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映画『インターステラー』(2014)


監督・脚本:クリストファー・ノーラン
脚本:ジョナサン・ノーラン


クリストファー・ノーラン監督作品で壮大なスケールとスペクタルで魅了する映画『インターステラー』。これは公開当時劇場鑑賞しました。難解な部分と圧倒的な映像美もあって私は2回観にいきましたが、何回観ても難解で凄い映画でした。
私はクリストファー・ノーラン作は好きな事もありますが、この映画でよく語られるのが、宇宙の相対性理論、ブラックホールについての云々なんですが、私はよく分かりませんでした。ですが、そんな宇宙理論が分からなくても十分に楽しめる映画だと思います。映画総指揮には理論物理学者のキップ・ステファン・ソーン氏が監修を務めており、かなり専門的な要素に触れています。しかし
見所は沢山あって、ガルガンチュアと呼ばれるブラックホール。あのブラックホールの形は実際のものを再現したもので我々がイメージしていたものとは違ってて圧巻でした。
あとは主人公のクーパーと娘のマーフとの父と娘の関係を描いた部分やスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』を連想させる部分などあるんですが、この映画の面白かった部分というのは私は人間とロボットの関係性を描いた所でした。もうこの映画何度も見返しましたが、印象的なのはソレでしたので、今日はクーパーとTARSという相棒同士の関係をご紹介します。

この映画に出てくるあのLEGOのロボットというか、なんかタバコのセブンスターみたいなロボット、TARSとCASE。とくにTARSが面白く気に入りました。
マシュー・マコノヒー演じるエンジニアでパイロットのクーパーとTARSの掛け合いや友情。正直レベルとユーモア設定がある所に面白さを感じました。この映画って人間はもちろんロボットとの関わりが重要視された映画作りになっていて、このあたりは『2001年宇宙の旅』っぽいんですが、本作の方がより親しみやすいキャラクターになっております。
TARSの正直レベルというのは、最初から 90%に設定されているんですが、劇中でなぜ90%なんだ?とクーパーが問うシーンがあるんですが、そのTARSが言うには100%正直というのは、感情を持つもの同士ではかえって人間関係を悪化させてしまう、という面白い認識を持ったロボットで、このあたりも興味深い描写です。
物語のクライマックスの方ではクーパーがユーモア設定を下げても時限爆弾作動!とか言ってカウントダウンを始めたりするのを見ると、設定レベル関係なく人との関わりを理解している事に気付きます。ユーモア設定を下げても下げても冗談を言ってくるほどの関係にまでなってました。学習能力ではなく、TARSは人付き合いまで上手くなっていました。

そしてクライマックスでは、そのガルガンチュアのブラックホールの中へ入って、内部にある特異点と呼ばれる量子データを地球に送信する、というミッションがあって、TARSが活躍するシーンがあります。重力の解明にはブラックホールの量子データが必要という事でブラックホールに突っ込む事になるんですが、そのシーンを紹介します。

クーパー「いいか、エンデュランスが十分な速度に達したらまずランダーのエンジンを噴射、そしてレインジャー2号のエンジンを噴射して、ブラックホールの重力から脱出する」
「ランダーのプログラムは壊れててリンク出来ないから手動で操作するしかない。ランダーは噴射で燃料を使い切ったら分離」

TARS「ブラックホールに突っ込む!」

アメリア「分離しなきゃいけないの?」

クーパー「重力から逃れるには軽い方がいい」

TARS「運動の第三法則ってやつだ、前に進むには何かを置いていかなければならない」

アメリア「クーパー!TARSに犠牲になってくれって頼んだの」

クーパー「彼はロボットだ、頭を下げてまで頼む必要はない」

アメリア「あなたって最低の◯◯野郎ね!」

クーパー「すまん、聞き取れなかった」

TARS「これは元々の任務なんだ、人類を救う唯一の方法チャンスだ、ブラックホールの量子データを地球に送信できれば人類はきっと生き延びられる」

ブランド「それが間に合う事を祈りましょう」

映画『インターステラー』劇中より


という場面がありますが、乗組員が2人途中離脱して頼れるのはロボットのみ、人とロボットが協力共存して人類を救う、という物語でもあります。これって今後実際そうなっていく人類の姿を描写しているような気がします。これからの未来はAIの技術を使って人間にとって代わってどんどん機械が進出していく時代になりますので、人とロボットが上手く共存出来ればよりよい未来になると私は信じています。
警鐘を鳴らす人もいますが、人間がどれだけ上手く使い、どう関わっていくかで違ってくるでしょう。90%という正直レベル、クーパーもブラックホールに突っ込むシーンではアメリアに対しても「俺の正直レベル90%だ」というセリフも印象的である。インターネットが嫌いなノーラン監督ですが、ロボットは好きなよう…。現代はロボットの代わりにスマホが最大の共でツールでありますが、ロボットが進出するのはもう少し先になりそうですが、そんなロボットとの関係がより蜜に感じられる本作でもありました。













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