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シェアレストランで普通のサラリーマンがスパイスカレー屋を副業で1年間やってみた。

2023/12の某日、本業の会社の忘年会で大口を叩いてしまった。

「私は、昔からカレー作りに励んでいて、最近のスパイスカレーの流行に乗れてないのは歯がゆい!

会社も最近副業OKになったから、副業申請して、スパイスカレー屋をやり、食べログで3.5を取る!」と。

いざ、リサーチを始めると簡単ではない。起点は店舗でのカレー販売から考えたが、カレー周辺のビジネスもスコープに入れた。副業でやるので、それにこだわると実現可能性がなくなると考えたからだ。そして、当初、以下の選択肢があると考えた。

  1. キッチンカーで販売

  2. 店舗で販売

  3. SNSで情報発信

  4. カレー作り教室

なお、私の本業は一般的なサラリーマン。土日祝日が休み。平日の残業は1,2時間が平均。収入は、平均(残念)。この制約条件でいかに忘年会の宣言を何らか格好がつくように実現しなければならない。

KPIは、「利益を出すのは難しいだろう、せめてトントン。」(以下、逃げ腰KPI)とした。

利益を出すつもりないのに、なんでやるか。
忘年会の大口でなぜか引くに引けない状況だなと誰からもプレッシャーを受けてないのに自分で思ってしまったからだ。

では、私の思考錯誤の結果をご案内する。

1.キッチンカーで販売
キッチンカーは、所有となると、初期コストが少なくとも200万以上はかかるし、駐車場代も月で3万以上はする。利益で無しでいいや、と逃げ腰KPIの設定では初期コストの回収は、100年かかるか、回収できない。キッチンカーレンタルも考えたが、料金が高いし、出す場所も限定されている業者もあったりして、不明点が多く、深掘りする気力が続なかった。よって、却下とした。

2.店舗で販売
店舗は、所有と賃貸があるが、所有は私の現在の収入ではあり得ない。賃貸となるが、スケルトンと居抜きでは、スケルトンは現在の収入ではあり得ない。結果、賃貸の居抜き物件となるが、仮に良い物件があったとしても法的拘束、大家さんとの関係があり、本業の時間を使って対処しなければならない事態が発生することが容易に想定できたため、却下とした。

3.SNSで情報発信
まさにレッドオーシャン。カレーの作り方の情報発信だけでお金が入ってくるようにはならない。逃げ腰KPIは、確かに利益はトントンなので、固定費、変動費も人件費以外は、低く抑えられるかもしれないが、映像を作り込むノウハウを持っておらず、外注するほかない。全くお金が入ってこないことの確率99.99%と感じたため、却下とした。

4.カレー作り教室
場所の確保、料金回収、テキスト代、食器、食材、集客、私の副業での制約条件では計画を練ることすら苦痛と感じた。よって、却下とした。

全て却下ですわ。

やはり、副業でカレー屋をやるのは無理かなと諦めかけていたとき、

5.ゴーストキッチン

があるではないか?と閃いた。ゴーストキッチン関連を調べていると、コロナ禍によるニーズの高まりも落ち着いたのか、それなりの物件があったが、賃貸の居抜きと変わらないとわかった。却下である。

落胆して、ネットのスクロールを止めようとしたその時、

6.シェアレストラン

という、件名が目に飛び込んできた。なんだなんだと調べてみると、どうやら

  • 吉野家ホールディングスがやっている。(信用できそう。)

  • 店舗が未稼動の時間を貸し出す。(制約は多そう。)

  • 費用は、月3万くらいから利用できる店舗もある。(今までの選択肢の中で一番安い!)

  • 食品衛生責任者資格があれば利用できる。(そうか!そもそも、どの選択肢も許認可やら資格やらが必要だったな。特に許認可はかなり面倒だし。このサービスなら衛生管理責任者資格のみでよいのか!)

  • 水道光熱費込み(そうか!最近のインフレ、円安のせいでこれもコストに跳ねるな。それが使い放題ってすごいな。)

  • 保険料込み(食中毒が一番怖い。生命に関わることだし、出さないようにするのは当たり前だけど、万が一のケアがあるのはうれしい)

  • いつでもやめられる。(これは、副業をやる際にかなり重要なファクターだよな。)

これだぁー!と感極まった。
そして、フィットする店を探していると、アッタァー!


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