米糠リカバーとカルスNC-R。どっちがいいの?それはケースバイケース。
リフォレスターのリカバー時にカルスは入れないの?
リフォレスターを導入する最初の工程では、
園芸残土、鶏糞ペレット、そして農業用微生物資材カルスNC-Rで、
米糠の投入は勧めません。
それは、麹菌の繁殖と大きな関係があるからです。
基本的に麹菌を爆発的に増殖させる米糠リカバーでは
リフォレスターの土を再度育てるために
発熱、バイオガス、低酸素と極端な湿度の上昇とその後の乾燥を利用して
”殺虫・殺菌”に近い状態を作り出します。
リフォレスターでリフォレスト(土育)した土が植物を植えると
どう変化するかは別に解説するとして、
米糠リカバーには”殺虫・殺菌”の他にカルスの微生物の生存状態の確認
という役割もあるからです。
もし、米糠リカバーで3日程度で白い森が出現するのであれば、
カルスの投入は見送っても構わないからです。
でも、もし、白い森を見たくないなら、カルスを年1〜2回投入する
そもそもカルスは米に由来する
頑固な植物繊維を食べる(分解)することに特化しています。
逆に、米に由来するものをある程度投入するとものすごく活性化して
白い森を出現させてしまいます。
この性質を逆手にとって、白い森を出現させずに
カルスの良いとこ取りをしたいのであれば、
概ね年2回、それぞれ鶏糞ペレットとカルスNC-Rを投入し、
直後から野菜くずやたまごの殻を入れてあげれば良いのです。
そして、たまにはお米の研ぎ汁を土がしっとりするよりは少なめに
入れてあげればグレません。
麹菌が良いとわかっているなら”みやここうじ”入れれば良いってこと?
カルスを勧めるのは、
リフォレスターをベランダに特化させるためなのですが、
最近はカルスが手に入りにくくなっていることもあり、
カルス以外で似た効果を再現できるものはないか考えてはいるのです。
やはり、一番近くてお手軽なのはスーパーで販売されている
”みやここうじ”なのかなと思います。
しかし、みやここうじを買って土に混ぜ込めば良いのかと言えば、
それは違います。
みやここうじを使うのは、あくまでリフォレスターのように
土を育てて植物にとって状態の良い土に再生するという目的で
あくまでカルスの代用品としてです。
それでも、カルスと比べれば効果はそこまで高いとは思えません。
あくまでカルスの代用としてある程度の効果が認められるだろうということなんです。
おそらくカルスには麹菌の他に、
お米大好き微生物をこれでもかと入れていて、
しかも最適な分量で配合している。
そういう意味で農業用微生物資材はやっぱり高性能であり、
これまでに麹菌で土壌改良をした人という記録に出会っていないので
麹菌だけでは効果が薄いか、
本当に誰もやっていないかのどちらかだと思います。
乳酸菌を使った土壌改良ならある
今日のテーマからは少し離れてしまいますが、
麹菌の中にも含まれる乳酸菌に絞れば、昔からの農家の知恵の中に
土壌改良に乳酸菌を用いた方法はありました。
それが、菜花系を畑にすき込むという方法です。
漬物をつける方ならご存知かもしれませんが、
アブラ菜科の植物には自然の乳酸菌がつきやすいのです。
高菜、野沢菜、すんきなど、酸味のある漬物の多くは
酢酸ではなく、自然に発生する乳酸菌の効果で酸味が生まれます。
糠漬けの古漬けが酸っぱいのも理屈は同じです。
これらの菜の食用にしない部分は昔から畑に漉き込まれて来ましたが、
それはアブラナ科が分解しやすく栄養価も高いからだと言われて来ました。
でも、知られていなかっただけで、乳酸菌もまた土にすき込まれ、
土のリカバーに一役も二役も買っていたというわけですね。