今週は多肉植物特集。その6:多肉的「落葉」という考え方。
今日は「枯れる」を考える
今週は東京農大の先生との立ち話から知ったり、気づいたりした情報と
現在の過酷なベランダでの多肉栽培の経験を共有することを
目的として、書かせていただいています。
まず、経験上の多肉植物における「枯れ」にフォーカスしたいと思います。
多肉の「枯れ」には2種類ある
この4年で、購入した多肉の種類はざっと120。
そのうち生き残っているのが多分45種類…だと思います。
実に3分の2は枯らしているんですね。
環境などで枯れた原因は3つあり、
一つは病気、一つは高温による蒸れ、もう一つが霜による凍結です。
そのほかに、実は枯れていなかったのに、
枯れたと勘違いしていたかもしれないものもあったりします。
当時の話なので、情報収集が正確でないところもあるが…..
多肉植物の栽培方法について、
当時一般的に言われていた栽培方法は、
このデスベランダではあまり効果はありませんでした。
例えば水やりとかは、
「水はほとんどやらなくても大丈夫」となっていましたが
そのさじ加減は人によってまちまちでしたし、
肥料はやらない方がいい、
植え替え時には虫除けにオルトランを入れることなども
割と忠実にやっていました。
でも、真夏と真冬に枯れるのです。
そうして2年間はマニュアルにできるだけ忠実に多肉たちを育てますが、
生き残るものは生き残り、枯れるものは枯れる日々が続きます。
そしてある日、気づいたのが原産地の環境調べです。
原産地を知っても問題は解決しなかった
マニュアルには原産地の環境までは詳しい記載がないので、
Youtubeの海外のチャンネルで原産地の環境の情報を集めることにしました。この時の経験がリフォレスターを考えるきっかけになってゆくのですが
それはひとまず置いといて。
海外の多肉植物愛好家さんのチャンネルでは
参考になることは多かったのですが、
海外では基本的に1つの鉢の規模が大きかった。
日本みたいに小さな鉢で植物を愛でる文化ではない
ということは知りましたし、植え替え時に根っこをつけず
枝をずばっと切って土に挿すか、
ずばっと切った多肉を土の上に乗せておしまいというパターンしか
ありませんでした。
植物の基本は根を大事にすることだと思っていた私は
海外の方法を全く信用できず、
結局原産地を知っても問題は解決しませんでした。
でも、海外の皆さんの多肉の扱いの方が正解だったと知る時がきます。
ここで、東京農大の先生から伺った目から鱗の言葉を共有しますね。
「多肉植物は、すべての種類に言えることではないけれど、紅葉と同じように季節によって落葉するものがいる。」
????……!!
確かに、多肉植物を観察していると、真夏か真冬が近づくと
急に地面に近い方の葉が急激に萎れるものが出てきます。
わかりやすいのが七宝樹で、真夏にはすべての葉を枯らし、
丸坊主のまま過ごしますが、
気温が下がってくるとてっぺんのところから葉を出します。
アエオニウムも同じように夏前に急激に葉を落とし、
ピタッと成長を止めたりします。
先生によると、葉を落として休眠するタイプは
休眠中は茎で光合成を行なっているそうで、
これは日本の紅葉樹が秋に葉を落とすのと同じようなものと考ると
わかりやすいとのこと。
そう言われれば、野生のセダムは春と秋にどこからともなく現れて、
真夏と真冬は地面の表面から存在も痕跡も消してしまいます。
逆に、これは枯れてしまっているわけではなくて、
そういう性質なんだと知れば栽培方法も性質に合わせた戦略が立てられる
のではないかと思えます。
ずばっと切ると環境に馴染みやすくなる
季節によって、消えたり現れたりする性質があるならば、
ほかにも思いがけない性質を持つ多肉がいるかも知れない。
そう思い直した時、
海外の”ずばっと切って挿すだけ、置くだけ植え替え法”の謎も
解けてきました。
さらに、夏に成長するものと、冬に成長するものを整理すれば、
より管理方法も工夫ができる気がします。
そんな時に見つけたこの寄せ植え。
もしかしたら、ベランダでは個別の鉢管理ではなく、
寄せ植えにした方が生存率が上げられるのではないか。
そうして3年目。
ついに多肉の生存をかけた
寄せ植え作戦が始まります。