多肉の箱庭のための小石拾い。その深いワケは”振動”。
今日は久々の考察回
子供の頃京都の外れに住んでいて、
近所の山は水晶山と呼ばれていて、
オレンジ色の土のそこここに乳白色の石ころみたいな石ばかりが
転がっていました。
京都では学校の校庭の砂も明るい黄色っぽいサラサラした砂で
よく見ると透明な水晶が混じっていて
そのキラキラとした輝く砂粒を見つけ出すのが楽しみでした。
東京に引っ越してきて最初の衝撃は、近くに山がないこと。
そして校庭の砂の色が黒っぽいこと。
なんだこの色って思いました。
そして今。
ある仮説を試してみたくって乳白色のどこにでもある水晶というか
硝石を拾いに出かけたのですが、
関東の石は黒い。そして硝石がなかなか見つからない。
そこで考えたのが海。
その中で交通の便がよく、駅から海が近く、できればそばに川も欲しい。
そんな欲張った条件が揃っていたのが小田原でした。
小田原の海岸の石は綺麗な模様の石が多いし、
なんなら溶岩石が多くって、多肉用の石としてもってこい。
溶岩で再現したいのはマダガスカルの土。
どうしても使ってみたかった硝石はほとんどありませんでした。
関東には水晶は無いんかい！
私が硝石で再現したいのは南アフリカの土。
多肉のふるさとの一つ、南アフリカの土は
赤っぽい土と硝石の大地。
メセンは可愛いとは思うけど、今のところ育てる選択肢はありません。
もうちょっと上に育つのものを育てたい。
多肉植物が育つ原産地の土を調べると、
土自体の栄養価は決して乏しいワケじゃ無いらしい。
気候的に野菜などの植物が生息するには寒暖差や湿度の変化、
強い風などの影響が強すぎて困難なのだとか。
まさにデスベランダとよく似てる。
そんな中で多肉植物が生息できるその理由の一つが特徴のある石。
つまりは硝石や溶岩石じゃないかと考えているワケです。
ふるさとの石を知る考察の旅
最初の頃は、「石なんてどれも同じ」って思っていました。
なので、どうせなら自分が面白いと思う石ばかり集めて
ベランダの風景の一つとして使えばいいじゃんって思っていたんです。
その考えがもしかしたら違うんじゃないかと思い始めたのは
これまた好きで集めている不純物が混ざった水晶2つを
軽くぶつけて澄んだ音を楽しんでいた時です。
水晶同士がぶつかる衝撃音って”ひとつじゃ無い”！
よく聞くと、びいいーん。と鳴っている。
逆に、カンとか、キンとか短い1つの音を出すことができないんですよ。
それってつまり、1回の打撃のなかで、水晶同士は
数回のバウンド、反発を繰り返しているってことなんですよね。
これって、硝石同士がぶつかる際には、衝撃の振動と音の振動の2つの振動が発生しているってことで、
それは同時に、微細に空気を揺らしているってことではないかしら？
いやちょっと待て、水晶の振動は高級腕時計に採用されるほど
粒の小ささに対する運動力が高いのよね。
であれば、白濁していても硝石同士がぶつかる振動は
多肉にとっては大きな作用というか、意味があるのかも知れない。
そう考えたんです。
実際には、硝石の石ころ同士がぶつかるってことはあまりなくて、
石ころに細かく砕けた水晶の砂がバラバラと当たるっていう
ものすごいミクロの話なんだろうと思うけど、
どんなに細かくても衝撃はあって、それが数多く発生すれば
まとまった効果を産むことができるという果てしない話なんだけど。
硝石の効果として、公式に今現在わかっているのは、
メセンが硝石の光の反射と、太陽光の熱を吸収して周辺温度を下げる効果を
利用しているのではないかということだったけど。
石がぶつかるごくごく微細な振動はもしかしたら
多肉の形状の創出や維持に関係していたり、
分厚い葉の内側を振動させ、
ごくわずかづつの成長に関与していたりしないかとも思ったりします。
デスベランダと過積載トラックの振動を逆手に取る
我が家ではメセンは育てないので
硝石にこだわりすぎなくても良いんですが、
石同士がぶつかる微細な振動は利用してみたい。
そして、おそらくなら原産国の土が赤いということは、
酸化鉄が多い土だと考えられるので、
石自体の酸化鉄も利用したい。
そのための溶岩と、硝石を含んだ火山岩を使ってみようという試みです。
もともとデスベランダは南アフリカの気候に近いですし、
集合住宅って近くの道路を過積載のトラックが通るとわずかに揺れるんですよね。
あと、最近は地震も多いしどうせならその振動を
石がぶつかるための力として利用しちゃおうって思っています。
使えるものはなんでも使えです。
リフォレスター1号器の土が落ち着くのを待って
実験用の箱庭を作成します。
今から楽しみだけど、この箱庭、
置く場所をどうするか問題が残っているのよね。
猫たちの日向ぼっこ場所は潰せないし。
さて困ったな。