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映画『ゾンビ/日本初公開復元版』



摩天楼が選ぶ名作映画、今回は『ゾンビ』について書いて行きたいと思います。


1979年(日本公開)/2019年(復元版)
監督/脚本 : ジョージ・A・ロメロ


あらすじ

世紀末…、ある惑星が超新星爆発を起こし、その光線が地球へと降り注いだ…。放射線は死者を甦らせゾンビとなり、生きた人間を襲い始めていた。そんな極限状態の中、テレビ局員のフランとスティーブンは、知人である2人のSWAT隊員、ロジャーとピーターを引き連れ、とあるショッピングモールへと逃げ込むのだが…。伝説の発火点の映像と残酷描写に制限を施した、幻のバージョンと呼ばれる「日本初公開復元版」。



ゾンビ映画の王道にしてアイコンでもありますが、最近はゾンビ映画ブームが去ってしまいましたが、一時期再燃した時がありました。それは日本発のゲーム『バイオハザード』(96年)のヒットが引き金でした。あのゲームのヒットを皮切りに、終焉していたゾンビ映画たちを再び蘇らせ、その原動力が日本のゲームだったと言っても過言ではありませんでした。ゲームヒット後の98年に映画『バイオ・ハザード』が公開されました。(筆者も劇場へ観に行きました)。そして映画『ゾンビ』のリメイク版の『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004年監督:ザック・スナイダー)が公開され(これも観に行った)、矢継ぎ早に映画『バイオハザード2』、イギリス発の『ショーン・オブ・ザ・デッド』(当時日本未公開)、や本家のロメロ監督作の『ランド・オブ・ザ・デッド』、『デイ・オブ・ザ・デッド』(死霊のえじきのリメイク作)そして『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』など次々に新時代のゾンビ映画が製作されました。そして往年のゾンビ映画のリマスター版のソフト化やドラマ『ウォーキング・デッド』、また新世代向けに作られた『ゾンビランド』などでゾンビが再び脚光を浴び、筆者もその煽りを受けました。

今回取り上げる映画『ゾンビ/日本初公開復元版』は、日本の劇場で初めて公開されたのものの再現ですが、当時はゲテモノ扱いされた為に、残酷描写をストップモーションなどの処理を施した言わばリミッターを効かせたバージョンを公開した訳です。元々映画『ゾンビ』は様々なバージョンが存在しますが、その原点と言うか日本独自のバージョンが存在し、当時公開されたという歴史ありましたので、リアムタイムで観ていない人達のために、マニア向けのホラー映画のソフトメーカーが、当時公開されたバージョンを限りなく忠実に再現したもになります。

公開にあたり、クラウンドファンディングなどで資金集めもされ、ようやく公開に至ったようです。

筆者は山形市在住なのですが、本作は山形市にある霞城セントラル(山形のランドマークビル)の地下にある映画館ソラリスで鑑賞しました。

面白かったのは、チケットを買ったらミニサラミが2つ付いてきましたね。これって、肉を喰らえ!って事なんですよ。中々粋なサービスでした、でも嬉しかったですね。

公開初日に館内へ行くと、少し小さ目なシアターでの鑑賞でしたが、満席ではありませんでしたが、7割くらい埋まって、皆恐らくこの映画のファンでしょうか、集まってました。

いざ本編が始まると、まず最初にゾンビになった理由が示されます。イオスという惑星が爆発するシーンの映像と理由が説明されるテロップが流れます。これが日本独自の追加要素で、これが一番の見所かもしれません。オリジナルにはないアレンジ映像です。当時はどうか分かりませんが、今の時代の映像と見比べと迫力に欠けましたが貴重な映像…。やはり当時は、ただでさえ得体の知れない映画なのに理由が分からない、となると益々ゲテモノにされてしまう可能性があった、それを考慮しての措置でしょうね…。バージョンはアルジェント版で、ジャ〜ん♫、というゴブリンのテーマ曲が爆音で鳴った時には、ちょっと感動しましたね。

ストップモーションのシーンは、プエルトリコ人達によるアパートを占拠してSWATチームの一員ロジャー達が最初のゾンビに遭遇し、ミゲルと呼ばれるゾンビが奥さんの肩を噛み千切るシーンで、ストップモーションが掛かり、当時の画を見事に再現していました。他シーンでも静止画になったりモノクロ処理が施されたりと、残酷描写をそのような形で避けるように見せていた、という当時の上映スタイルを堪能する事が出来ました。なので映画を観に来た、と言うより体験しに来た、という表現が適正かもしれません…。私的には『日本初公開復元版』よりかは『日本公開当時体験版』と言うタイトルの方がしっくりくるかな…、というそんな映画でした。昔はこんな風にして見せていたのか、と過ぎ去りし時代の映画史に残る1ページを垣間見た感じがしましたね、貴重な映像を上映してくれて感謝。


劇場パンフレット
チラシ↑↓


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