ありがとうの記憶 はじめに
自覚症状もなく、健康診断で、思いがけず大腸癌の疑いがでて
そこから検査、検査、そして大腸とリンパ節の除去手術、入院となって
その後、その時の病理検査の結果を退院一月後の外来診察で大腸癌ではあったけれど、リンパ節への転移はみられなかったことで
今後は5年間の経過観察となった。
病気の発覚から
そこに至るまでの間
まさか!自分が!と思った病になり
かつて3回の手術入院の経験があっても
そこに「命」や「生と死」が関わるものとの大きな違いを
身をもって経験した。
年齢と共に命には限りがると思い不安に始めても
それは自分にとってまだ先のことと思っていたけれど
一気にその限りが、いつ突然やってくるか?を感じて
あの時は、
命というものが
自分の中で一番の願いと不安と恐怖だった。
それまでの、自分の中にあった、
不安や悲しみや悩みや切なさややるせなさを
命というものが
一気に抜き去って行った。
そして術後の苦しさや悲しさや不安を
否が応でも感じたはずで
周りから時間薬と言われても、それを感じられないくらい辛かったことは、わすれられないことで
忘れてはいけないことで
なのに1日1日月日がすぎていく中で
確実に時間薬がきいてきて
そして、外来での転移なしの結果に
あの時からなんににも負けずに
ぶっちぎり1位だったはずの
命が、常設してるにも関わらず
あの時、一気に順位をさげていた筈の
悩みや不安や悲しさや切なさが
勝手に上位に躍り出てきて
さらには
時間薬でぶっちぎり1位の座を
朧気にしつつも
命というものの大切さや怖さやありがたさを
身をもって経験したことで
以前とは違う
いや以前にも増して
自分の中の不安や不満や切なさや悲しさや苦しさが
大きくなってしまっていた。
いますぐに無くなるかもしれない?!と思った命が
まずはそうではなくなって
だからといって
この病気になるまえの自分ではいられなくなって
自分の周りの誰もが羨ましく、恨めしくなって
自分が不幸に感じてしまっていて
そうしてるのは、誰でもない自分だと言うことを
わたし自身がわかっているのに
どうにもコントロール出来ずにいる
でも、このままの思考ではいいことは無い
それどころか、良くない事しかない。
勿論、人は時に悲しむだけ悲しんだり
ネガティブになることも必要ではあるけど
その、時間が長ければ長いほど
自分がさらにやりきれなくなることが分かってる
悲しいことは沢山あったしあるけど
嬉しいことや恵まれてること
幸せであること
なによりも
いま、命が失われずに済むことを
忘れないように
言い聞かせるように
辛い時こそ
やり切れない時こそ
悲しい時こそ
小さくてもいい
どんなことでもいいから
「ありがとう」と感謝できることを
綴っていこうと。
言葉にして文字にして表現することで
しっかりと自分に言い聞かせるように
1+1=2と暗算できるように
自分の中の幸せやありがとうを
暗算できるように言い聞かせていこうと思う
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