入ってクラスメイトを驚かせた事がありました…。











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