さつまいものお話(1)
それはミニトマトが酷暑に耐えられなかったことから始まった
ミニトマト栽培は過去2年で最長12月の初めまで
木が枯れることはありませんでしたが、
今年は6月のうちに木が枯れ始め7月まで
持ち堪えることができませんでした。
原因は例年にない暑さと南からの雨風が極端に少なかったことによって
発生したハダニの繁殖が深刻だったことにあります。
天候による栽培の良し悪しは仕方がありませんが、
真夏に緑がないのは悲しすぎます。
そこで苦肉の策か、一か八かの賭けか、
トマトの鉢に食べ忘れて芽が出たさつまいもを植えてみたのが
7月16日。
さつまいもの苗の植え付けには2月近く遅いけれど
さつまいもは南の作物なので、暑さには耐性があると信じて
植えてみました。
とにかく今年の夏はひどかった
今更説明するまでもなく、今年の夏の暑さはひどかった。
加えて日光の当たり方が過去とは違い。
普通なら夏至の前後2週間は全く日が当たらないはずが
ベランダだけでなく部屋の中まで入ってくるほど低い位置にあって、
そのことがベランダの温度を引き上げて
かえって植物達には過酷な環境となってしまっていました。
種を蒔いたり、じゃがいも芋を植えたりしたものの、
ほとんどのものが発芽したり、芽を出したりしても
気温が35度を超えた日には溶けるように枯れてゆきました。
そんな中、この暑さのをモノともしなかったのが、
さつまいも、野生の朝顔、よもぎでした。
この3つは日光や気温、エアコンの排気に負けることなく
ぐんぐん成長し、
真夏のベランダに希望を与え続けてくれました。
プランターでさつまいもが成功した人を見たことはなかった
秋に入り、さつまいもは急激に成長を始め、
伸びたツルは物干し竿に這わせるようにして
広げてゆきます。
さつまいもは、植える時期が遅いと芋ができないということでしたが、
11月に入り、なんと根本に芋が見えてきました。
しかもなんだか大きいみたい!
これは期待できる!
そう思いながらもさらに1週間がまんして
そして土曜日、いよいよ期待の芋掘りです!
期待に胸を膨らませていよいよ根本から蔓を切り離し、
地上に出ている芋をぐいっとつかみ!
…..あれ?
ぺこ?
まるんとした芋は抵抗なくぺこっと凹み、
持ち上げると皮の下には芋はなく、
代わりに小さなミミズが2匹。
そう、まるんとした芋は親芋の皮で、
この皮だけが、ミミズによって持ち上げられただけだったんです!
なんて思わせぶりで罪なミミズ!
キミらはそばの電線でこちらを伺う鳩に進呈だ!
でも、まだ希望は捨てちゃいけない。
そう思って土の中に手を突っ込みます。
土自体はふかふかで良い土のまま。
毎回思うけどリフォレストした土は微生物の活躍で
いつほってもふかふかで良い土なんです。
ほんと、土には微生物が大切なんだって、
こうして土を掘るたび実感します。
それよりも、今は芋を探すことのほうが大切!
そう思い直して鉢の中を探りますが、
とうとう太い芋は出てきませんでした。
そして、収穫した成果は….。
根っこ…..。
なまじ期待していただけに、がっかり感は否めません。
でも、この大変な夏の間ベランダに希望を与え続けてくれたという意味では
本当によく頑張ってくれたので、
この成果はこれで良しとするしかないかな。