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”生きてさえいれば”

日々を過ごしていると何となく嫌になることはありませか?それは仕事で起こられるであったり、勉強の成績が上がらないであったり、失恋であったり。そんな日々の嫌を考え直すきっかけときっかけとなる本を紹介しようと思います。それは”生きてさえいれば”です。


読むことになったきっかけ

Kindleで本を探していました。何か考えずに読める小説。。。日々工学の勉強をすると数式が絡まった活字を使い、書き、また読むということを繰り返していましたが、それには疲れてそのような本を探していました。そしてKindleでこの本に出合いました。ちょうどアマプラ会員であったので無料で読めました。そして評価の4.5で名作のにおいがしましたので時間をかけて読んでみることにしました。

概要

聖地

東大阪、東京(詳細は不明)

あらすじ

病室で牧村春桜はある人に手紙を書いていた。それを目撃した甥、千景はその相手である羽田秋葉のもとへ訪れた。そこで秋葉は春桜との出会いを語りだすのであった。

主要な登場人物

羽田秋葉:東大阪出身で東京の大学(工学部)に進学するため上京。そこで初恋をするのであった。
羽田夏芽:秋葉の妹。ブラコン。
牧村春桜:秋葉と同じ大学の文学部。学内随一の美人でモデルをやっている。”秋”をもつ羽田にいきなり求婚をせまる。
冬月:春桜の姉。自身の容姿にコンプレックスを持ち春桜を嫌う。
千景:冬月の息子。秋葉のもとへ行くことで物語が始めるきっかけとなる。

心に響いた語

  1. ほんとうの幸

  2. 生きてさえいれば。

感想

日常というものがかけがえのないものであることに気づかされる作品だと思いました。日常というものは誰かに理不尽に嫌われるであったり、だれか愛する人がいていつも出会える状況であったり様々です。嫌なこともよいこと、好きなことが含まれるのが日常です。しかし、誰かの死、体調の悪化は日常を日常でなくするのに十分な事情です。本作の内容にあまり触れずに申すと、秋葉と春桜が離れる原因がそれらです。日常はもろく、崩れやすい、そんな事実を教えてくれます。何気なく誰かのことが好きであったり、嫌いであったり、勉強したりすることがどんだけ”幸せ”か、、、それをかみしめさせてくれることが本作の魅力といってもいいでしょう。

そうとは言えども誰かが亡くなり寂しくても、体調を崩しても、日常が一時崩れ去ったとしても、生きてさえいれば、、、、また幸せを感じることが出来るよと、、そんなことを伝えてくれます

おわりに

この作品は余命宣告された著者が書いた作品です。誰かが亡くなること、がとてもリアルに描かれています。著者は日常を過ごせる日が少ない、あるいは日常が非日常となり、”日常”というものがとてつもなく貴重で儚いものであることをみんなに気づいてもらいたいのだと思います。このような物語を複数書かれて亡くなられました。この数物語を通して、著者は私たちが何気なく明日を迎えられることは幸せなんだよ、という最後のメッセージを残したのだと私は受け止めています。

私は今生きることがどれだけ貴重か、大切かに気づかされ励みとなっています。考えさせられました。

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