さつまいもの話(2)
作物なのだから食べる
初めてベランダで育てたさつまいもは、
見事に栽培に失敗しました。
失敗はしたけれど、一つ気がついたことがあります。
それは、プランターで芋がうまく育たない理由について。
サツマ芋は芋自体は地表に近いところにできるから
土もそれくらいの深さがあれば事足りると考えがちだけど、
あれだけツルが伸びるということは、
もしかして芋の先に伸びる細い根っこのほうが
実は大きな意味を持つんじゃないかという仮説です。
今回のさつまいも実験では、
細い芋はプランターの底の方に集中してできていて、
その先のヒゲ根も底の方にとぐろを巻く感じなっていました。
この状況は、海外のプランター栽培をしている方でも
同じような状況になっていたのを見ましたし、
国内の方でも、プランターにさつまいもを植えた動画は
見つかりましたが、収穫できたという動画は見つけられませんでした。
私を含め、共通するのはプランター栽培だったから。
路地モノとの大きな違いは根の張り方にあるようです。
そこで思うのが、さつまいもの成長のメカニズムは
長細いアートバルーン風船に似ているのかもということです。
バルーンと風船は同じ意味だけど、そこのとことは追求しないで...。
アートバルーンは普通に膨らませると、
吹き込み口の方から膨らんでいきますよね。
それは空域圧は吹き込み口に近い方から圧力がかかり、
一定の圧がかかると、圧力が余裕のある方へと向かって逃げるので、
吹き込み口から先端に向かって膨らむのですよね。
もしかすると、さつまいもも似たようなメカニズムなのかもしれません。
まず、後から注入する澱粉の圧力に耐えられるように、
できるだけヒゲ根を遠くに伸ばし、
しっかり足場を整えてから根本に近い部分から一気に澱粉を押し込む。
その澱粉の圧力を効率よく形よく行うためには
小さな容器では土も距離も足りないので
プランターで薩摩位の栽培は成功しにくいのかもしれません。
結局我が実験でも思ったような収穫には程遠く、
栽培に失敗したわけです。
とはいえ、このまま全てをリフォレスターに入れて
土の再生に使うというのは、なんだか悔しい。
とっても悔しい。
なので、食べられそうな部分は食べてみたいと思うのです。
ツルも芋も食べる
まず、食べられそうなところ。
それは茎の部分。
戦時中は芋の茎は皮を剥いて水に晒し、きんぴらにして食べていた
そうなのですが、
私は郷土料理として、さつまいもの茎のきんぴらは好きなんです。
ほぼ、手に入らないんだけどね。
今回、我が家のさつまいもの茎は
実は日照が半日ということもあってか、
とても柔らかく、ほとんど皮を剥く必要がありませんでした。
これを、水にさらした後、
フライパンにごま油を敷き、
砂糖、みりん、出汁醤油できんぴらにしました。
さつまいもの茎のきんぴらは
甘塩っぱい味付けと、細良いしゃくしゃくした歯応えで
噛むほどに遠くにさつまいもの風味を感じて一言「うまい」
優しいうまさにビールが進みます。
ほぼ根っこの芋もちゃんといただきます。
こうして画像を拡大するとちゃんとさつまいもっぽいけど、
新ごぼう並みの細さ….。
ほぼ根っこのさつまいもは
芋粥にしましたが、何せ量が少ないので
角切り大根と、じゃこ、溶き卵とネギを加えて
粥よりの雑炊人してみました。
これがね、意外とちゃんとさつまいもで
筋は全くない上に甘くてしっかりとしたさつまいも味に
仕上がったんです!
負け惜しみじゃなくて、本当にちゃんとさつまいもだったので、
これは想定外の嬉しさです!
来年も暑くなりそうなら、
さつまいも栽培をリベンジするのは全然アリです!
さつまいもはハダニの被害もなかったし、
虫といえば、土の中に黄金虫の幼虫が匹いただけで
他には被害がなかったというのも良いですからね。
全然アリです。
というわけで、4ヶ月にわたって楽しんできたさつまいも栽培は
これにておしまいとなります。
黄金虫の幼虫は、ミミズ同様鳩に進呈しましたとさ。