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BS松竹東急「短編映画劇場」

世界中から選りすぐりの短編映画をお届けする短編映画劇場。BS松竹東急チャンネルにて放送しているこの番組。筆者も好きなテレビ番組です。ご覧になられてる方いらっしゃいますかね…。今日は面白かった回を取り上げようと思います。

その前に短編映画と言えば、別所哲也氏がプレゼンターとしてやっていたショートショートなんかも面白かった。そこで観た映画が凄く面白くてショートフィルム、短編映画の魅力にハマりました。そこで観た映画は、タイトル忘れましたが、海外の作品だったのですが、、。

ある女性が夜、車を走らせていたのですが、休憩のため車を停めて休憩していた。
そこへ、ある障害を持った人が来て、なんかホームレスっぽい男性だったんですけど、窓を叩いて「うーうーうー!」言ってきた。女性は何も分からず唖然としていて、男は立ち去ったんですが、また女性は寝てしまった。少ししてまた男がやって来て今度は、物凄い勢いで窓を叩いて来て、乗っていた女性は怖くてわめいてそれでも「うううう〜!」とさらに強い口調になって、今度は大きな石でなんと運転席の窓ガラスを叩き割ってきた!そしてその女性を窓から引きずり出した。
襲われる!怖い映画だな〜と思った瞬間。
特急列車が車に衝突して大破!休憩のため車を停めた場所は線路沿いで、あのホームレスの男は女を襲ったのではなく、ここは線路だよ、車を移動した方がいいと教えてあげたんですね…。そして女性はその事に気づかず列車が来てあのまま寝ていたら死んでいた。それを阻止し、助けたというオチで面白いアイディアの作品でした。

男が話せないという設定だけで、謎めいた展開になるんだなと思い、これが普通に喋れたら映画として成立しない。「ここは線路沿いだ、危ないから早く動かした方がいい」で終わってしまう。単純なんだけど、こういったのが上手い短編映画のお手本みたいなものでしょうか。


BS松竹東急短編映画劇場


映像が見当たりませんでした…⤵️⤵️
レビュー記事になります。


『millions of tears』
原題 : DES MILLIONS DE LARMS

父と娘の複雑な関係を過去と現在、そして他人として置き換えた時、親子としての本質が見えてくる…。ラストは車のルーフが雨漏りするほどの大粒の雨が全てを物語る。う〜ん、これは切なかった。だけど上手く表現し、描かれた作品だなと思いました。紙ナプキンの燃滓もえかすの残煙、剥げたマニュキュア…、現在進行形の中で見え隠れする親子関係とループ映像、その作家性やセンスを感じさせる。

『born to cry(Fanfare) 』
2021/フランス
監督 : Leo Grand Perret

情緒不安定な若者が、同世代の女の子に恋をする。感情がほとばしると、いちいちブラスバンドが登場し、bellini-Sambaが生演奏される!ウザい、やめろ!鬱陶うっとうしい!だが、やがて彼女と急接近が訪れるが…、実は両想いだった。問題はいちいち現れるブラスバンドの存在だ。どう説明すれば良いのやら…、だがしかし、彼女にも秘密があったのだ…。これも面白かった、主人公の若者が可哀想な場面もありましたが、ハッピーエンドに収まっている。恋愛物のハッピーエンド、実は難しいと思っていますが、こういった、めでたしラストは心地よかった。どういったハッピーエンドにするかが、恋愛物の難しさ。ありきたりな物はダメ!なんの面白さもない、そう言われたみたいでした。

『beyond』
2016/アメリカ
監督 : ジェミリー・ハッコーン

親子3人で砂漠を横断中に大きな岩が車を直撃!岩が車を押し潰され、子供は何とか脱出、周りには誰もいない。だが近くには重機が!シャベルカーのおもちゃで遊んでいたレオ君が本物の重機に乗って両親を助けようとする物語。なんか可愛い映画だな、と思って観ていましたが、順調な滑り出しでこのままラストになるのか、と思いきや緊迫のクライマックスへと突入する。親子で助けあって生存を目指すラストへ…。

『The Runner』
2014/スペイン
監督 : ホセ・ルイス・モンテシノス
 
元社長とその元従業員による職をかけた競争が始まろうとしていた。従業員が起業した会社名がスティーブ・マックイーンの『ブリット』という屋号が、いかにも映画小僧が作った感じなのがいい…。現在は無職の元社長に元従業員が助け舟を出す物語。全てを失った社長にドライバーの仕事を紹介し、その採用試験は走りでの勝負だった。走りきったその先に待ち受けていたものとは…。「プライドで食えるのか?」のセリフも印象的。

『Classmate』
2016/スペイン
監督 : ジャヴィア・マルコ

バスの中で出会った同級生、俺の事覚えてる?知らないです、と女性は答える。だが、男は続けて話しかけ、二人は意気投合していき、いつしか同級生同士での友情が芽生えはじめる…。これを観た時、寅さんの鉛筆売りのシーンのエピソードを思い出してしまった。寅さんは渡世人、今晩の宿賃を稼ぐために必死の思いで得た物売りのコツと極意、その中で得たノウハウと知恵なんだ、と語った回とほぼ同じようなもの。しかしこの男をただのホームレスで詐欺師と捉えるのはNG!だと思います。きっと、人恋しさもあるだろし、根は悪い奴ではないと思う。どう見て、どう捉えるかは観る手しだいの一作。なかなかの良作だと思いました。つまりこれは人情劇なんですな〜。


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